あなたは日ごろ自転車を利用しますか?ここ数年、自転車乗用中の事故件数が増加傾向にあるようです。自転車事故は、被害者だけでなく加害者にもなり得ます。そこで、最近では【自転車保険の義務化】が全国で進行しています。自転車保険ってどんな保険なのでしょう?知って備えて、安心安全な自転車ライフを楽しみませんか。
【自転車保険の義務化】が進行中!
知って備えて自転車ライフを楽しもう!
2020年1月25日
自転車事故 最新データ
2019年2月に警察庁が発表した報告書によると、日本国内で起きた交通事故全体の発生件数は、2018年が43万601件でした。前年の2017年が47万2,165件なので、比較すると約4万件減少しています。この件数は、2004年から14年間、連続して減少しています。
次に、自転車交通事故の発生件数は、2018年が8万5,641件です。前年の2017年が9万407件なので、比較すると約5,000件減少しています。この件数も、2005年から13年間、連続して減少しています。
しかし、交通事故全体に占める、自転車交通事故発生件数の比率は、ここ数年増え続けているのです。
【過去3年間の事故発生件数】
全体 自転車事故 比率
2016年 49万9,201件 9万 837件 18.2%
2017年 47万2,165件 9万 407件 19.1%
2018年 43万 601件 8万5,641件 19.9%
また、自転車交通事故での死者数も、ここ数年減少せず、横ばいです。年齢別死者数は、高齢者が多いのが特徴で、60歳以上が全体の7割を超えています。最近では、20歳未満の死者数も増加傾向にあるようです。
自転車事故の特徴として「被害者だけでなく、加害者にもなりうる」可能性があります。自動車やバイクと違い、運転免許もなく誰でも乗れますし、シートベルトなどの安全装置もありません。安全運転を心がけるのはもちろんですが、万が一のために【自転車保険の義務化】も各自治体で、急速に進んでいるようです。
【自転車保険の義務化】が進行中!
【自転車保険の義務化】とは、各自治体にある「自転車の安全運転に関する条例」の中に、自転車事故による被害者の救済と、加害者の経済的負担を軽減することを目的として、自転車を利用する全ての人に対して、自転車保険に加入するよう義務づけたものです。しかし、全ての自治体で義務化が始まっているわけではありません。
義務化が始まっている自治体は、
【加入義務】
埼玉県、神奈川県、静岡県、長野県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県 仙台市、名古屋市、金沢市
【努力義務】
北海道、東京都、千葉県、群馬県、鳥取県、香川県、徳島県、愛媛県、福岡県、熊本県 (2019年10月時点)
東京都は、早ければ2020年4月に【努力義務】から【加入義務】に変更する予定だそうです。【加入義務】とは、自転車保険に加入する義務があること。【努力義務】とは、自転車保険の加入に努めなければならないことですが、このどちらであっても、今現在は自転車保険に加入していないからといって罰則があるわけではありません。
しかし、どちらにしても、自転車を運転するのであれば、条例や義務、罰則の有無にかかわらず、自分自身の自転車ライフを安全安心に楽しむために、自転車保険に加入することをおススメします。
【自転車保険】ってどんなもの?
【自転車保険】とは?
自転車を運転中に、事故等が発生した場合のケガや、相手側への賠償に対して必要となる費用を補償する保険です。
自分自身のケガに備える保険を「傷害保険」、相手側への賠償に備える保険を「個人賠償責任保険」と言い、この両方が備わっていれば、【自転車保険の義務化】に対応できた自転車保険と言えます。
「傷害保険」とは?
日常生活で起こるケガに備える保険です。自転車以外での交通事故でケガをした場合はもちろん、仕事中や通勤中のケガ、スポーツ中のケガ、自宅での転倒、階段を踏み外した場合などのケガも全て補償の対象です。
ケガによる通院や入院、手術の保険金や、死亡・後遺障害に至った場合も保険金が支払われます。
「傷害保険」と「医療保険」の違いは、「傷害保険」はケガのみの補償、「医療保険」はケガと病気の保障であることの違いです。
「個人賠償責任保険」とは?
日常生活で起こる偶然な事故により、他人にケガを負わせたり、他人の物を破損したり、法律上の賠償責任が発生した場合に備える保険です。日常生活で起こる事故が対象なので、自転車運転中の事故ももちろん対象になるわけです。
この保険は【自転車保険】に加入せずとも、すでに加入中の自動車保険や火災保険などにオプションとしてセットされている場合があります。
加入中の保険に「個人賠償責任保険」がセットされているか?自転車運転中の事故が対象であるか?万が一事故が起きた場合の賠償金額は最高いくらか?などを確認した上で【自転車保険】の加入を考えましょう。
【自転車保険】に加入するには?
加入中の保険に自転車運転中の事故が対象外である場合や、加入中の保険にセットされている自転車運転中の事故の補償額が十分ではないと判断された場合、新たに【自転車保険】に加入する必要があります。
生命保険会社や損害保険会社の担当さんとお付き合いがあるのであれば、その方に【自転車保険】について相談するのも良いですが、今は、ネット上でも簡単に加入できます。年間保険料が3,000~5,000円くらいが主流です。補償内容をしっかり把握したうえで加入しましょう。
いかがでしたか?【自転車保険】のこと、知って備えて、安心安全な自転車ライフを楽しんでくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年1月25日時点のものです)