2019年に入り、消費税が増税される10月までカウントダウンという時期になりました。軽減税率など、さまざまな消費税対策が実施されるとはいえ、おそらく日本に住むほとんどの人の家計への負担が重くなることが予想できます。
しかしせっかくの増税対策ですから、うまく利用しない手はありません。今回は増税に伴い予定されているポイント還元制度で家計への負担を和らげる方法を考えてみましょう。
賢く買えば消費増税もなんのその!
うまく利用したいポイント還元制度
2019年2月16日
キャッシュレスでのポイント還元制度って?
軽減税率とならび、消費増税対策の柱とされているのが中小店舗でのキャッシュレス決済時のポイント還元制度です。
ざっくり説明すると、買い物や飲食の代金を現金ではなくクレジットカードなどのキャッシュレス決済で払った消費者にはポイントを還元するというものです。
詳細や具体的な内容は、これから決定されることになりますが、いま決まっている枠組みを見るかぎりでは、モノやサービスを含めて幅広い消費(支払い)に適用される見込みです。軽減税率が適用になる食材などでもポイントが還元されるようですから、場合によっては実質負担がいまより軽くなるものもあるようです。
ちなみに、このポイント還元制度は消費税が10%にアップすることで、消費が落ち込まないようにするための政府の対策のひとつです。いま現在クレジットカード会社が実施しているポイント制度とは別物ですから、それぞれのポイントを獲得できればさらにおトクということですね。しっかり内容を理解して、賢い買い物をしていきたいですね。
気になるポイント還元率は?
まずは、消費増税対策のポイント還元制度は対象となるお店が決められていることを知っておきましょう。
「中小企業基本法」で定める中小・個人の店で買うことが要件で、具体的には次の事業者です。
- ・小売業では、資本金が5,000万円以下か従業員が50人以下
- ・サービス業なら、資本金が5,000万円以下か従業員100人以下
これらのお店で買い物をしたり、サービスを受け、代金を支払うときに5%が還元される仕組みです。
ただし例外もあって、仮に個人経営だとしても、フランチャイズチェーン店(FC)では還元率は2%です。フランチャイズチェーン店はコンビニや外食店、ガソリンスタンドなどが考えられます。
なお、そもそも「中小企業基本法」に該当しない大企業では、政府のポイント還元制度は対象にはなりません。
このように、どこで買い物するか、サービスを受けるかによって還元率が異なることには注意が必要です。
いくつかの買い物シーンで実質負担額をシミュレーション
2%の増税があっても、5%分のポイント還元を受けることができれば実質負担は3%分少なくなりますね。しかし、10月の増税時には軽減税率などもあってさまざまな率が飛び交います。いくつかのケースで5,000円を使う場合の実質負担額がどのように違うのか、シミュレーションしてみましょう。
例1:(中小の)スーパーで5,000円分食品を買う
食品など軽減税率が適用される品目は8%が適用されます。カードで払えば5%分ポイント還元。
- 税込支払額:5,000円+消費税400円=5,400円
- ポイント還元金額:5,400円×5%=270円
- 実質負担額:5,400円-270円=5,130円
例2:コンビニ(FC)でお弁当やお菓子を5,000円分買って持ち帰り
コンビニでお弁当を買っても持ち帰るなら軽減税率の8%が適用されます。カードで払えば2%分ポイントが還元されます。
- 税込支払額:5,000円+消費税400円=5,400円
- ポイント還元金額:5,400円×2%=108円
- 実質負担額:5,400円円-108円=5,292円
例3:レストラン(FCではない)で5,000円分外食
本来10%の税率になります。カードで払えば5%分のポイント還元。
- 税込支払額:5,000円+消費税500円=5,500円
- ポイント還元金額:5,500円×5%=275円
- 実質負担額:5,500円-275円=5,225円
例4:デパートで5,000円の洋服購入
本来10%の税率になります。カードで払っても中小企業に該当しなければポイントが還元ゼロ。
- 税込支払額:5,000円+消費税500円=5,500円
- ポイント還元金額:5,500円×0%=0円
- 実質負担額:5,500円-0円=5,500円
そのほか、中小企業に該当しても、そもそもカード決済を取り入れていないお店などではキャッシュレス決済ができませんからポイント還元はできません。対象店かどうかを見分ける方法は、これから検討される見込みですが、消費者側が賢い目を鍛えることも大切でしょう。
ちなみに軽減税率は「消費税10%への増税近し!2%差がつく軽減税率をきちんと理解しておこう」の記事で説明しています。参考にしてみてくださいね。
増税に負けない家計体質を作るためには?
うまく利用できればおトクなポイント還元制度ですが、10月1日に消費税率が上がった後から2020年6月末までの9カ月間の時限措置の予定です。
家計のためには軽減税率やポイント還元を賢く利用することは大切ですが、いまから増税に負けない家計体質を作っておくことも大切です。
たとえば、お金の使い方を見直し節約体質にしたり、貯金に加えて投資にチャレンジするのもいいでしょう。2%以上の運用を目標に、2%の増税に負けない家計を目指していきたいですね。