手取り15万円でのひとり暮らしを考えるときは、家賃をどれくらいに抑えればいいだろうか、そもそもひとり暮らしができるのだろうかといった不安におそわれるものです。
だからこそ、物件を探すときの家賃設定は慎重にしておく必要があります。
手取り15万円の人の家賃設定は、本気で取り組まなければならない難問なのです。
ほかの家計支出項目と比べながら考える、手取り15万円の人の適切な家賃設定についてご紹介します。
手取り15万円の家賃問題は本気で取り組むべき
重要テーマ!管理費の違いにも要注意
2019年8月13日



手取り15万円でのひとり暮らし
家賃負担の大きさが生活を左右する
初めてのひとり暮らしは、わくわくした気持ちで始めたいものですが、安定した生活を長く続けていくために赤字とならないような見通しを持つ冷静さも必要です。
旅行のようなイベントであれば、立てた計画がアバウトで予定外の出費が発生したとしても一時的な問題で済みます。しかし、毎月、毎年の定期的な支出にかかわる問題となると、簡単に片づけられるものではないですよね。
ひとり暮らしの家計で赤字が続くと、実家に戻るべきか転職するべきかという悩みにまで、つながってしまうでしょう。
一般的に、家計支出の中でもっとも大きな負担となるのは住居費です。家賃設定が生活スタイルに合っていないと、いつまでたっても貯金が増えない、場合によっては赤字になってしまうという状況が起きやすくなってしまいます。
数千円の違いにも敏感になりたい理由
それでは、手取り15万円でひとり暮らしのやりくりをこなす場合に、どのくらいの家賃設定が自分に合っているかを知るという問題について考えていきましょう。
住居費の目安としては、手取りの3割という割合がよくいわれています。手取り15万円であれば4万5,000円ですね。この4万5,000円を一つの基準にして物件を探し始めると、5万円の物件や4万円の物件など、ある程度の家賃幅の物件を比べながら悩むことになるでしょう。
また、地域によっては、もう少し上の金額での家賃設定が必要になる場合もあります。
たかが数千円、されど数千円で、例えば1ヵ月あたり5,000円の違いがある場合だけでも、年間で6万円、5年間で30万円もの差となります。
管理費も家賃にプラスして比較しよう
また、物件情報を見ていると、管理費や共益費が設定されている物件と、そうでない物件のあることに気がつきます。これらは家賃と同じで毎月払うお金のため、家賃にプラスした上で比較しましょう。
同じ家賃に見える物件でも、管理費の違いでトータルの月額が変わる場合があるということですね。物件紹介において家賃分の金額のほうが大きく表示されているために安い物件と錯覚してしまうという恐れもあるため、くれぐれも注意してください。
家賃以外のおおよその支出内訳を書き出そう
家賃上限を決めるときの目安になるもの
さて、自分が出せる家賃上限の目安決めに役立つのは、家賃以外の家計支出金額の把握です。また、家賃に数千円の違いがある物件を比較するときにも役立ちますよね。
そのため、ふだんは家計簿をつけないという人でも、物件探しの前に家計支出のおおよその内訳を書き出してみることをおすすめします。
気に入った物件が見つかったとして、その家賃が適切なのか、そうでないのかは一人一人の家賃以外の支出によって変わるのです。
サンプルと比較しながらでOK
一から家計支出の内訳を書き出すのが面倒と感じられる人は、サンブルのA子さんと比較して増減させながら書き出してみてもいいでしょう。
【手取り15万円のA子さんのやりくり例】
家賃:4.5万円
食費:3万円(1日あたり1,000円で算出)
日用品費:0.8万円
光熱費:1万円(ガス、水道、電気)
通信費:0.5万円(スマホ)
保険・医療費:0.7万円(風邪などによる受診のほか市販薬、歯の定期健診も含む)
貯金:2.5万円
交際費:1万円
化粧品や衣服、美容院代:1万円
虫歯や風邪にしろ、放置して悪化してしまうと治療費が多くかかってしまうものです。A子さんは、それらが、ひどくなる前にクリニックへ足を運んだり、歯の定期健診をしたりすることでトータルの医療費を抑えるという考え方を取り入れています。
生活見直しの機会にもなる
必要な備えのチェックもしておこう
家計の支出目安の書き出しは、ひとり暮らしを始めるにあたっての家計支出見直しにも役立ちます。家賃の上限を検討するのに合わせて減らせる支出がないかどうかチェックしてみるとよいでしょう。
また、交通費節約などのために自転車を利用する人は、この機会に実家の自動車保険や火災保険で個人賠償責任保険特約の対象となっているかどうかを確認しておきましょう。加害者になってしまう事故を起こした場合に多額の賠償が必要になるリスクがあるためです。加入が確認できなかった場合は安価な自転車保険に加入するなどして備えておきましょう。
貯金も計画に入れた上で自分に合った家賃決め
サンプルのA子さんの例では、1ヵ月あたりの貯金額を2.5万円としていました。友人の結婚式に呼ばれたときのご祝儀の用意など、臨時支出への備えという意味でも計画的な貯金をしておきたいところです。
その上で自分に合った家賃の上限が決まれば、納得して物件選びができますよね。これで大丈夫かな、やっていけるかなと思いながら選ぶよりも、気持ちよく選べるようになるはずです。
家賃は一度決まってしまうと固定費として毎月出ていってしまうため、物件を探す前にだいたいの上限を決めておきましょう。手取り15万円でのひとり暮らしを成功させるための適切な家賃設定に、本気で取り組んでみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年8月16日時点のものです。)