リスクのある投資は余裕資金で行うもの。生活費から節約で捻出する月3,000円でもボーナスから先取りする5万円でも、自分で余裕資金と思えるなら、どんな金額からでもOKです。
とはいえ、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による報告書に記載されていた内容の、老後のために2,000万円が必要らしいとか、投資で1,000万円を貯めたいなど、話題になりがちな資産形成の金額に近づけるかどうかも気になりますよね。
初心者が趣味にできる金額で始める投資と、その効果についてご紹介します。
投資をするなら月3,000円?ボーナスからの5万円?
趣味にできる金額で始めよう!
2019年7月19日
趣味にできる金額、できない金額
不確実性をともなう投資
あなたは、洋服を買うときに品質表示のタグを見るタイプですか?また、いくつもの商品を見て回ってから決めるタイプですか?それとも、直感で選ぶタイプですか?
事前に下調べをして希望通りの洋服が手に入ったらうれしいですよね。しかし、下調べをして洋服を選んだつもりだったのに、いざ買ってみたら思ったより満足度が低い結果に終わってしまったというケースもあります。
投資にも同じような面があり、知識はあったほうがよく、また、よく勉強している人のほうが大損せずに済んでいるのも事実です。しかし、いつもうまくいくとは限りません。投資には不確実性(どうなるかわからない)が、ともなうためです。
前向きに次に生かせる金額で
例えば、あなたが洋服選びで失敗したとき、「こういう洋服は使いづらいことがわかったから、次はやめよう」とか「あの店の洋服の品質は信用できないことがわかった」などと前向きに次に生かしますよね。
これが、ものすごく高額な洋服だったら重い気分を長く引きずってしまったのではないでしょうか。「この経験を次に生かそう」と思えるくらいの金額であれば買い物を気楽に楽しめます。
投資も、「今回は、こうなったか。次は、ああしてみよう」と思えるくらいの金額で行うことをおすすめします。
どうやって捻出する?
1日100円なら月3,000円
では、無理のない金額での投資例として1日100円で計算できる月3,000円の場合の投資効果について考えてみましょう。例えば毎日ペットボトルを買っていた人が水筒利用に変えたり、外ランチをする人が回数を減らしてお弁当にしたりするだけで捻出できる金額ですよね。
比較のため、月3,000円を普通に貯金した場合に10年、20年で貯められる金額を最初に確認しておきましょう。
3,000円×12カ月×10年=36万円
3,000円×12カ月×20年=72万円
次に、利回り3%の積立投資をした場合に貯まる金額を見てみます。
3,000円、利回り3%、10年: 41.9万円(運用収益5.9万円)
3,000円、利回り3%、20年: 98.5万円(運用収益26.5万円)
投資がうまくいけば、長期にわたる複利効果でプラスを得られる様子がわかりますよね。
スマホをキャリアから格安SIMへ
先ほどの金額では物足りないと思い、スマホをキャリアから格安SIMへ変更して5,000円/月を捻出した分も投資に回すと想定してみましょう。3,000円と合わせて8,000円となりますね。
8,000円、利回り3%、10年: 111.8万円(運用収益15.8万円)
8,000円、利回り3%、20年: 262.3万円(運用収益70.6万円)
次に、年2回のボーナス月に5万円をプラスして投資した場合についても想定してみましょう。例えば、つみたてNISA利用時でも、金融機関によってはボーナス月の積立サービスを利用できます。
3,000円/月&ボーナス時5万円、利回り3%、10年:152.3円(運用収益16.3万円)
3,000円/月&ボーナス時5万円、利回り3%、20年: 339.8万円(運用収益67.8万円)
8,000円/月&ボーナス時5万円、利回り3%、10年:220万円(運用収益24万円)
8,000円/月&ボーナス時5万円、利回り3%、20年: 493.3万円(運用収益101.3万円)
*手数料などは考慮していない数値です
自分なりのペースで楽しめるように
時間を味方につけるか金額を上乗せするか
先にご紹介したとおり、投資で運用収益を順調に得られると想定すると500万円ぐらいであれば簡単に貯められそうと感じた人もいるのではないでしょうか。
あくまでもシミュレーションによる数値ではありますが、ほとんど利息のつかない普通預金よりは投資のほうが資産を増やせる可能性が広がりますよね。
さすがに月3,000円だけでは1,000万円を貯めるのは無理そうですが、期間を30年などに長くして上乗せ金額を検討したりなどしていけば、目標金額に近づけることも可能かもしれません。
普通預金もしっかりと
積立で投資をする場合、積み立てる期間が長くなればなるほど複利効果による運用収益が増えやすくなります。
ただし、必要な栄養も取れないほど食費を減らしたり、働き過ぎて体調を悪くしてしまったりしては元も子もありません。元気で長生きするための備えであることを忘れずに「趣味ぐらいの金額で楽しんでいます」といえるぐらいにしておきましょう。また、元本割れリスクのない普通預金などもしっかり確保しておきたいですね。
最初に洋服の例を出したとおり、私たちの人生で不確実なことなんて、たくさん起こり得ますよね。家やマンション選びのときに、近所の人の雰囲気を調べて購入したのに引っ越しで人が入れ替わって想定と変わってしまったとか、恋人や結婚相手選びで時間とともに何だか変わってしまったということなども、100%ないわけではありません。投資のことだけを特別視せず、「このぐらいなら許容範囲かな」と思える金額と方法でのんびり楽しんでみてはいかがでしょうか。
(※本ページに記載されている情報は2019年7月19日時点のものです)