「副業をしたいけれど、あまり時間もとれないし無理もしたくない、月1万円くらいから始めてみようかな」という人がいます。
いざ副業を始めてみようと思うとき、あるいは始めてみてから気になる問題の1つが税金ではないでしょうか。副業で収入が増えるため、税金の申告が必要になるのかどうかが心配ですよね。
毎月1万円の副業を始めた場合に、確定申告などが必要となるかどうかの問題について、簡単にご紹介します。
毎月1万円の副業を始めたら税金はどうなる?
申告は必要なし?
2020年3月10日
月1万円くらいで気楽に副業したい
収入を増やすために
「もう少し収入を増やしたい、転職するつもりはないけれど少しずつ副業で増やせていけたらいいな」と思っていませんか。一人暮らしを始めたら支出が多くて生活に不安を感じたとか、子どものための支出が増えてきたとか、将来のために貯蓄を増やしたいなど、さまざまな理由があるものですよね。
限られた時間と体力の中での副業として、例えば月1万円の収入を得るケースの場合、時給1,000円の仕事を週に2.5時間こなせば可能です。バイトアプリなどを活用し、単発バイト、短期バイトを気楽に利用してもいいですね。
年間で月20万円以下なら申告不要?
月1万円の副業ができると、年間12万円の収入となります。ここで気になる税金の問題ですが、給与所得を受けている人で副業の所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は基本的に不要です。
言いかえると、副業の所得が年間20万円超の場合であれば確定申告が必要になります。頑張って月2万円、年間で24万円の副業所得を得るようになると申告が必要です。
ただし、医療費控除やふるさと納税のために確定申告をする人は、副業分の所得についても申告が必要となります。注意しましょう。
なお、月20万円以下であれば申告不要というのは所得税の話です。住民税については、別の話となります。続けてご紹介していきましょう。
出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm)
20万円以下でも住民税の申告は必要
副業の税金の話において、面倒だけれども知っておかなければいけないこととして、住民税と所得税の申告のルールは別ということが挙げられます。
副業をしたら、副業をした年の翌年の2~3月くらいに住民税の申告が必要です(具体的な期間、日時についてはお住まいの自治体ホームページで確認しましょう)。
【住民税の申告に必要なもの】
・申告書
・印鑑
・マイナンバー確認書類
住民税の申告で必要となる申告書は申告会場に用意されていますが、自治体によって自治体ホームページでもダウンロード可能となっています。例えば○○県□□市に住んでいるのであれば、申告書の名称は市民税・県民税申告書です。
直接申告の会場に足を運ぶ場合は、混雑しやすい初日や午前中を避けるなどの工夫をしておくと順番待ちの負担が少なくなります。どの時期や時間帯が混雑しやすいかについて申告の説明書に記載されていることもあるため、注意事項によく目を通しておきましょう。郵送で提出できる場合は、郵送先の住所なども説明書に記載されています。
給与所得と雑所得について
アルバイトかフリマアプリか
さて、月1万円の副業所得であれば所得税にかかわる申告が不要とわかりました。ここで、ためになる豆知識として副業に多く見られる所得の種類2つについてご紹介しておきます。
一般的に、身近であり得る副業としては、アルバイトなどの給与所得、そして、アフィリエイトやシェアリングエコノミー、フリマアプリ、ネットオークションなどによる雑所得が考えられます(事業としての規模で稼ぐようになると事業所得となりますが、規模が小さいうちは雑所得とすることが一般的です)。
・パートやアルバイトで給与を得る副業 → 給与所得
・アフィリエイトやシェアリングエコノミーなどで収入を得る副業 → 雑所得
なお、フリマアプリやネットオークションでの資産売却による雑所得は課税対象ですが、古着などの生活用品売却による雑所得は非課税となります。
出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1906.htm)
雑所得の必要経費
給与所得には給与所得控除という控除(事業の経費と同じようなイメージで適用される控除)があり、本業の給与所得を計算する際に既に適用されています。そして、副業の雑所得に関しては実際にかかった必要経費分の控除が可能です。
例えば副業のためにかかった事務用品費や水道光熱費(プライベートで使う分と比べての按分となる)などがある場合、経費として副業収入から引いて副業分の所得を計算できます。国税庁のホームページから雑所得を計算するためのExcelの計算表をダウンロードできます。
出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm)
今回ご紹介したように、年間20万円以下の副業所得であれば所得税に関する確定申告は不要ですが、20万円を超えて申告が必要になる場合でもスマホで申告できるなど、申告方法が簡単になっているため心配しすぎなくても大丈夫です。税金の申告ルールを理解し、自分なりのペースで副業収入を増やしていけるといいですね。
(※本ページに記載されている情報は2020年3月10日時点のものです)