子育てにはお金がかかるといいますが、まだお母さんのお腹の中にいる間でも今まで必要なかったお金がかかることをご存知ですか?妊娠が分かってから出産するまでにかかる費用はおよそ100万円といわれています。これだけのお金を準備することは大変ですが、1部自治体や健康保険などから助成される費用もあります!助成される部分と自己負担で準備が必要な部分を整理しましょう!
妊娠~出産までいくら必要?
助成がなければかかる総額100万円との試算も!
2019年5月23日
妊婦健診費用
お腹に赤ちゃんがいることがわかると、母親と赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために妊婦健診を受ける必要があります。この妊婦健診は健康保険の適用外となる診療ですが、妊娠期間中は普段よりいっそう心身共に健康に過ごす必要があるため、この妊婦健診費用は公費より補助制度があります。
医師や助産師といった専門家のアドバイスを受けながら無事に出産を迎える準備をする大切な期間のため決められた回数は必ず受診するようにしましょう。補助制度を受けるためには、妊娠がわかったら居住している市区町村へ「妊娠届」を提出します。妊娠届を提出すると役所より母子手帳と妊婦健診の助成券が配布されます。
妊婦健診の受診回数
妊婦健診の受診回数は、妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは週に1回の受診を目安としています。この回数は平均的な頻度をあらわしているため、妊婦さんと赤ちゃんの状態や産院の方針によっては回数が異なることがあります。一般的な受診回数は14回を目安としています。
妊婦健診の助成券が利用できる検査項目
助成券を使用して妊婦健診を受ける検査項目は、尿検査・血圧測定、体重測定、腹囲・子宮低長測定、血液検査、超音波検査、性器クラジミア・B群溶血性レンサ球菌など母胎の健康状態を確認するために必要な最低限の検査項目が含まれています。
検査項目には含まれていないその他の検査費用や診察費用は実費負担となります。また産院へ通うための交通費も妊婦健診のたびに必要となるため、遠方から通う場合は交通費も準備する必要があります。
分娩費・入院費
妊婦健診の経過も順調で臨月を迎えるといよいよ出産となります。出産をするためには分娩費と入院費が必要となり、通常分娩の場合は健康保険も民間の保険も適用外となります。そのため通常の分娩では平均50万円前後かかるとの調査結果もあります。
ところが出産の度に50万円前後を負担することは家計に大きなダメージを与えるため、健康保険では出産育児一時金として、1人あたり42万円の一時金を給付しています。1人あたりのため多児出産の場合は人数に応じて支給されます。
出産育児一時金の利用方法
平成21年9月まではまずは自己負担で分娩費や入院費を支払っていましたが、平成21年10月からは先に出産育児一時金の申請を済ませて、健康保険組合から直接産院へ分娩や入院費用を支払う仕組みとなりました。
このため平成31年現在では原則、出産育児一時金42万円より分娩・入院費が多くかかった場合は、差額を産院に支払い、反対に42万円よりも少なかった場合は差額を返金してもらう請求を行うことになっています。
産院によって入院費は異なる
赤ちゃんを出産する産院は、個人産院、総合病院、助産院などがあり、産院によっては母親の不安や負担を少しでも無くすようにさまざまなサービスの提供も行っています。その不安や負担を解消できる反面、費用は増加することになるため事前にしっかりと調べるようにしましょう。一般的には総合病院や助産院に比べて、個人産院の費用の方が高くなる傾向があります。
マタニティ期間にかかるその他の費用
妊娠中の妊婦健診費用や分娩・入院にかかる費用は公費より助成される仕組みになっていることがわかりました。しかし妊娠中はお腹がどんどん大きくなるため体型に変化があったり、つわり中は食生活にも変化があったりします。マタニティ期間にかかるその他の費用についても参考にしてみてください。
食費
妊娠がわかり初期の頃はつわりに悩む人も多くいます。においに敏感になったり、何故だかわからないけれど食事が喉を通らなかったりその症状は色々あります。また疲れやすくもなるため立って食事の準備ができなくなる場合もあります。自分は食事が取れなくてもパートナーやきょうだいがいるご家庭では外食費が増える場合もあります。
母親学級、両親学級
通院している産院では母親学級や両親学級といった名前で、赤ちゃんを迎えるために必要な知識を提供する教室を開催している産院が多くあります。産院によって内容は異なりますが、代表的なものに、母乳マッサージや分娩の呼吸法、産前・産後のホルモンバランスの変化について教えもらえます。費用は無料のところから1回数千円程度と低額な料金で参加できる産院がほとんどです。
マタニティレッスン費用
産院が行う母親学級や両親学級とは別で、マタニティ専門のスクールに通う人も多くいます。体力や筋力をつけることを目的にしたマタニティスポーツが人気です。マタニティスポーツの代表的なものには、スイミング、ヨガ、マタニティビクス、マタニティフラなどがあります。
産院で併設されているスクールや自治体が開催しているスクールでは無料や少額で受講できるところもあります。一般のスポーツジムで開催されているスクールは入会金が最初に5、000円~1万円程度かかり、月会費は5、000円~1万円くらいが目安となります。
マタニティウエア
お腹が大きくなるにつれて必要になってくるのがマタニティウエアです。お腹を締めつける服装はできなくなるため、ワンピースやゆったりとした服装を心がけます。下着の締めつけも気になるためマタニティ用のショーツを準備することもあります。
安定期を過ぎると腹帯というお腹を安定させる帯を使います。出産時期が近づくと授乳が楽なマタニティパジャマを複数枚準備します。下着、腹帯、マタニティパジャマ、普段着などをそろえると数万円の出費が必要となります。
里帰り出産の場合の交通費
出産を実家の近くの産院で里帰り出産を計画している場合、実家までの距離が遠方であるほど交通費がかかることになります。母親の往復代の他、パートナーが来る頻度に応じて交通費は増加するため、ある程度の予測を立てて準備する必要があります。
妊娠~出産までにかかる費用の目安はおわかりいただけたでしょうか?妊婦健診や分娩・入院では公費から助成金が出ることがわかりましたが、その他マタニティレッスンや、マタニティウエア、里帰り交通費などさまざまな場面で普段とは異なる出費が発生することがおわかりいただけたと思います。すぐにまとまって必要となる出費ではない分、お腹に赤ちゃんがいることがわかった時点で、家計の見直しを行い必要な時に備える準備を始めましょう。