教育費で一番かかるのは大学の学費でしょう。国公立、私立の別、文系、理系、医歯系別の学費を見てみましょう。さらに、自宅から通う場合と、下宿や寮、アパートなどを借りて生活する場合の費用などもご紹介します。その時期になって金額を見て慌てないためにも、早めにコツコツと準備しておきましょう。
教育費の最大の関門!
大学の費用っていくらかかる?
今どきの大学学費事情
2019年2月25日
大学の学費はどのくらい?
大学進学が決まったら、まずは初年度納入金を払う必要があります。
初年度納入金は入学金、授業料、施設設備費などがあり、学部によって差があります。
国公立大学初年度納入金平均額
※「国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省」(平成29年度)を元に筆者が作成
※国立大学の額は国が示す標準額である。
※公立大学の額は平均であり、公立大学入学料は地域外からの入学者の平均である。
私立大学初年度納入金平均額
※「平成28年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について|文部科学省」を元に筆者が作成
国公立大学の授業料、入学金の平均は私立大学の文科系の平均よりも安くなっています。
私立大学の理科系や医歯系となると、グンと学費が上がり、医学部は初年度だけで500万円近い納入額となっています。
この初年度の納入額に加えて、2年目以降は、授業料とその他の費用を合わせたものが在籍年数分かかるので、ストレートで卒業した場合でも、国公立で250万円、私立の文科系で400万円、私立の理科系で550万円、私立の医歯系(6年制)では3000万円近くかかる計算となります。
大学生活にかかる費用
大学に通うためにかかる費用は学費だけではありません。下宿や寮、アパートを借りて住む場合などは住居費がかかり、そのための生活準備金なども用意しなくてはなりません。
他にも食費や光熱費、日用品代などの生活費がかかります。
住居形態別学生生活費
※「平成28年度学生生活調査|日本学生支援機構(JASSO)」を元に筆者が作成
下宿やアパートに住むと年間100万円以上かかり、自宅生はその半分以下で済みます。こうしたことからもなるべく自宅から通わせたいという親の気持ちがわかります。
どうやって準備する?
これだけかかる学費と生活費をどのように準備したらいいのでしょうか。
日本学生支援機構(JASSO)による平成28年度学生生活調査では学生の収入状況を調査しています。
※「平成28年度学生生活調査|日本学生支援機構(JASSO)」を元に筆者が作成
これによると、家庭からの給付が6割を占め、次に奨学金、アルバイトと続きます。奨学金とアルバイトだけでは、半分も捻出できていないということがわかります。もちろん、これは平均値なので、奨学金とアルバイトだけで(親からの援助なしに)大学に通っている学生も多くいると思います。しかし、年間200万円ほどの学費と生活費を親の援助なしに4年間捻出するのは大変厳しいということは間違いないでしょう。
コツコツと積立貯金
それでは、大学の費用をどのように準備したらいいのかという具体的な提案です。子供が小さいうちからコツコツと積立貯金をするのが一番です。その際、学資保険を利用するのも手ですが、必ずしも学資保険に入らなければいけないというわけではありません。
現在、学資保険の利回りは低く、魅力は乏しいと言えます。ただし、保険としての機能もありますので、万が一のことを考えて入るのはありでしょう。
学資保険の最大のメリットは強制力だと思っています。途中解約をすると損してしまうという点でも強制力が働くので、長い年月をかけてまとまった金額を作ることができます。
・先取り貯金(自動化)
・長期間積み立てる
この2点がクリアできていれば、どんな方法でも構いません。
給与から天引きのような形で、見えないところで自動的に貯金ができているのが理想です。
さらに、長い期間貯金ができるように、教育費の準備がまだという人は、気づいた今からでも遅くありません。積立をはじめましょう。
教育費が足りない!となった時に
教育費の準備をしていたとしても、大学の専攻や場所などで、資金が足りなくなることはあります。その時に、安易に教育ローンに手を出すのはおすすめしません。なぜなら、教育ローンは親が借りるため、老後資金を削ってしまう可能性があるからです。それならば、時間も可能性もたっぷりある、子供が借りる形の奨学金を検討しましょう。
奨学金には「給付型」と「貸与型」があり、日本では貸与型が主流ですが、給付型も徐々に増えてきています。
貸与型は「無利子」と「有利子」があります。
成績や収入などの審査基準が厳しい順に
給付型>無利子貸与型>有利子貸与型となっています。
奨学金についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
「奨学金破産ってなに? 知っているようで知らない奨学金についておさらいしよう!」
なんのために大学に行くのか
奨学金を借りて大学を出たのはいいけれど、その後、返済が行き詰まり苦しい状況に追い込まれる事例があります。
こうした状況にならないためには、大学の勉強が将来の収入に結びつく確信があった上で、大学、専攻を選ばなければなりません。そのため、この奨学金を借りてまで、この勉強をする必要があるのか考えてみて、場合によっては、大学や専攻を変えることも厭わない姿勢が大事です。一方で、この大学、専攻であれば、奨学金を返済できる見込みが高いというものでれば、多少学費がかかってもいいと言えます。
教育費の最大の支出である大学の費用がいくらかかるのか、大まかではありますがお分かりいただけたでしょうか。早ければ早いほどいい教育費の準備、今からコツコツと貯金していきましょう。