貯蓄の目標として100万円を掲げる人は多いですね。でも、コツコツお金を貯めて100万円に到達したらあなたはその100万円をどうしますか?
100万円達成するのは、普通に働く女子にとってはやはりすごいこと。でも、それでゴールではありません。頑張って積み立ててきた100万円だからこそ、これから大切に育んでいきましょう。今回は100万円をより増やしていくための、タイプ別おすすめの方法を紹介します。
貯金したい人必見!
FPおすすめの100万円活用術
2019年10月30日
覚えておきたい、貯蓄の3つの要素とは?
資産づくりのための金融商品にはさまざまなものがありますが、まずは金融商品のそれぞれに「流動性」、「安全性」、「収益性」という3つの要素があることを知っておきましょう。
流動性
換金のしやすさの程度を示します。
当面の生活費や、病気・ケガの治療費などいざというとき、また災害時などの緊急時にもすぐに引き出せるよう、備えておきたいお金を準備するために大切な要素です。
安全性
元金や利子の支払いの確実性を示します。
旅行・レジャーや自宅のリフォーム、子どもの結婚資金など、使うのは数年先ながら、使うことが決まっているため減らしてはいけないお金を準備するために大切な要素です。
収益性
期待される収益を示します。
10年以上先の老後資金や子どもの将来の大学進学資金、また子どもや孫に相続させるお金など、当面は使う予定のないお金を準備するために考えたい要素です。
あなたにおすすめ金融商品は?
さて、ここで100万円を元手に資産作りをしようと考えるとき、どんな金融商品を選べば良いか考えてみましょう。
この時大切になってくるのが上で見た金融商品ごとの3つの要素です。というのも、これまであなたが貯めてきた100万円は目的があって貯めたという場合もあるでしょう。もしくは、とくに目的はなかったけど、この100万円を将来どういうことに使っていきたいのか目的があるかもしれません。
金融商品を選ぶときには、あなたが考えている目的と、預け先ごとの要素がマッチしていることが大切です。
普通預金
いつでも出し入れ自由で、預金保険の範囲内で元本保証される普通預金は「流動性」と「安全性」には優れていますが、金利は低く「収益性」はほとんどありません。
給与の受取口座や家賃、公共料金、保険料、クレジットカードの引落口座など、日常使いには良いですが、100万円を普通預金口座に置いておくと、ついつい使ってしまい、知らない間に金額が減ってしまう可能性があります。
たとえば「いまある100万円を数日後に自動車や車代金の支払いに充てる」など、短期間の金庫的な役割として使う場合には適していますが、そうでなければ貯蓄口座としては避けた方が良いでしょう。
定期預金
普通預金と同じく銀行の預金商品であり、預金保険の範囲内で元本保証されるため「安全性」に優れています。普通預金に比べると金利は高め。銀行の預金商品の中では「収益性」は高めの部類に入ります。
一方、定期預金ははじめに1年、2年、3年などと預け入れ期間を決め、基本的に満期日まで引出しができません。つまり、「流動性」には劣ります。とはいえ、最近では1カ月、2カ月、6カ月というように1年未満の短期間の定期預金を取り扱う銀行も多くなりました。
たとえば「いまある100万円を6カ月後の新婚旅行で使う」など、1カ月以上~数年後にあらかじめ使うことが決まっている人は、必要な時期に合わせた期間の定期預金に預けると良いでしょう。
ただし、定期預金の満期後の取り扱いとしては一般的に満期日にあらたに同期間の定期預金として自動継続される「自動継続型」と、満期日に元金と利息が普通預金口座に入金される「自動解約型」の2種があります。満期後に自動継続となり、次回の満期がくる前に解約すれば解約違約金が引かれてしまいますから、定期預金を申込む際にはきちんと確かめておくことが必要です。
投資信託や株式購入
いわゆる投資商品である投資信託や株式は、投資したお金(価値)が変動するのが通常で、銀行の預金商品のように元本保証はありません。つまり、「安全性」には劣ります。一方で、価値が上がった時に売却すれば預金利子よりも高い収益を得られる可能性もありますから、「収益性」は期待することができます。
しかしながら、価値が下がったときに売却すれば損失を出すことになりますから、通常はまた価値が上がるのを待つようになります。つまり、現金化が必要な時にできるとは限らず、「流動性」に劣ります。
たとえば「いまある100万円は当面まったく使う予定がない」という場合には、投資信託や株式を買って運用してみるのがいいでしょう。
いずれ必要になる老後資金や、もしかしたら将来買うかもしれないマンションの購入資金では多くの資金が必要になるものです。いまの100万円をより増やしていくためには収益性の高い金融商品でできるだけお金を増やすことも大切です。
「投資」×「税金節約」で収益性をさらに高める!
ここまで100万円の使い道別に、おすすめの貯蓄法を紹介しましたが、投資をするならNISAなどの非課税制度を利用してみましょう。
通常なら株式や投資信託などで得られる利益(配当や譲渡益)には、預貯金の利子同様に20.315%(所得税、復興特別所得税および住民税)がかかります。
しかし、証券会社にNISA口座を開設し、非課税投資枠の範囲内で株式や投資信託などを購入すれば、最長5年間、その売買で得られる利益には税金がかかりません。つまり、本来なら手取り利益は80%程度になるところ、NISA口座を利用した投資では利益が丸々手元に入っておトクです。
加えて期待したいのが複利効果です。本来税金として引かれる分まで再投資に回すことができるので、利益に利益が付く複利効果が高まります。
非課税投資枠は1年につき120万円ですから、まだNISAを利用したことがなく、100万円の活用法に迷っている人には適しているのではないでしょうか。
とはいえ、投資には値下がりリスクもつきものです。そもそも損失に対して、税金はかからないため、節税効果も利用価値がなくなってしまいます。また、今は当面必要ないと考えていても、後になって「あのときの100万円」が必要という日がくるかもしれません。万一のリスクや必要性も考えながらバランス良く100万円を振り分けるようにしてください。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月30日時点のものです)