内科や外科に比べると、眼科へ行く機会は少ないかもしれませんね。
ちょっとした目のトラブルやコンタクトレンズ使用のために眼科へ足を運ぶと、白内障の案内ポスターが目に入ります。
さて、白内障が誰にでもリスクのある身近な疾患であることを知っていますか。医療保険で、白内障の手術はどの程度カバーされるでしょうか。
40代にもリスクがある白内障と医療保険の関係についてご紹介します。
40代でもリスクあり?
白内障手術は医療保険でどこまでカバーできるか
2019年4月9日



誰にでもリスクのある白内障
白内障とは
白内障は、一般的によく知られている目の疾患の一つです。症状などについてはよくわからないという人でも名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。
私たちの目の中にはカメラのレンズのような役割を果たす水晶体と呼ばれる組織があります。白内障とは、この水晶体が白く濁ってしまう症状が表れる疾患のことをいいます。
白く濁るなんて特別な病気ではと思うかもしれませんが、白内障が起こる最も多い原因は加齢です。どんな人でも、年を重ねれば白内障リスクが高まります。
シニアグラスを使っても見えづらいとき
親や周囲の人から「○歳ごろになると老眼で目が見えにくくなる」とか「シニアグラスが必要になる」などの話を聞いた経験はありませんか。あまり楽しい話ではないものの、自分もそのぐらいの年になったら見えづらくなるのかなと老眼を受け入れる心の準備ができるきっかけになりますよね。
ところで、加齢により目が見えづらくなる原因はすべて老眼のためとは限りません。シニアグラスを使っても見えづらいなどの不調を感じたときは白内障の可能性も考えられるのです。心配な症状に気がついたときは眼科を受診しましょう。
結果として白内障であったとしても、症状がそれほど進んでいない場合は進行を遅らせる目薬を処方されるだけで済むかもしれません。
白内障リスクを上げる原因
40代で手術や入院が必要になるケースも
白内障に限らず、加齢による症状の出方は人それぞれです。周囲を見渡しても加齢による症状が早く出ている人もいれば、いつまでも若々しい人もいますよね。
白内障の症状としては、目がかすんだり、ぼやけたり、光をまぶしく感じたりなどが挙げられます。
白内障の発症年齢にも個人差がありますが、年をとればとるほど白内障になる人の割合が増えます。早い人では40代でも手術が必要になります。なお、白内障のリスクには、タバコ、紫外線、活性酸素、アルコールが関係しているといわれています。
女性は白内障になりやすい?
厚生労働省の患者調査によると白内障の総患者数は男性より女性のほうが多く、女性のほうが白内障になりやすいことが明らかとなっています。
美白のために帽子やサングラス、日傘による紫外線対策をする女性は少なくありませんが、白内障の予防という面でもよい習慣と感じられますね。
また、40歳代の女性の習慣的な喫煙率は1割を超えています。禁煙するかどうか迷ったときは、白内障リスクも考慮に入れてみると決心がつきやすくなるかもしれません。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/08/index.html、http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html)
白内障手術は医療保険でカバーできる?
手術給付金や入院給付金を受け取れる
白内障手術の技術は進歩しており、入院不要で日帰り手術が可能な場合もあります。なお、経過を見てもらうための手術後の定期的な診察は必要です。
気になる白内障の手術費用ですが、保険適用の治療であれば両目の手術を行ったとしても3割負担の人で10万円前後です。年収によりますが、高額療養費制度により自己負担分を低くできる場合もあります。
また、白内障が支払い対象になっている医療保険に加入している場合は手術給付金や入院給付金を受け取れます。
多焦点眼内レンズを使いたい場合
保険適用の手術で使われるレンズは単焦点眼内レンズと呼ばれるもので、遠くか近くのどちらかにピントを合わせて使います。そのため、手術後には見えづらいほうを見るためのメガネ(近眼用あるいは老眼用)が必要です。
遠くと近く、両方の焦点に合わせたい場合は多焦点眼内レンズを使いますが、保険適用外となるため全額自己負担となります。何十万円と高い費用がかかりますが、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は先進医療とされており、先進医療特約のついた医療保険に加入していれば保険でカバーできます。
先進医療というと何百万円もする治療を思い浮かべがちですが、身近な病気である白内障手術も含まれると知っておきましょう。
目の不調は日常生活の過ごしやすさレベルを低下させ、肩こりや頭痛の原因になる場合もあります。目を休ませるなどの日頃の対策も大切ですが、加齢による白内障についても注意しておきましょう。また、医療保険に先進医療特約をつけるかどうか迷ったときの検討材料の一つとしても役立ててみてください。