“物価上昇”と聞くと「えっ? 嘘!」と思ってしまうくらい、我々はデフレの世の中に慣れてしまった感がありますが、知らず知らずのうちに世の中の商品が値上がりしていたと知ったら驚くのではないでしょうか。「あれ?昔に比べてこのお菓子減ってない?」と思ったら、それは容量を減らすことで実質的に値上げをする「ステルス値上げ」と呼ばれるものかもしれません。今回は値上げとその対策についてお話します。
実はいろんなものが値上がり!! 物価上昇に立ち向かうちょっとした家計術テクニック4選
2019年3月18日
いろんなものが値上がりしてる
先日、「アイスや練り物など食品の値上げ相次ぐ」というニュースがありました。
具体的には、アイスクリームでは、明治が「エッセルスーパーカップ」など23品目を、江崎グリコが「パピコ」など55品目を10円から50円値上げをします。
他にも練り物や冷凍食品などで5%~15%ほどの値上げを発表しています。
また、エースコックが即席カップ麺「スーパーカップMAX」シリーズなど約90品目の価格を約4~8%の値上げ幅で6月1日の出荷分から引き上げるとの発表もありました。
今年は食品を中心に値上げラッシュとなりそうです。
こうした値上げの背景には、原材料費、食材、包装資材、輸送費、人件費の高騰などがあります。
日本は長らくデフレが続いていたため、物価の上昇はほとんどないという認識の人が多いようですが、主に輸入に頼っている食品業界では、原材料費などの高騰はだいぶ前から始まっていて、企業は利益確保のために頭を悩ませていました。
そこでとった策が、消費者に気づかれないように値上げをすることでした。
容量を減らす「ステルス値上げ」
食品を中心にいろんなもののパッケージがひと回り小さくなっていたり、容量が減っていることに気づいていた人は結構多いのではないでしょうか。
有名どころでは「明治おいしい牛乳」が900mlになっていたり、「カルビーのポテトチップス」が発売当初の90gから60gになっていたりします。
こうした、値段は据え置いて、容量を減らすことで実質的に値上げをすることを俗に「ステルス値上げ」と呼びます。「ステルス」とは英語で「こっそり行うこと」を意味するので、まさに言葉のとおりです。
他にもこうした現象を経済用語で「シュリンクフレーション」とも言います。シュリンク(縮む)とインフレ―ションを掛け合わせた造語です。
普通に値上げをしてしまうと客離れが起きることを企業は懸念して、容量を減らすことで対処しているわけですが、消費者もいつまでも騙され続けてはいません。
また、容量を減らすことで利益を確保するにも限界があります。
ここ最近の相次ぐ値上げは、原材料の価格や人件費が高くなりすぎて「こっそり」が出来なくなった結果と言えるのかもしれません。
値上げラッシュに家計はどうする?
いろんなものが値上がりして、給料がそのままだったら、当然家計は厳しくなります。給料の上昇が見込めない場合、どうしたらいいのでしょうか。
値上がりと言っても、じわじわと上がる程度だと思いますが、日々、安いスーパーなどを探して、節約に力を入れている人にとっては、それでも痛いものです。
そこで、値上がりに対抗するためのちょっとしたテクニックをご紹介します。
まとめ買いをする
賞味期限が長い食品や日用品で、まとめて買うと安くなるものは、まとめ買いをしましょう。
これだけで値上げ分が消えてお釣りがくる程度は安くできます。また、ネットショッピングの「いくら以上買えば送料無料」なども、まとめ買いがお得になる理由です。
「これはずっと使い続けるだろう」という確信が持てるものは、まとめ買いリストに入れて、送料無料になる金額単位で買うようにするとよいでしょう。
ポイントを貯める
値上がりは仕方のないこととして、ポイントカードやクレジットカードなどのポイントをたくさん貯めることで、プラマイゼロにしてしまいましょう。
スーパーによっては、○曜日に買い物をするとポイント2倍とか、特定の数字が付く日はポイント5倍など、お得なキャンペーンを開催しています。こうした日を狙ってまとめ買いをすれば、値上がり分以上に得することも可能です。
クーポンや優待サービスを利用する
お店のアプリを登録することで割引きクーポンがもらえたり、クーポンサイトを利用してお得なクーポンを手に入れることで、買い物からレジャーまで割引価格で利用できます。
多少手間ではありますが、クーポンを利用する癖がつくと、定価で買うことが珍しく感じるくらいの達人になれます。それくらい、いろんな所でクーポンが活躍します。
また、意外と気づいていない特典として、クレジットカードの優待サービスがあります。
クレジットカードの会員特典として、レジなどで提示すると割引きが受けられるサービスが大抵のカードには用意されているので、カード会社のWebサイトでどんな優待があるのかチェックしておくとよいでしょう。
断捨離をする
断捨離と言っても、部屋にあるものを捨ててすっきりするわけではなく、食品や日用品などで、あまり食べないもの使わないものをピックアップして、今後は買わないとすることです。
それだけでなく、今頻繁に食べたり使っていたりしたとしても、なくても困らなそうだと判断できたら、今後は買わないようにすることで節約ができます。
たとえば、紙のナプキンを布のナプキンにすることで、紙代が節約できます。また、お菓子類や清涼飲料水などは、なくても困らない上にダイエットもできるとなれば一石二鳥ですね。くれぐれもストレスにならない程度に実行してみてください。
値上がりは家計にボディーブローのように効いてくるものですが、工夫次第で乗り切ることもできます。是非試してみてくださいね。