今年から副業をはじめて収入が増えたのは嬉しいけど、確定申告が必要か心配な方も多いのではないでしょうか。副業の収入はいくらから申告しなければいけないの?副業は20万円以下なら確定申告はしなくていいって聞いたけど本当?そんな「副業20万円ルール」の内容を徹底解説します。
副業の収入は確定申告しないとダメなの?
「副業20万円ルール」を徹底解説
2019年12月19日
「副業20万円ルール」とはどんなルール?
副業が20万円以下だったら確定申告をしなくていい…こんな話を聞いたことがありませんか?この「副業20万円ルール」は、単に副業が20万円以下であれば誰でも適用されるというわけではありません。いくつかの要件がありますので見ていきましょう。
会社で年末調整をした人が対象
「副業20万円ルール」は、本業が会社員でお給料をもらっていて、会社で年末調整をしている人が対象です。
そのお給料の他に副業などの所得がある場合、副業の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告はしなくていい、というルールです。
給与所得者の税金の計算は年末調整で終了しており、副業の所得がある場合には、本来であれば税金の対象となる所得が増えるため確定申告をして追加の税金を払う必要があります。
しかしこのルールは、税金計算の事務を簡便化するため、年末調整をしている給与所得者であれば、他に少額の所得があってもそれはわざわざ確定申告しなくてもいいよ、ということを定めています。
所得ってなに?収入とはどう違うの?
「副業20万円ルール」は、副業の収入ではなく「所得」が年間20万円以下であることが要件です。
では、「所得」とは何を指すのでしょうか?「所得」とは、収入から経費を差し引いた金額、つまり「もうけ」のことをいいます。
所得(もうけ)=収入-経費
例えば本業は会社勤めで、他に副業の売上22万円、経費3万円がある場合、副業の所得は22万円-3万円=19万円となり、副業の所得が20万円以下になるため確定申告の必要がありません。
「副業20万円ルール」で気をつけたい3つのこと
①本業がフリーランスの人が副業をした場合には適用なし
②医療費控除などを受けるために確定申告をすると適用なし
「副業20万円ルール」は、年末調整をした人がその後確定申告をした場合には適用されず、年間20万円以下の副業の所得であっても確定申告に含めなければなりません。
本業が会社員の人が年末調整をした後に確定申告をするケースには、例えば次のようなものがあげられます。
・医療費控除を受けるため。
・住宅ローン控除の適用初年度。
・ふるさと納税の寄付先が5ヶ所以下であっても、ワンストップ特例制度の申請をしなかった場合。
・年末調整で控除が漏れた控除を受けるため。
・譲渡や保険の満期返戻金などの臨時的な所得があった場合。
確定申告をする場合には、20万円以下の副業の所得があればそれも申告に含めることを忘れないようにしましょう。
③住民税の申告には適用なし
「副業20万円ルール」が適用されるのは所得税の確定申告のみであり、住民税には適用されません。
したがって、所得税は確定申告が不要でも、住民税の確定申告をしなければなりません。でも、「住民税の確定申告」ってちょっと聞きなれない言葉ですよね。
実は、所得税の確定申告書は住民税の確定申告書を兼ねています。したがって所得税の確定申告書を税務署に提出すれば、その確定申告書がお住まいの自治体にまわり、住民税の計算がされるのです。
しかし、「副業20万円ルール」が適用される場合には所得税の確定申告書を提出しないため、住民税の確定申告書をお住まいの自治体に提出する必要があります。
住民税の確定申告書は、お住まいの自治体のホームページから印刷できます。提出期限は所得税の確定申告書と同じく翌年3月15日です。忘れずに提出しましょう。
まとめ
「副業20万円ルール」が適用される、されないの判定は次のとおりです。
・本業が会社員でお給料の年末調整をした人に適用されます。
・本業がフリーランスなど、そもそも確定申告が必要な人には適用されません。
・年末調整された給与所得者であっても、確定申告をする場合には適用されません。
・このルールは所得税だけの規定であり、住民税の確定申告は別途必要です。
副業の申告が必要なケースをおわかりいただけましたか?必要のない申告をしてしまったり、もしくは申告が漏れてしまったりすることがないように気をつけましょう。
(※本ページに記載されている情報は2019年12月19日時点のものです。)