大切な家族とのお別れはとても悲しいものですよね。突然の場合、長い闘病生活の末、色々なお別れまでのストーリーがあるはずです。悲しい思いにしばらく何もする気が起きないかもしれませんが、大切な人を送り出す葬儀の準備がすぐに必要になってしまいます。いざという時に困らないため何をどうしたらいいのか知っておきましょう。
ちゃんと理解しておきたい!大切な家族の送り方
2019年4月11日
すぐに手続きが必要なこと
大切な人が旅立ったあと、悲しみに暮れる暇もなくすぐにさまざまな手続きが必要となります。いざという時に慌てないために前もって話し合っておきたいこと、何をすればいいかを整理しておきましょう。
危篤~逝去7日まで
たいていの人は病院で最後を迎えることかと思います。病院から危篤の連絡を受けたら心の準備をする他に、会わせたい方へ連絡をします。逝去されたあとは、病院から死亡診断書を受け取り、葬儀会社へ葬儀の手配の連絡をします。また市区町村役場へ死亡届を提出し、火葬許可申請書を受け取ります。
葬儀会社の手配や市区町村役場への届け出が1度にやってきます。通夜は通常亡くなった翌日の夜に行われ、葬儀はその次の日に執り行われることが多いため、葬儀会社は生前元気なうちにどのような形で行いたいのか希望を聞いておくと手配がスムーズになります。
死亡届は区役所へ7日以内に提出することになっています。病院で医師に記載してもらった死亡診断書(事故などの場合は死体検案書)が必要になります。この死亡診断書や死体検案書は保険金の請求などにも必要となる大切な書類のためコピーを取っておくと安心です。
市区町村役場では、死亡届以外の亡くなった手続きはどこでいつまでにするのかを一覧に記した用紙を配布しているようです。死亡届を提出する時にこの用紙を受け取るようにしましょう。
病院代、葬儀代などの支払い
死亡するまでの間入院していた場合は、入院費や治療費を病院に支払うことになります。また葬儀代、お布施代、戒名などまとまった資金も必要となります。病院や葬儀代などは保険金で準備している人も多くいますが、まずは喪主や家族が立てかえ、その後保険金を請求して精算する場合がほとんどです。
亡くなった人の預金口座は死亡と同時に原則凍結されるため、引き出す場合は相続人全員の同意が必要になります。(2019年7月に相続人の誰か1人でも出金できる仮払制度が施行される予定)。葬儀にかかる費用は平均200万円程度といわれています。
故人の資産を使用するには手続きが面倒なため、病院代や葬儀代は相続人が一時的に負担する場合が多いです。そのためまとまった資金を準備しておくか、クレジットカード払いができる葬儀会社を利用する人もいます。支払いで困ったことにならないため、葬儀代はどれくらいかかるか、どのような葬儀を故人はして欲しいと思っているのかの確認はやはり生前に話し合っておきましょう。
14日以内に健康保険や介護保険、年金の停止手続き
葬儀が終了したあとは、国民健康保険や介護保険の資格喪失届を市区町村役場へ提出し、保険証も返却します。国民健康保険に加入している場合、葬儀代金として保険金が出ます。葬儀代の領収書や喪主の銀行口座が分かる通帳などもいっしょに準備しておきます。故人が世帯主であった場合は、世帯主変更届も14日以内に行います。
故人が年金を受け取っていた場合は、厚生年金は10日以内に、国民年金は14日以内に年金受給者死亡届を年金事務所へ提出します。
相続は3ヶ月、4ヶ月、10ヶ月以内のポイントを抑える
葬儀が無事に終了したら、故人の財産を整理する相続が発生します。まずは故人が遺した遺言書がないかを確認します。遺言書がある場合は遺言書に沿った相続を行い相続税の申告をします。遺言書がない場合は以下のような流れで手続きを行い、相続税の申告を行います。
内容が複雑な場合は司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
財産リストの作成と相続人の確認
故人の財産がどれくらいあるのかを調査します。故人名義の通帳、不動産、株、保険など故人が所有していたもの全てが対象となります。負債も相続財産となるため故人が所有していたものが分からない場合は、専門家へ相談しましょう。同時に戸籍謄本を辿って相続人の確認も行います。
3ヶ月以内に相続放棄または限定承認の届け出
故人に負債が沢山あり財産を相続したくない、また他の理由でも相続を放棄したい場合は、相続発生から3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の届け出をします。3ヶ月以内に資産も負債も分からない場合は、限定承認の手続きをすることも可能です。3ヶ月以内に放棄や限定承認の届け出をしていない場合は単純承認となり資産も負債も全て相続することになります。
4ヶ月以内に準確定申告
確定申告が必要な人が亡くなった場合に、故人に代わって確定申告をすることを準確定申告といいます。準確定申告は相続発生時から4ヶ月以内にします。
10ヶ月以内に相続税の申告
相続財産に相続税が発生する場合は、相続発生時から10ヶ月以内に相続税を申告し税務署に支払います。相続税には基礎控除(3,000万円+法定相続人の数×600万円)がありこの基礎控除を超えた金額が相続税として税務署に支払う金額となります。
大切な人が亡くなった場合、すぐに手続きが必要となり、全てが完結するまでも長い期間を要することが分かっていただけたと思います。初めて経験することも多くなってみなければ分からないことも沢山ありますが、故人の意思を尊重できる葬儀スタイルや、遺産の分割など話し合っておけることも沢山あるはずです。