投資信託を始めるにあたってドルコスト平均法がいいって言われたけど、むずかしそうな名前で初心者の私にもできるのか不安……メリット、デメリットを知りたい……
ドルコスト平均法とは投資におけるリスク分散の手法のひとつで、広く用いられています。
今回は専門用語なしでやさしく解説します。
ドルコスト平均法ってなに?
難しい投資用語をわかりやすく紹介!
2019年11月29日
ドルコスト平均法とは?
投資信託を始めることになって、知り合いから「ドルコスト平均法が初心者にはおすすめらしいよ」と言われ、よくよく聞いてみたがあまりピンとこなかったという経験はありませんか?
毎月同じ金額を投資することが、本当にいいのかどうか……と思っていませんか?
また、「平均法」は感覚的に理解できても、「ドルコスト」とは一体なに……
はっきりさせたいですよね?
ドルコスト平均法とは、個人の投資法のことで、値動きのある株式や外貨を一定の金額で長期的に買い続ける方法のことです。
ここでは、投資初心者向けのやさしいドルコスト平均法の説明をしていきます。
ドルコスト平均法の意味
そもそも、ドルコスト平均法とは、英語ではDollar-Cost Averagingとなります。Dollarは、アメリカでは「お金」という意味があり、ドルコスト平均法は「お金のコストを平均的にする」という意味になります。ちなみにドルコスト平均法は、イギリスでは「ポンドコスト平均法」と呼ばれているそうです。
毎月一定額ずつ株などの投資商品を買えば、単価が高い時には商品は少ししか買えず、単価が安い時にはたくさん買えるので、価格が平均化してリスクが減る方法といわれています。
簡単な例で実感してみる
具体的にみてみましょう。例えば、投資に回せるお金が30万円あったとします。
これを1回の投資で株を買った場合と3回に分けて買った場合、つまり、一括購入とドルコスト平均法の比較をしてみます。
簡単にするため、ある株の1株の単価が次のようになっていたとします。まず、1株当たりの単価が下がった後、上がった例です。
10月 11月 12月
1株当たりの単価(円) @10,000 @2,000 @5,000
10月にまとめて30万円分を一括購入した場合は、30万円÷1万円=30 となり30株購入できます。
これに対し、3回に分けて毎月10万円ずつ株を購入した場合は、
1回目 10万円÷10,000円=10(株)
2回目 10万円÷ 2,000円=50(株): 値下がりすると株は多く買えます
3回目 10万円÷ 5,000円=20(株)
これだと結果的には80株も買えることになります。1株平均3,750円となります。
今度は11月に単価が高くなり、その後単価が落ちたとします。
10月 11月 12月
1株当たりの単価(円) @10,000 @20,000 @5,000
これも3回に分けて毎月10万円ずつ株を購入すると、
1回目 10万円÷10,000円=10(株)
2回目 10万円÷20,000円= 5(株): 値上がりすると株は少ししか買えません
3回目 10万円÷ 5,000円=20(株)
これでも35株買えることになりました。1株平均8,571円となります。
いずれの場合でも、10月に一括購入するよりもドルコスト平均法では多くの株を買うことができました。
このようにドルコスト平均法では、投資期間の平均的な価格で購入できたことになります。ここで重要なことは 値動きがある商品を買うということです。値動きがなければドルコスト平均法の効果はありません。
ドルコスト平均法にデメリットはあるの?
ここまででドルコスト平均法については、だいたいイメージできたのではないでしょうか?
では反対に、どういった場合にドルコスト平均法が使えないのか、そのデメリットを考えてみましょう。
例えば、ずっと値上がりすることが見えている商品にドルコスト平均法は有効でしょうか?
ドルコスト平均法で毎月商品を買い続けるよりも、少しでも早く買ってしまう方が運用益は上がります。
また、値下がりすることが見えている商品にドルコスト平均法は有効でしょうか?
ドルコスト平均法で毎月商品はどんどん買えますが、価値の低い商品にお金を費やすことになり、買えば買うほど損をすることになります。
しかし、投資においては、将来のことは誰にもわかりません。確実に値上がりが続くとか、値下がりが続くと言い切ることは、まずできないのです。
ドルコスト平均法は、上がったり下がったり将来のことが予想できないものについて力を発揮する方法であるといえます。この方法における重要ポイントは「平均単価」で購入したことになり、結局大きな利益はつかめないけれども、大きな損からも免れるということになります。
ドルコスト平均法はどのように利用すればよいの?
ドルコスト平均法のデメリットのひとつとして、手数料があげられます。毎月投資するということは、毎月手数料がかかるということになります。
そこで手数料については、ノーロードと呼ばれる販売手数料がかからないものもあります。ドルコスト平均法で買うのであれば是非、ノーロードの商品をお勧めします。
2019年の世界経済はここ10年では最低水準と言われつつも、成長はしているのです。
投資においては、20年程度の長期を見渡して世界経済は発展することが前提とされています。
この考えに立てば、ドルコスト平均法で長期にわたってリスクを分散させる方法は堅実な方法だといえるでしょう。
参考:国際通貨基金 世界経済見通し (WEO) 2019年10月
最後にもうひとつ、ドルコスト平均法のメリットとして、精神的プレッシャーから解放されることもあげられます。自分の投資した商品の値動きによって一喜一憂するのは疲れますよね?
感情にとらわれないという点ではドルコスト平均法は優れた投資手法であるといえるのではないでしょうか?
(※本ページに記載されている情報は2019年11月29日時点のものです)