ここ最近のコロナショックで、つみたてNISAの含み益がマイナスに。毎日運用状況を見ては「もうやめた方がいいのかな?」とため息をついていませんか?暴落時で「売却したり、積立てを辞めてはいけない」とは聞くものの、不安になるものですよね。そんなとき思い出してもらいたいことは、つみたてNISAの3つのメリットです。この機会にもう1度整理しておきましょう。
「つみたてNISAで損失が出て困った」
は3つのメリットを再確認で解決!
2020年4月15日
1.長期で投資できるメリットとは?
単利と複利の差は大きい
つみたてNISAは、「複利の効果」があります。毎月分配金型の商品はなく、運用益が再投資される商品だからです。単利は、積立て額だけに対して利子がつくのに対して、複利は積立て額と利子の分にも利子がつきます。上の表とグラフは、単利と複利で積立てたときの利益の差額を表したものです。20年後には約283万円もの差額になっています。
長い目で見ると景気はよくなっていく
しかし、「毎年この年率で運用されないよね?」と思うかもしれませんね。確かに、景気はよい時期と悪い時期があるので、毎年同じ年利にはなりません。
景気が悪い時期は、金融緩和(金利引下げ)をします。低金利で融資を受けることができるので、企業は設備投資をしやすくなりますし、個人でも住宅ローンを借りる人が増える傾向にあります。また、政府の財政政策によってインフラ投資がされれば、企業の経営支援になります。このように、景気の状況に合わせて金利を上げ下げしたり、財政対策がされるので、長い目で見ると景気はよくなっていくということになります。
(金融庁つみたてNISA Meetup 第1回平成29年4月7日資料より)
上のグラフは、国内外の複数の資産(株式、債券)に積み立てた場合、5年間では運用結果がマイナスになっている期間もありますが20年では元本の約2~3倍になっていることを示したものです。上の表では年利2~8%ですので、例で挙げた年利3%は低めの年利と言えるかもしれません。
このことからも、長期で積立てていくことで、運用益は増えやすいと言えますね。
では、景気がよい時も悪いときも継続して積立てることが、どうして利益を得やすいのか次のメリットについて考えてみましょう。
2.積立てのメリットとは?
ドルコスト平均法の効果
上の表は、毎月の投資信託の基準価格、購入口数、投資元本、総購入口数、平均購入単価、評価損益の推移、グラフは、基準価格の推移と評価損益を表したものです。これらを見てのとおり、基準価格は高いときの半分になっていて、下落期間が長いにも関わらず、基準価格が反転し始めた1ヶ月後にはプラスの運用益に転換しています。
これが、毎月一定の価格で投資信託や株式を購入するので、安いときにはたくさん購入できる「ドルコスト平均法」の効果です。
安いときだけ買うことはできる?
では、「安いときだけ買えばいいのでは?」とも思うかもしれません。しかし、そのためには常に相場を見ていなければいけないですし、底値がどこかを判断するのは難しいことです。また、上がり始めると、今度は「これから再開するのはもう遅いのではないか」と感じてしまうものです。毎月一定額を自動で積立ててくれるというのは、自分で買う買わないの判断しなくてもよいのです。ドルコスト平均法は、大きく利益を取ることは難しいですが、「損失が出るリスク」を抑えやすいという点がメリットです。
3.分散投資できるメリットとは?
投資信託やETFは、ひとつの商品で、複数の国や資産に分散投資することでリスク分散できることがメリットですね。また、先進国より新興国、債券より株式の方がリスクが高く、株と債券は反対の値動きをします。
実際の投資信託で見てみましょう。「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」の2020年2月29日現在の直近1ヵ月のトータルリターンは、プラス0.78%です。一方、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」はマイナス10.28%となっています。(「モーニングスター」投資信託のページより)
この結果からもわかるように、株と債券をバランスよく投資することは大切なことです。もし、値動きや評価損が気になりすぎる場合、あなたにとってのリスク許容度を超えているかもしれないですよ。新興国、株式中心のポートフォリオ中心であれば、先進国資産や債券の比率を増やしたり、資産配分が同じ比率のバランス型ファンドを検討することでリスクは抑えられます。
長期・積立・分散投資のメリットについてお伝えしてきました。20年後絶対にプラスの運用益になっていとは限りませんが、利益が出やすいのは確かです。よく理解した上で継続することが大切です。
(※本ページに記載されている情報は2020年4月1日時点のものです)