毎日のようにテレビのニュースや新聞で取り上げられる「円高」や「円安」という言葉。
でも、実は言葉の意味がよくわからないという人もいるのではないでしょうか。いまさら人には聞きづらい為替についてしっかりマスターしましょう!
GWまでにマスターしたい!
いまさら聞けない「円高」と「円安」
2019年4月14日
「円高」「円安」どのような状況を言うの?
例えば1ドルが110円だとして、1ドルが105円になった場合を「円高」、1ドルが115円になった場合を「円安」と言います。
ここで、よくこんがらがるのが「110円が105円に下がっているのにどうして円高と言うの?」ということでしょう。 この「円高」「円安」という表現は、外国から見て日本の「円」が高いのか、安いのかを表しています。
1ドル110円が105円になったということは、今まで1ドルで110円に交換できたのに105円にしか交換できなくなった、つまり外国からみると「円の価値が上がった=円高」ということです。
逆に1ドル110円が115円になると、今まで1ドルで110円に交換できたのが115円に交換できるようになる、つまり外国からみると「円の価値が下がった=円安」ということです。
クロスレートの仕組みも知って
皆さんにもお馴染みのオーストラリア。旅行で行ったことがある人もいるでしょう。
オーストラリアに行く時には日本円を豪ドルに交換しますが、実は日本円と豪ドルだけでレートが決まるわけではありません。
世界の為替相場の中心となる通貨を基軸通貨と言いますが、現在は米ドルが基軸通貨となっています。そして、 その基軸通貨である米ドルを基準に他の通貨との交換レートが決まることを「クロスレート」と言います。
クロスレートの計算方法は、例えば1米ドル=110円、1豪ドル=0.7米ドルとした場合、1豪ドル=110円×0.7米ドル=77円というように掛け合わせて計算します。つまり、「豪ドル/円レート」が変動した場合、変動の原因が「米ドル/円レート」によるものなのか「豪ドル/米ドルレート」によるものなのか注意することが必要です。
このようなクロスレートは他にも、ユーロ、NZドル、ブラジルレアル、香港ドルなどがあります。
「円高」「円安」どちらがいいの?
円高になったり円安になったりする為替の変動は、経済状況はもちろんのこと、企業の経営や私達の生活にも影響を与えています。為替の変動はどのような影響があるのでしょうか。円高にも円安にも、それぞれの立場でメリット・デメリットがあります。
「円高」のメッリト・デメリットは?
まずメリットとしては、海外旅行に行く時は円高の方がうれしいですね。同じ金額でも、円高の方が多くの外貨に交換することができます。そして、海外旅行先で安い価格で買い物ができます。
これは個人の場合ですが、企業に当てはめて考えてみると輸入をしている企業にとっては安い価格で輸入できることで業績がアップするため、株価も上昇する傾向にあります。例えばガソリンや石油などの資源を輸入している企業にとっては円高の方がメリットがあるということになります。
デメリットは、輸出をしている企業は高い価格で輸出しないといけなくなるため、業績が下がり株価も下落する傾向があります。
また外貨に投資をしている場合は、満期の時に外貨を購入した時より円高になっていると、満期の時に受け取るお金が目減りしてしまいます。これを為替差損と言います。
「円安」のメリット・デメリットは?
円安のメリット・デメリットは、円高のメリット・デメリットと概ね逆と考えていいでしょう。
円安になると海外旅行に行く人にとってはデメリットとなりますが、日本に旅行に来る外国人観光客が増えます。そうすると、国内での外国人の消費が増え、ホテルや飲食業などの観光客向けの企業にとってはメリットとなります。
また、輸入企業にとってはデメリットになりますが、輸出をしている自動車メーカーなどにとってメリットとなります。
外貨預金をしている人は、満期の時に、購入した時より円安になっていると為替差益を受け取ることができます。
為替が変動する理由
このように、円高になったり円安になったりするのはどのような時なのでしょうか。
為替レートは、円とドルそれぞれの需要と供給のバランスで決まります。 この需要と供給の原因はさまざまですが、その一つに「金利差」があります。
基本的に、お金は金利が高い通貨の国に集まります。2019年3月末のアメリカの政策金利は2.25~2.5%と、日本の政策金利(無担保コール翌日物)-0.06%より高くなっています。2019年はアメリカが利上げの中止を発表しているので、その辺りも今後の為替の動きに注目していきたいですね。
他にも、為替はテロなどの政治的要因や要人の発言などでも大きく動くことがあります。為替動向に左右されないためにも、日本円だけでなく通貨の分散を視野にいれて資産形成をしていってくださいね。