最近は今までにない規模の豪雨や台風が発生し、各地で災害が起こっています。自然現象は防ぎようがないので、日頃の備えとともに、起こった時にどうするか、起こった後どんな処理が必要かも心得て、被害を最小限にする工夫をしておきましょう。
あなたは準備大丈夫?災害対策とお金の話
2019年10月24日
1.災害前にしておくこと
被災した時に困らないようにするためには、事前に確認作業や用意を行っておくことが大事です。
家計や保険の見直しは災害時にかかわらず大事なことなので、日頃から適宜チェックをする癖をつけておきましょう。
家計をチェック
まずは、毎月の家計の収支を確認しましょう。避難生活になった時を想定して、1ヵ月にどれくらいかかるのか、そのためいくらお金を用意しておかなければいけないか計算するのに必要です。
一般的には、3ヵ月分から1年分くらいは準備しておいた方がいいと言われています。
今ある貯金・株式などすべての資産を確認して、緊急の時にすぐに使う分は現金で確保しておきましょう。
資産の確認とともに、貴金属・ブランド物など大事なものの財産目録も作っておくと被災した時役立ちます。
保険をチェック
必要な保険に入っているか、補償内容は十分か確認しておきましょう。
被災した時一番お金がかかるのは住宅だと思いますので、持家の方は必ず火災保険に入っておきましょう。賃貸の方は、家財用にかけている家財保険の内容を確認しておきましょう。
万が一、災害で亡くなった時、負傷した時のために生命保険、医療保険の保障内容も確認しておきましょう。
必要に応じて見直しをしてまとめたり、特約の追加などを行いましょう。
避難のための準備
災害が起こったらすぐに避難できるように、避難場所を確認しておきましょう。家族がはぐれた時の連絡先、落ち合う場所なども決めておくと安心です。
避難するときの防災セットを準備したり、災害の時の情報が確認しやすいようにSNSのアカウントも必要に応じて作っておきましょう。
2.災害に遭ったらすること
災害が起こった時は、とにかく身の安全です。その時にしなければいけないことだけに集中しましょう。
避難する
災害の状況に合わせて、家にいた方が安全なのか、すぐに避難した方がいいのか早めに判断をして、早めに行動しましょう。
避難する場合は、行政が指定している最寄りの避難所の方が、衣食住や情報を確保しやすいのでお勧めです。
写真を撮っておく
少し落ち着いてから罹災証明を取って、保険など各種申請手続きを行うことになりますが、そのために、被害状況を確認する写真が必要になります。避難後、安全な状況になったら、写真を撮っておきましょう。
3.災害後、落ち着いてからすること
被災に対して給付や減免など各種援助が受けられます。主なものは以下の通りですが、詳しくは市区町村、お勤めの会社、保険会社などに確認しましょう。
また、せっかく制度がいろいろあって、給付を受けられる資格があっても、自分で申請手続きを行わないと受けられません。申請には被災後十分な期間が設けられていますので、慌てず落ち着いてからしっかり申請しましょう。
罹災証明書を取る
災害に遭ってからだいたい1ヵ月以内に、市区町村で罹災証明書を取ります。これは、災害の程度を証明するもので、保険や、税金の免除など、各種申請に必要になってきます。何枚でも無料で発行してもらえますので、多めにもらっておいた方がいいでしょう。
公的制度の確認と申請
ご家族が亡くなられた場合には遺族年金、障害者になられた場合には障害年金の対象になる可能性があります。災害によって失業した場合には失業保険、仕事中の被災であれば、労災保険の対象の可能性もあります。対象かどうか確認しましょう。
また、自然災害により亡くなられた場合には災害弔慰金、住宅全壊などの著しい被害を受けたときには被災者生活再建支援制度などもありますし、災害援護資金、災害復興住宅融資といった融資の制度もあります。
保険金の請求
自分が加入していた保険会社がよくわからない場合、災害地域生保契約照会センター・自然災害等損保契約照会センターにそれぞれ問い合わせると契約の有無などを確認することができます。
免除・猶予の申請
税金、国民年金、国民健康保険、公共料金、住宅ローンなどは、災害の程度に応じて支払いを免除してくれたり、一定期間猶予してくれたりという制度があります。市区町村、各公共料金の会社、ローンの取り扱い先の銀行に問い合わせてみましょう。
ただし、気を付けなければいけないのは、国民年金の場合、支払いが免除になった期間については、「支払った期間」としてカウントされますが、老齢年金の受取額が満額より少なくなりますので注意が必要です。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月24日時点のものです)