夏休みの予定は、もう決まりましたか。海や山で大自然を満喫、子どもとテーマパークで遊ぶ、海外に飛んで非日常を味わう……。どれも魅力的なプランですよね。
ただ、8月は、1年でもっとも“お金が飛んでいきやすい月”だということは、頭の片隅においておきましょう。大丈夫!事前の準備をしっかりやれば、家計のピンチは防げます。
お金をかけない夏休み計画
手堅く楽しむ旅・レジャー
2019年7月13日
娯楽費にひそむ見えないワナ
時期によっても世帯によってもバラツキが大きい「旅行・娯楽・レジャーのための費用」。平均は、単身世帯で収入の14%ほど、既婚世帯で収入の8%ほどです(総務省家計調査)。支出のピークは8月にやってきます(同)。
毎月ほぼ一様にかかる食費や住居費とは、性質が少し違います。不定期の支出です。まとめてドカンとかかることが多いため、ブレーキがかかりにくい傾向があります。
たまのことなので、気が大きくなりやすい。テンションが上がって、判断が甘くなりやすい。ゆえに家計項目の中でも、もっとも扱いにくく、コントロール不能に陥りやすい項目です。こうした特徴と傾向を知っておくことが、家計に与えるダメージを小さくする第一歩です。
支出を暴走させない7箇条
1. 無計画だと高くつく
細かい計画を立てずに旅に出て、意外な発見と思わぬハプニングを味わう。個人的には大好きな旅のスタイルです。ただ、このスタイルは出費がかさみがち。とくに夏休みのようなハイシーズンは、融通が利かずリスキーです。費用をおさえる点からは「用意周到の旅」がおすすめ。行程やかかる費用は事前につかんでおきましょう。
2. 目的やテーマを決めて
なんとなく人混みに出かけて、なんとなくお金を使うのは、満足感が得にくいパターンです。目的は何か。リフレッシュなのか、子どもに達成感を味わわせることなのか。テーマは何か。異質の経験なのか、それとも歴史や伝統や異文化にどっぷり浸ってみることなのか。中身は何でもいいですが、自分の希望をはっきりさせて、お金はそのために投じましょう。それ以外の部分はなるべく節約を。
3. 優先順位でメリハリを
旅・レジャーにもれなくついてくるのが、宿泊費や交通費や食費です。どれもこだわれば出費は膨張する一方です。今回はどれを優先し、どれを節約するか、しっかりと取捨選択を。
4. 支出額と満足度は比例しない
往々にして、まめな人ほどお金を貯めるのが上手です。手間や工夫を惜しまない人もそういう傾向あり。対極にいるのは、面倒くさがり屋さんです。旅やレジャーも同様で、行き先や遊び方は多種多様です。お金をかければかけただけ満足度は高まるかというと、そういうことはありません。費用対効果を考えて取捨選択し、早割や事前予約はフル活用。頭を使えばその分、お金は浮かせます。
5. 「ついで出費」がダメージ拡大
子ども連れでテーマパークに行き、盛大に遊んで、ついでに外食でも散財。海外で異文化を満喫し、ついでに買い物三昧。よくあるパターンですよね。人は、大きなお金を使うと、小さなお金に対して感覚がマヒしがちです。本来の目的のためにお金を使うのはマル、「ついで出費」まで自分に許してしまうのはバツと、あらかじめ線を引いておきましょう。
6. 遊んだあとの切り換えが肝心
夏が「魔の季節」になりやすいのは、遊び気分がダラダラと尾を引きやすいためです。旅やレジャーが終わったら、なし崩し的に家計が緩まないよう、すばやく気持ちを切り換えて。
7. ライフプランを再確認
夏休み突入前に、長期計画を思い出しておくのも大切なこと。あなたの優先事項は、住宅購入でしたっけ? 子どもの教育資金確保も進めて、そうそう、老後資金の準備も早く始めなきゃ、って言ってましたよね? 長期的な見通しがないと、お金の不安は高まりがちです。ライフプランをもっておくこと、課題を折々に確認することが、家計の健全性につながります。
“切り詰める”は最後の手段に
遊びたい。でもお金は使いたくない。そんなジレンマを抱えている方、いませんか。ここ10年ほど、収入が増えても支出を増やさず、浮いたお金を貯金に回す人たちが、とくに若い世代(20代・30代)で増えています(内閣府経済財政白書)。
背景には、先行きの不透明感と将来への不安があるといわれています。加えて、急浮上した「老後資金2000万円問題」。この夏は、お金を使うことをためらう人が、さらに増えそうな気配です。
とはいえ、お金は貯めて使うもの。有効に使ってこそ価値があるというのは、みなさん、よくご存じですよね。
お子さんのいる家庭では、子どもの成長過程に応じた経験や感動は欠かせないもののはずです。そこは大人も例外ではなく、自分を解放し、非日常を味わい、いい刺激を受けることで、得られるものはたくさんあります。
娯楽・レジャー費は、家計費の中でも“切り捨てられやすい項目”ですが、短絡思考に陥らず、“いかに有意義に過ごすか”というところからスタートしましょう。
先を見通しつつ、どこにどう使うかを見定める。事前の準備&小技の駆使で、節約を実行・実践する。それがオトナの思考です。充実した時間を過ごすために、ぜひとも頭をフル回転させてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年7月13日時点のものです)