iDeCo(個人型確定拠出年金)が2年前から始まり、そのメリットはいろいろ伝えられている通りです。しかし、女性は結婚・出産などライフイベントもいろいろありますし、働き方も多様化しています。デメリットを知らないで後悔しないように注意しておくポイントと、迷った時の対策方法をお伝えします。
iDeCoを始める前に読んでもらいたい注意事項4つ
2019年4月10日
1.iDeCoの注意するところ
iDeCoの注意点は以下の4つです。
加入制限がある
勤務先による制限:お勤め先の会社で企業型確定拠出年金に加入している方は、規約でiDeCoにも同時に加入してよい旨を定めている場合のみ、加入できます。
職業による制限:職業によって加入している年金制度、企業型確定拠出年金の有無、国民年金基金の加入状況が異なってきます。その状況に合わせて、加入できる上限金額が変わります。
年齢による制限:20歳~60歳未満の人しか加入することができません。
60歳から受け取れないこともある
通算加入期間が10年以上の人は60歳から受け取り可能ですが、10年に満たない場合は、その加入期間に合わせて、受け取り可能な年齢が繰り下げられます。例えば、通算加入期間が5年の人は、63歳からしか受け取ることができません。
途中で引き出せない
原則として60歳まで引き出すことができません。(ご自身が亡くなった時は、遺族が一時金として受け取ることができます。)
独身の時は余裕があってiDeCoに加入したものの、結婚して仕事を辞めた、子育てにお金がかかるようになった、親の介護が必要になった、といった生活の変化が生じてお金が必要になった場合でも引き出すことができません。
手数料がかかる
途中から上がることもある:各金融機関がiDeCoの加入キャンペーンとして加入当初の手数料を安く抑えていることがあります。途中から上がらないかチェックが必要です。
加入時にかかる:加入者の資格取得のためにかかる費用で、これは必ずかかります。
休止してもかかる:掛け金は最低金額から上限金額までの間で変更することもできますし、休止することも可能ですが、その間も毎月手数料がかかります。
移管してもかかる:転職・退職時やほかの金融機関に移管するときに移管手数料がかかります。iDeCoの商品は、各金融機関ごとに限定されています。手数料の安いところで選んだら、選びたい商品がなかったということも起こり、途中で金融機関を変えると移管手数料がかかります。
受け取るたびにかかる:つみたてたお金は一度にまとめて受け取ることも、何回かに分割して受け取ることもできますが、受け取るたびに手数料がかかります。
2.迷った時の解決方法
iDeCoを始めようかどうか迷った時は、次の3点を考えてみてください。
目的を考える
iDeCoを始めようと思ったのは、無駄遣い防止なのか、将来に備えて貯金がしたいのか、節税なのか、目的を考えてみましょう。
無駄遣い防止であれば、財形や、積立預金、つみたてNISAといった方法もあります。将来に備えるのであれば、これらのほかに個人年金保険、株式投資などもあります。節税目的であれば、ふるさと納税、株などの配当控除などもあります。これらの商品には、「万が一の時に引き出しができる」というメリットがあります。
それらと比較して、iDeCoの方にメリットがあるかどうかを比較してみましょう。自分が毎月積み立てられる金額、それを60歳まで積み立てた場合の合計、想定される利息を具体的に計算してみるとわかりやすいと思います。
あるいは、お金に余裕があって、併用できるのであれば、iDeCoもおすすめです。
ライフプランを考える
まずは、自分のライフプランを考えてみましょう。結婚するかしないか、何歳くらいでするか、子どもは何人くらい欲しいか、仕事は今のまま続けるのかなど、自分の生き方によってお金の使い方や、必要なお金が変わってきます。
大企業にずっと勤めるので十分な収入・十分な年金がもらえそうであるなら、あるいは将来海外に居住する可能性が高いのであれば、iDeCoは必要ないかもしれません。逆に、おひとり様なので、少しでも老後に備えておきたいのであれば、iDeCoもいい選択方法です。
ずっと続けられるかどうか考える
ライフプランがまだ考えられないという場合でも、「加入した場合ずっと続けられるかどうか」から考えてみましょう。転職して給料が下がった場合や、子どもができて仕事を辞めた場合でも、毎月1万円だったら続けられるかな?という具合に。
60歳までは引き出しできない、休止しても手数料はかかるというデメリットがクリアできるのであれば、iDeCoを始めてもいいと思います。
iDeCoにはメリットも多いのですが、「途中で引き出せない」という大きなデメリットがあります。将来の安泰を考えるのと同時に、60歳までの間の「万が一の備え」も考えましょう。いつでも、すぐに現金がある状態を作れるようにすることを心がけてください。