昔からある、教育訓練給付制度。資格を取るためにスクールに通ったり、通信教育を受けたりした場合、その受講費用の一部を負担してもらえる制度です。ただし、これは雇用保険の一部ですので、原則として企業にお勤めの方が利用できる制度となっています。また、受講費用には、給付を申請する人が負担した入学料および受講料の合計となり、試験の受験料などは含まれませんので注意してください。
教育訓練給付制度が変わった!賢く利用するには?
2020年4月20日
教育訓練給付制度の内容とは?
教育訓練給付制度は1998年に始まった制度ですが、その後何度も見直しが行われています。2014年には「専門実践教育訓練給付」が新設され、そして、2019年の10月に「特定一般教育訓練給付」が新設されました。
これまでの給付制度の種類
一般教育訓練給付
対象者:支給要件期間(同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間)が3年以上(初回は1年以上)の在職者であること。もしくは離職後1年以内の人。
給付額:受講費用の20%。ただし10万円が上限。
申請方法:受講終了後、教育訓練機関が発行する受講料の領収書と、教育訓練終了証明書、そして教育訓練給付金支給申請書などをハローワークに提出。
専門実践教育訓練給付
対象者:支給要件期間が3年以上(初回は2年以上)の在職者であること。もしくは、離職後1年以内の人。
給付額:訓練期間1年につき、受講費用の50%。ただし年間40万円が上限。 資格を取得し、雇用された場合は、追加で受講費用の20%(年間合計56万円)が上限。
申請方法:受講から6カ月ごとに支給申請を行い、支給を受ける。
教育訓練支援給付
対象者:専門実践教育訓練を受ける45歳未満の離職者など。
給付額:雇用保険の基本手当日額の80%。
申請方法:受講開始の1ヵ月前までにハローワークで実施。支給を受けるにあたり、原則として2ヵ月に1回の教育訓練支援給付金の認定日にハローワークで失業認定を受ける必要あり。
新設された「特定一般教育訓練給付」
対象者:一般教育訓練給付と同じ。
給付額:受講費用の40%。ただし、年間20万円が上限。
「特定一般教育訓練給付」と「一般教育訓練給付」の違い
特定一般教育訓練給付は、労働者の速やかな再就職と早期キャリア形成を目的として新設されたもので、対象講座については以下のとおりとなっています。
1.税理士や社会保険労務士などの独占資格
2.IT資格を取得とした目標講座
3.新たにITパスポート資格を取得するための目標講座
4.短時間のキャリ形成促進プログラム
講座数としては150講座ほどが用意されています。 ただし、特定一般教育訓練給付金を受給するには、原則として、受講開始時前に訓練対応キャリアコンサルタントによるコンサルティングを受けなければならないことに注意が必要です。
働き方改革などで、自分の時間が持てるようになったことから、その時間を自分のキャリアアップのために使いたいと思われる方も増えています。給付を受けるためには、それぞれの給付制度違いや内容をしっかり理解し、さらにキャリアプラン、そしてマネープランをしっかり立てることが大切です。また、今後も制度内容に変更があるかもしれませんので、利用しようと思っている方はこまめにチェックすることを忘れないようしてください。これらの制度は、契約社員やパートなどの非正規雇用者であっても雇用保険に加入していれば給付の対象となります。これから何らかの資格を取ってキャリアアップしたいと思っているのであれば、是非活用してみましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年4月7日時点のものです)