子ども1人あたりにかかる教育費はおよそ1000万円といわれています。この1000万円は子どもが大学を卒業するまでにかかる費用となっており1度にかかる費用ではありません。では、この総額1000万円といわれている教育費はいつ頃どれくらい必要なのでしょうか?幼稚園、小学生、中学生、高校生と子どもの年代を区切って必要な教育費の目安を知りましょう!
【年収500万円世帯】子どもの年齢別にみる
必要な教育費と準備の仕方
2019年5月13日
年収500万円世帯が学校外教育費にかける家計の割合
(出典:ベネッセ教育総合研究所 第1回 学校外教育活動に関する調査 2009)
上記の図4-3は、2009年にベネッセ教育総合研究所が行った年収500万円世帯の教育費支出の割合を子どもの年代別(3歳~高校2年生)に調査した結果です。1991年度~2005年度生まれの3歳~17歳までの子どもを持つ母親を対象としたアンケートで、子ども1人あたりの学校外教育活動の実態を調べるために行った調査です。上記図4-3の結果を未就学、小学生、中学生、高校生に分けると以下のようになります。
未就学
3歳の頃は年間18万円だった教育費は、幼稚園に入る4歳から2倍近くの30万円~35万円となっています。年収500万円世帯の支出の内およそ6%~7%を占める計算となります。
小学生
小学生にあがると支出は少し減少し、年間24万円~30万円の結果となっています。支出割合は家計全体の5%~6%となっており、学年があがるにつれて教育費にかける支出も高くなっています。
中学生
中学生にあがると支出は36万円~45万円に増加します。小学6年生の時と比べ年間6万円、1年生の頃と比べると年間12万円もの教育費が増加する結果となっています。支出の割合は家計全体の7%~9%を占める計算となります。
高校生
本調査では高校2年生までを調査期間としています。高校生にあがると年間46万円~48万円の支出となっています。小、中学生では学年があがるにつれて教育費も増加していましたが、高校生になると高校1年生の方が高校2年生よりも支出が高くなっていることが分かります。支出の割合は家計全体の9%~10%を占め、家計のおよそ1割を占める計算となります。
学校外教育費でもっともお金をかけているもの
(出典:ベネッセ教育情報サイト 子どもの習い事や塾に使う費用は?)
上記図3は、ベネッセ教育総合研究所がその後も調査を続け、2017年に第3回として子どもの学校外教育活動の実態を調査した結果です。1998年度~2013年度生まれの3歳~18歳(高校3年生) までの子どもを持つ母親を対象としたアンケート結果となっています。上記図3の結果を未就学、小学生、中学生、高校生に分けると以下のようになります。
未就学
未就学時期では3歳では月額3,200円の教育費に対し、6歳の年長になると月額1万円ほどを教育費にあてています。6歳での教育費内訳はスポーツ活動3,800円、芸術活動1,700円、家庭学習活動1,600円、教室活動2,700円となっています。
小学生
小学生になると1年生で月額11,600円、6年生になると月額18,400円を教育費にあてています。小学3年生まではスポーツ活動と学習活動が同じくらいの費用となっていますが、4年生以降になるとスポーツ活動費はその後減少し、教育活動費が増加していることが分かります。
特に教室活動費が1年生で月額3,600円だったものが6年生になるとおよそ2.5倍の月額9,300円に増加しています。
中学生
中学生の3年間ではさらに教育活動費は増加します。中学1年生で月額18,800円、2年生で月額21,500円、3年生では月額25,900円となっており、特に教室学習活動に関する費用が大きく増加しています。高校受験を控えた中学2年生頃から学習塾などに通う子どもが増えるためだと考えられます。
高校生
高校生になると教育活動費は中学生の頃に比べ減少はしますが、それでも高校1年生で月額14,300円、2年生で月額17,600円、3年生で月額18,900円を教育費にあてています。教育学習活動に関する費用が高校1年生では月額7,200円だったものが3年生には月額11,600円に増加していることから大学受験に向けて学習塾などに通う費用が増加していると考えられます。
効率よく教育費を準備するにはどうすればいい?
ピーク時では月額およそ2万円が必要になる教育費。2万円は家計の節約で何とかなる金額ではありませんよね。効率よく子どもにかける教育費を準備したいなら時間を味方にする方法を使いましょう。
学資保険
教育費を準備する王道が学資保険を利用する方法です。おもに大学費用を準備するためにすでに加入している人も多いのではないでしょうか。契約者である親に万が一のことがあっても保障が残せるところは保険の強みです。
普通貯金、定期積立
学資保険のデメリットが中途解約した時に元本割れを起こしてしまうかもしれないことです。大学進学前にまとまった資金が必要になることも考えられるため、元本割れを起こさない定期積立や普通貯金で教育費を準備することもリスク分散として役立ちます。
利息はつきませんが、必要になったらすぐに使えるメリットは他の商品にはないため長い教育費準備期間に心強い役割を果たしてくれるはずです。
つみたてNISA、投資信託
学資保険や定期積立、普通貯金で備える他に、余裕があれば利用したい商品がつみたてNISAや投資信託です。投資商品である以上元本割れを起こすリスクはありますが、時間を味方につけることにより学資保険や銀行預金よりも大きなリターンを見込める可能性もあります。
子どもの年齢別に見る必要な教育費と準備の仕方はいかがでしたでしょうか?収入を増やすことが難しい現代社会では、子どもの教育費をいかに効率よく準備するかが大切になってきます。時間を味方につけて子どもに有意義に学べる機会を与えてあげたいですよね。