学生時代にやっておけば良かったと社会人になってから思うことのひとつが海外留学。あなたも会社を辞めて1年ぐらい海外に留学してみたいと考えたことはありませんか?
社会人になってから学び直しをする人は増えていますが、海外に行くとなれば予算やその後のお金のことで二の足を踏んでしまうのも事実です。そこで、社会人が海外留学の夢に近づくためのお金のアレコレについて説明します。
夢を諦めない!
社会人になってからも海外留学してみたい!
2019年4月21日
タイプによって大きく変わる海外留学の費用
ひとくちに留学といっても、その目的やタイプは広範囲に及びます。
たとえば、
- ・学位を取得する大学・大学院への留学
- ・語学学校への語学留学
- ・専門スキルを身に付けるための専門機関への留学
などがありますね。
留学のタイプによって留学期間はもちろん授業料も違います。行き先によってかかる交通費や滞在費用なども大きく変わります。
しかし、どんな留学スタイルになろうと留学資金の準備はきちんとしておくべきですから、だいたいどのぐらいかかるのか大まかにでも掴んでおきたいですね。
どんな費用が必要?
留学するために一般的に必要となる費用は次のようなものがあります。
- ・航空運賃
- ・海外留学保険
- ・ビザ申請料金(国によってはビザ取得に健康診断が必要になる場合も)
- ・海外留学渡航サポート料金(エージェントに依頼する場合)
- ・授業料
- ・滞在費(ホームステイ・寮・シェアハウスなど)
- ・食費などの生活費
いくらぐらい必要?
いくらかかるかは留学タイプや行き先によって異なります。あくまで目安ですが、いくつかのケースで紹介します。
「授業料+滞在費+食費」の目安です。
アメリカ | カナダ | オーストラリア | |
短期語学留学(12週) | 90万~110万円 | 50万~85万円 | 60万~85万円 |
長期語学留学(48週) | 340万~435万円 | 200万~335万円 | 250万~325万円 |
大学留学 | 380万円/9カ月 | 270万円/9カ月 | 350万円/9カ月 |
参照:留学ジャーナル「海外留学大辞典 留学の費用」
これを見ると、1年弱でおおよそ年収分ぐらいと考えることもできそうです。
もちろん、地域や現地での暮らし方によっても変わることは知っておきましょう。
社会人だって奨学金を利用したい!
多額の費用がかかる留学ですが、できればおトクに行ける方法を探したいですね。そこで、社会人のための海外留学の奨学金制度をいくつか紹介します。
一般的に、留学の目的や分野が限定されている場合が多いですが、該当すれば申請してみるのもいいでしょう。
日本学生支援機構の「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」(個人応募制度)
日本学生支援機構といえば大学進学時などの奨学金制度で有名ですが、海外留学したい人のための「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」も実施しています。
当制度は返済不要で社会人でも申請可能。ただし、社会人の場合、留学期間開始時点で大学にも企業にも雇用されていないことが要件の1つです。
2019年度の募集はすでに終了していますが、気になる人は募集要項などチェックしてみてはいかがでしょうか。
日本学生支援機構「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/daigakuin/index.html
公益財団法人 中島記念国際交流財団「海外留学奨学金」
30歳以下で情報科学・生命科学・経営科学分野で修士号・博士号の取得を目的とする留学をする人は、公益財団法人 中島記念国際交流財団が実施する「海外留学奨学金」にトライしてみるのもいいでしょう。
支度金50万円や復路航空賃、授業料の他に奨学金として月額20万円が支給される返済不要の奨学金制度です。
2019年度の募集はすでに終了していますが、2020年度の募集は2019年6月上旬頃に開始される予定です。
中島記念国際交流財団「海外留学奨学金
http://www.nakajimafound.or.jp/koubo.htm
公益財団法人ロームミュージックファンデーション「奨学援助」
音楽留学する人にはロームミュージックファンデーションの「奨学援助」という返済不要の奨学援助金制度があります。
年齢不問で国内外の教育機関で音楽を学ぶ人を対象に、月額30万円が原則1年間支給されます。
2019年度の募集はすでに終了していますが、気になる人は募集要項などチェックしてみてはいかがでしょうか。
ロームミュージックファンデーション「奨学援助」
https://micro.rohm.com/jp/rmf/recruitment/subsidy/index.html#details_area
グローバル人材センター埼玉「埼玉発世界行き」奨学金
地方自治体が実施している海外留学奨学金の代表例として、「埼玉発世界行き」奨学金を紹介します。これは埼玉親善大使として留学先で県のPRに努め、自分が学び経験した現地の歴史、文化、政治経済事情等について県民に紹介するレポートを提出するなど、県の国際交流の推進に協力してもらうことを目的に、年間100万円を支給する返済不要の奨学金制度です。
社会人は「学位取得コース」に応募可能。40歳未満で、海外の大学・大学院へ学位取得を目的とした留学をする人が対象です。なお、1年以上埼玉県に居住していることも条件の1つです。
2019年度の応募は2019年5月17日まで。気になる人は早めにチェックしてみましょう。
グローバル人材センター埼玉「埼玉発世界行き」奨学金
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0306/global/globalscholarship.html
夢を諦めないために、貯金と節約に取り組もう!
返済不要の海外留学奨学金はとても魅力ある制度ですが、募集条件が厳しく、募集枠も少ないため、ハードルはかなり高いものです。
だいたいの予算を把握したら、留学を目標にしっかり貯金に取り組みましょう。
希望する留学までの期間にもよりますが、近い将来が目標なら元本が確保されている預貯金が安心です。とはいえ預貯金では利息がほとんど付きません。引き出し手数料などでせっかくの利息がマイナスにならないよう、他の預貯金とは切り離して手を付けないものを選びましょう。会社員なら給与天引きできる一般財形や社内預金などがおすすめです。
また少しでも有利になるように、ネット銀行などの金利が高めの定期預金を選ぶのもいいでしょう。それとは別に飛行機代に充てられる旅行積立てをするのもいいですね。
なお、貯金金額は留学費用だけでなく、帰国後の再就職までの生活費も考えて準備することが必要です。
留学期間中および帰国後の再就職までの期間は無収入になることも忘れずに。口座にあるお金は減るばかりで増えることがありません。いまから節約に努め、お金が減るペースを遅くすることに慣れておくことも大切です。