2018年度の税制改正から、確定申告については「ペーパーレス優遇税制」から「ペーパーレス推進税制」へと大きく様変わりしてきました。現在の確定申告においても、ますます簡単な方法で行えるように、「マイナンバーカードでの認証をかける電子申告」のほか、「IDとパスワードで認証をかける電子申告」の方法が2018年分の申告から始まっています。今回はその概要について説明します。
IDとパスワードだけで確定申告が出来るって本当?
そのやり方は?
2020年1月16日
IDとパスワードによる確定申告とは
今まで、e-Taxで確定申告を完了させるには
・マイナンバーカードを取得(通知カードでは不可)
・e-Taxの開始届出書の提出
・e-TaxのIDとパスワードの受領
・e-Taxで申告書を作成し、送信
という手順だったので、申告時には
「マイナンバーカード」
「ICカードリーダライタ」
「e-TaxのIDとパスワード」
の3つを用意しておく必要がありました。
マイナンバーカードの取得はまだしも、ICカードリーダライタを購入する必要があることから、e-Taxは毎年確定申告をする必要のない人にとっては特にメリットを感じるものではありませんでした。
そこで、マイナンバーカードやICカードリーダライタがなくても、e-Taxで申告書を作成し、送信できる選択肢を増やすことにしたのです。その方法が、「IDとパスワードで確定申告」する方法です。この「IDとパスワードで確定申告」する方法を利用すると、スマホでも申告できることが最大のメリットです。
ID・パスワード方式を利用するには?
まずは税務署で本人確認
ID・パスワード方式を利用するには、税務署などで本人確認を行った後に発行される「ID・パスワード方式の届出完了通知」 というものが必要となります。本人確認をするため、運転免許証などの本人が確認できる書類をもって税務署に行かなければならないところが少し面倒ですよね。ただし、この税務署は管轄税務署である必要はないので、お勤め先の近くの税務署でも対応してくれます 。
申告方法
申告時にデータを入力して送信するというやり方は、従来のマイナンバー方式と同様です。ただし、現状ではID・パスワード方式でスマホから確定申告書を作成する場合、対応しているのは
・源泉徴収票
・医療費控除
・ふるさと納税等の寄付金控除
のみとなっています。
よって、
・メルカリで利益を得た(営利目的で使用した)
・株やFXの取り引きがある
・アフリエイト収入がある
等には対応していませんので、注意が必要です。
ID・パスワード方式のメリット
e-Taxはパソコンでしかできないので、パソコンのOSやブラウザのバージョンを確認する必要があり、すごく煩わしいのですが、ID・パスワード方式を使ってスマホで申告できるということは、そういった煩わしい作業から解放されます。しかも、申告した内容は最初から電子データで、作成時に自動計算などを行なっていますので、正しく入力するだけでOKです。
そのため、申告内容の確認処理が速やかに行われるので、医療費控除やふるさと納税などの還付申告であれば、かなり早く指定の口座に還付されます。正しく申告すれば税務署から指摘される心配もなく、素早く還付を受けられる のは大きなメリットではないでしょうか。
これまで、確定申告に縁がなかった人も、サラリーマンであれば医療費控除やふるさと納税によって、いつ確定申告をすることになってもおかしくないと思います。これを機会にふるさと納税を始めて、確定申告をしてみるのもいいかもしれませんね。
(※本ページに記載されている情報は2020年1月16日時点のものです)