消費税が上がって、日用品や服、化粧品など、さまざまなものが高くなりました。「今月も家計のやりくりが大変。副業したいけれども、会社にバレたらどうしよう」と不安な方も多いでしょうが、そんな悩みは過去のもの。この記事では、人事部が社員の副業について気にしている点と、その解決法。副業が普通になる時代に押さえておきたい6つのポイントについてご紹介します。
人事部も納得!必ずできる!
自分も会社もハッピーになれる副業のポイント
2019年10月11日
増税と副業
消費税が8%から10%に上がりました。大和証券は年収500万円の世帯で年5万円負担が増えると試算しています。生活費が増えるものの、お給料は上がるわけでもない。生活は苦しくなるばかり。
「副業」するのは、「お金がない人」みたいだから、周囲に内緒にしておきたい……というのが、これまでの副業のイメージですが、政府の推進する「働き方改革」で時代は変わりました。厚生労働省は「社員の収入増やスキルアップ、会社の業績向上につながる」として、『副業・兼業の促進に関するガイドライン』を定めて、副業・兼業を奨励し、会社も副業を容認しはじめています。
まずは就業規則をチェック
「副業しよう」と思った方は、勤務先の就業規則を確認してみましょう。『兼業禁止』と書かれている場合、副業が発覚すると懲戒処分を受けるおそれがありますが、現在では条件つきの「届け出制」で兼業・副業を認可する企業も増えています。
人事部があなたの副業について心配している5つのこと
人事部の担当者が社員の副業について心配するポイントは5つあります。
1.会社の仕事をおろそかにしないか?
2.会社の秘密を洩らさないか?
3.副業で長時間働き過ぎて健康を損ねないか?
4.競合先で仕事をしないか?
5.副業することで会社の評判を落とさないか?
人事部が副業に神経質になる理由は、2008年の改正労働契約法で明文化された「安全配慮義務」。労災(勤務中や通勤途中のケガや病気など)が起きた時、会社の責任か副業が原因なのかわからず、実務上処理しにくいのです。
ただし、就業規則に兼業・副業を禁じる項目がない場合、「兼業届」を提出すれば、会社公認で副業ができる可能性があります。
人事部も納得する「兼業届」とは
ここでは東京都の『職員の兼業許可等に関する事務取扱規程』や『兼業許可申請実績報告書』の様式を例に「兼業届」の6つのポイントをついて説明します。
1.兼業者
「現在どんな職務についているか」。例えば外回りの仕事が多い人が、週末に接客業などの体を酷使する副業をはじめようとすると、健康管理上の理由で申請が認められないこともあります。
2.兼業先の事業内容
兼業先の団体名・団体の主な事業内容・役職名・従事業務内容・業務従事地・兼業予定期間を記入します。ここで人事部が気にしている点「会社の評判を悪くするかもしれない」「競合する他社の仕事をするのでは」をクリア。
3.兼業を必要とする回数・時間
副業は勤務時間外に行うのが基本。1週間、1ヵ月、1年に何時間副業しますか?副業の時間が多すぎれば、本業の仕事がおろそかになりがち。人事部はそれを心配しています。ここで副業の時間を決めておけば生活にリズムができます。
4.報酬額
場合によっては、厚生年金や健康保険料の計算に関わってくる部分なので、1時間あたり、1回あたりの金額を細かく問われることがあります。副業の方が長時間で収入が多い場合、会社はそれを「副業」とは考えません。
5.兼業する理由
「おこづかいが足らないから」という理由では申請が難しいので、「空いた時間に異なる業務について、自分のスキルを高め、会社に業績に貢献する」ことを強調しましょう。
6.その他の兼業
副業を掛け持ちしていて長時間労働にならないか、チェックされます。「兼業届」を出すメリットは、「会社に副業を応援してもらう」「自分が何のために副業するのかはっきりさせる」の2つです。
忘れてはいけない税金のこと
副業で年間20万円以上の所得(収入から必要経費を引いて残った額)がある場合、確定申告が必要になります。
副業を始める時に、65万円の特別控除がある青色申告承認申請手続をしておくと、所得税を安くできますが、2020年から、青色申告特別控除額が55万円(e-Taxを利用するなどの要件を満たすと最大65万円控除)になるので注意してください。
副業の申告どうしてる?2020年分からの青色申告特別控除額改正について
「兼業届」であなたも会社もハッピーに
フリーランスなら、国民健康保険や国民年金に加入して、手続きを全部自分でしなければいけませんが、「兼業届」を提出すると、そんな面倒な手続きは不要。
会社に応援してもらって副業して、自分のスキルも収入を上げていける。「おこづかい稼ぎじゃなくて、これからも自分の好きなことをきちんと仕事にしていきたい」と真剣に考えている方には「兼業届」の提出をおすすめします。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月11日時点のものです)