日本に住んでいる私たちにとって、米国の個別株は、言語も違うし、情報も少なくて難しそうと感じてしまいますが、米国株をまとめてプロに運用してもらえるならハードルが下がりますよね。ここ最近、大手ネット証券で手数料無料化が進み、何かと話題の米国ETF。今回は「米国ETF」がどんなものか、魅力や注意点をわかりやすく解説します。この機会に米国ETFデビューしましょう!
「米国ETF」ってどういうの?
魅力や注意点をわかりやすく解説!
2020年3月9日
米国ETF、日本のETFとの違いと魅力は?
そもそもETFとは、証券取引所に上場していて、東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動を目指す投資信託のことです。投資信託と違ってリアルタイムで売買できるのも特徴です。ETFについてより詳しく知りたい方は、「ETFってなに? 投資女子なら知っておきたい応用編」を参照くださいね。
日本でも、アメリカ株を組み込んだETFがあります。ですが、日本に上場しているETFは、日本の管理会社が米国株を組み込んだものが中心で、銘柄数も少ないです。一方、米国ETFは、米国の管理会社が組み入れたものが多数あります。上の比較表を元に、日本との具体的な違いや米国ETFの魅力をみていきましょう。
一部の米国ETFの買付け手数料が無料!
米国ETFは、約定代金の0.495%(最低手数料は0米ドル、上限手数料は22米ドル)となっています(2020年2月現在、数字は税込み)。また、2020年に入ってからは、日米とも、一部のETFの買付け手数料が無料になり、長期で積立てて運用したい人にとっては、より始めやすくなりました。
米国ETFは保有コストが低く、純資産残高も大きい
上の2つの商品は、米国株S&P500に連動した日米のETFと比較したものです。「S&P500」とは、米国の代表的な500銘柄の株価を元に算出されている株価指数です。保有コストは、運用中に毎日かかるもので、注目するべきコストです。米国では「経費率」という言い方で、日本よりかなり低いです。また、純資産残高も米国の方が大きく、流動性が高い(売買が活発)ということがわかります。
種類が豊富なため、投資スタンスによる商品選びが可能に
米国ETFの方が、種類が豊富です。そのため「長期でコツコツ安定的に積立てたい」、「短期売買したいので、値幅が取りやすい新興株銘柄中心」、「配当をもらいたい」というように投資スタンスに合わせた商品が選びやすいというメリットもあります。
米国ETF、注意点は?
メリットだけではなく、注意点も抑えておきましょう。
売却時手数料に注意
売却時には通常の手数料のほか、「SEC Fee」という「米国現地証券取引所手数料」がかかります。ドルベース約定代金に対して0.0000221米ドル(米セント未満切り上げ)かかることを覚えておきましょう。(2020年2月現在)
立会時間が現地時間
ETFが売買できる立会時間は、米国の現地時間です。そのため、短期売買をしたい方にとっては取引しづらいかもしれません。
為替に注意
米国ETFを、米ドルで売買した場合、買付け時より売却時が円高になっていると為替差損が発生してしまいます。また、交換手数料も発生すること、為替差益は雑所得になり、条件によっては確定申告が必要になることがあります。
分配金の2重課税に注意
売却益には、20.315%の税金がかかりますが、分配金に関しては米国分の10%分も課税されます。ただし、確定申告で「外国税額控除」の手続きをすると、10%の税金は還付が受けられます。なお、NISAでは売却益は非課税ですが、分配金には米国分の10%が課税されます。
選び方は?どんな商品があるの?
最後にどのように商品を選ベばよいのか、どんな商品があるのかみてみましょう。
選び方のポイント
基本的には、日本の投資信託を選ぶ時と同じです。
・経費率が低いか
・純資産総額が右肩上がり、パフォーマンスが良いか
・取れるリスクを考えて、種類(株式、債券、コモディティなど)エリア(米国、他先進国、新興国)、セクター(生活必需品、ヘルスケア、情報技術など)を選ぶ
・分配金目当てか、少ない分配金で投資効率を上げるか
などを考慮し、投資スタンスを明確にしましょう。
どんな商品があるの?
低い経費率で、右肩上がりのパフォーマンスの一例です。「モーニングスター」の海外ETFのページで確認できます。選び方のポイントを参考に、投資したい商品を探してみましょう。
米国ETFは、経費率の低さ、パフォーマンスの良さ、ネット証券各社の手数料値下げなど、ますます始めやすくなりました。ぜひこの機会にチャレンジしてみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年3月9日時点のものです)