今年も確定申告のシーズンがやってきました。
会社員の人は「私には関係ないわ」と思っていませんか?
会社員の人でも確定申告をしなければならなかったり、した方がおトクだったりする場合があるのです。申告漏れはないか、もう一度チェックしておきましょう。
確定申告真っ只中!
会社員の人、申告漏れはない?
2020年2月15日
そもそも年末調整って?
一般的に会社員の人は年末調整で税金の処理が終わります。
昨年12月の給与がいつもより多かったという人もいるのではないでしょうか。それは年末調整で払いすぎた税金が戻ってきたからなのです。
年末調整の仕組み
改めて年末調整についておさらいしておきましょう。
会社員の人は、毎月の給与から所得税が天引きされています。1年間働くという仮定で、その人の所得によっておよその額を天引きし、1年経過した時に実際の所得額をもとに計算し直して過不足を確認します。これを「年末調整」と言います。
年末調整でできる所得控除は?
所得税は「所得」に対してかかります。
ですから、 年収からできるだけ多く「所得控除」を差し引くことで税金がかかるモトが少なくなり、納める税金が少なくて済みます。
所得控除は「人」と「物」に対しての控除があり、全部で14種類あります。
生命保険料控除や地震保険料控除、社会保険料控除など、その中で年末調整で申請することができるのは、その人や物によってそれぞれです。
昨年の11月頃に保険会社などから送られてきた証明書を年末調整の時に提出したという人もいるでしょう。それにより、さらに税金が控除されるということなのですね。
会社員がする確定申告は?
先ほど、所得控除は14種類あるとお伝えしました。
でも、年末調整では計算できない控除があるのです。
した方がおトク
昨年医療費をたくさん使った、薬をたくさん買った、寄附をした、災害にあって自宅を修理した、というような人は、確定申告をすることでさらに税金が返ってくる場合があります。
具体的にみていきましょう。
①医療費控除
昨年1年間の医療費の合計が10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を超えた場合、実際に支払った医療費から高額療養費や保険金などで補填された金額と10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を引いた金額が医療費控除の対象になります。
②セルフメディケーション税制
医療費を10万円も使っていないという人でも、1年間にOTC医薬品の購入額が12,000円を超えた場合、健康診断や予防接種を受けていればセルフメディケーション税制を利用できます。
医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらかしか利用できないので、おトクになる方を利用してくださいね。
③雑損控除
自然災害や盗難、横領などで個人の資産について損額を受けた人は「差引損失額-総所得金額×10%」または「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」のどちらか多い方の金額を差し引くことができます。
(差引損失額は損害金額の合計+関連したやむをえない支出の金額)-保険金等により補填される金額です。
④寄附金控除
国や地方公共団体などに寄附をした場合、寄附金控除を受けることができます。受けられる控除の金額は「その年に支出した特定寄附金の合計額またはその年の総所得金額等の40%相当額のいずれか低い金額-2,000円」です。
ふるさと納税も寄附金控除の対象ですが、ワンストップ特例制度を利用した場合は確定申告は不要です。
ワンストップ特例制度は、1年間の寄付先が5つ以内である場合に利用できます。ふるさと納税を行った自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を送付することで、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けることができるので便利です。
⑤住宅借入金等特別控除
昨年、住宅ローンを利用してマイホームを購入したりリフォームしたりした人は、住宅借入金等特別控除を利用できる場合があります。2年目からは年末調整で控除できます。
しなければダメ
①他の所得が20万円を超える人
最近では副業を認める会社も増えてきました。
副業などで給与所得以外に20万円を超える所得があった人は確定申告をする必要があります。
仮想通貨の売買などで20万円以上の利益が出た人も確定申告が必要です。
②2,000万円を超える年収の人
会社員でも、給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合は年末調整が行われないので、確定申告が必要です。
確定申告の仕方
確定申告に必要な物は下記の通りです。
・確定申告書
・源泉徴収票
・領収書や控除明細書など
・マイナンバーカードまたは通知カードと身元確認書類
・銀行口座
・印鑑
全部揃えてから申告書を作成していけば効率よく進めることができます。
申告書を提出するには、税務署や市区役所などで担当者に教わりながら記入することもできるので、不安な人は利用するといいでしょう。
でも、会社員はなかなかそのような時間が取れない場合が多いですね。
平日の夜や週末でも、自宅で国税庁のHP「確定申告書コーナー」から作成して提出することができます。e-Taxを利用するとその場で提出できますが、ICカードリーダライタや税務署で発行されたID・パスワードが必要です。
郵送して提出する場合は、締め切りギリギリにならないよう余裕をもって送るようにしましょう。
2020年の確定申告は2月17日から3月16日までですが、還付申告は過去5年に遡って申告できます。もし過去にしていなかったという人があれば、ぜひ還付申告してくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年2月15日時点のものです)