テレビのニュースや新聞の記事でよく見る経済指標。
言葉は何となく知っていても、その指標が何を意味しているのかイマイチ分からない。
そんな女子のために、社会人としてこれだけは知っておきたい経済指標の読み方をお伝えします。
社会人なら知っておきたい!
主な経済指標の見方
2019年3月31日
そもそも経済指標って?
ニュースなどでよく耳にする経済指標ですが、アルファベットの物や○○指数などよく似たものが多いですね。そのため、それぞれの指標の区別がはっきりつかず、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。
でも、実は経済指標は皆さんの生活と密接に関わっているのです。これらの指標を理解できたら、これからの経済の動きを考えるためのポイントが見えてきます。
そうすれば、これからどのような金融商品に投資をしていこうかという目安にもなりますし、自分自身の知識をアップさせることで仕事にも役立たせることができる場合もあるでしょう。
GDP(国内総生産)
経済の動向を見る上で一番大切な指数はGDP(国内総生産)です。 GDPは、1年間に同じ国の中で生産されたモノやサービスの付加価値のことをいいます。簡単にいうと、国内で商品を買ったり企業が工場を建てるなどして使われたお金の総計です。
つまり、GDPが増加すると、その年にその国の中でモノやサービスが多く利用されたことになり景気がよいとされます。反対にGDPが減少すると、その年は景気が悪い状態だとされます。
2019年3月に内閣府によって発表された2018年10~12月期は、物価変動の影響を除いた実質GDPが前期の7~9月に比べると0.5%増加していました。これは、2018年7~9月は自然災害が多くて個人消費が落ち込んでいたのが解消されたためと見られています。
また、この1年でどれだけGDPが伸びたのかを表す「経済成長率」を見ることで、景気が良くなっているか悪くなっているかを判断することができます。
アセットマネジメントOneの資料「マーケット・インサイト2019年3月」によると、GDP成長率の見通しは、2019年予測値が全世界で3.5%となっており、米国は2.5%、日本は0.9%です。ここから、世界全体ではゆるやかに経済成長が見込まれるものの、日本では目標としている2.0%の経済成長率にはまだほど遠いことがわかりますね。
GDPを読むための裏付けは?
このように、世界や日本の経済成長の見通しに欠かせないGDPですが、そのGDPを読むために注目しておきたい指数があります。
失業率
失業率とは失業者数を労働人口で割った数値で、総務省が毎月発表しています。失業率は、日本の景気判断や雇用対策の基礎資料となるものです。
失業率が低下するということは、景気がよいことをを表します。 2019年1月の完全失業率は2.5%でした。2018年は2.3%~2.5%で推移していて、景気の動きにおいては横ばいという見方ができますね。
小売売上高
小売売上高は、前期に比べて上昇しているか下落しているかに注目することで、個人の消費活動がどのように動いているかを見ることができます。
「失業率」が低下するということは働いている人が増える=給料をもらう人が増える、ということですよね。
給料をもらう人が増えるとモノを買ったり旅行に行ったりする人が増えます。
経済の動きを見る一番のモノサシはGDPだとお伝えしましたが、そのGDPの半分以上のウェイトを占めるのが個人消費です。 つまり「小売売上高」が上がるとGDPを押し上げる要因になるというわけです。
CPI(消費者物価指数)
物価指数とはある時点での物価を100とした場合、物価がそれよりもどれだけ高いかまたは低いかを数値化したものです。物価指数には企業物価指数と消費者物価指数(CPI)があり、その中でもCPIは消費者が日々の生活で消費する商品とサービスの価格の動きを時系列で表したものです。
先ほど「小売売上高」を見ましたが、「小売売上高」が上がると言う事は消費が活発に行われているということです。つまり経済が活発に動いているということは、一般的に需要が増加していると考えられます。その場合、商品やサービスの価格を上げても消費者は購入します。 つまり、CPIが上昇しているということは、経済が拡大している=物価が上がるということなので、インフレの傾向にあるということが読み取れます。
逆に、CPIが下落している場合はデフレの傾向にあるということですね。
設備投資
では、CPIが上がるとどうなるでしょうか。
モノがたくさん売れると、企業は機械や工場を増やすなど設備投資を行います。設備投資は、GDPの要因では「民間企業設備」と呼ばれ、「個人消費」に次いで大きいウェイトを占めます。
これらのことから、日本の景気動向を見る上で「設備投資」は重要な項目だと言えます。
今回紹介した指標は、経済の動きを見る上で基本的な指標です。これからはニュースで発表される時に、ぜひ注目してみてくださいね。