マイナンバーカードがないから郵送で確定申告書を提出していた・・・そんな人に朗報です。
2019年1月から、マイナンバーカードを持っていない人でもe-Taxで申告できるようになりました。
毎年のことでありながら、確定申告の作業には時間が取られますね。
e-Taxで手間を減らしたいもののマイナンバーカードやICカードリーダライタを用意するのが嫌と思っていた人もいるでしょう。
手軽になった確定申告のe-Tax方式についてご紹介します。
2019年版確定申告!
手軽になったe-Taxにチャレンジしよう
2019年2月12日
確定申告の季節がやってきた
2019年の確定申告期間は?
年が明けると、だんだん気になってくる確定申告の時期。2019年の申告書受付期間は2月18日から3月15日までです。
出典:国税庁(http://www.nta.go.jp/information/other/data/h30/kakushin_kaizyo/index.htm)
毎年忘れずに決まった期間内に行わなければならない確定申告。なるべく手間をかけずに済ませたいものですよね。
確定申告の提出方法には、直接税務署に持参して提出する方法、税務署へ郵送する方法、e-Taxで電子申告する方法の3つがあります。e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、インターネットを利用し申告書などを電子データ形式で送信できてしまうシステムのこと。
1年の振り返りに役立つ
率直に言って、確定申告は面倒ですよね。医療費控除などの還付申告については、やるやらないは個人の自由ですが、一定以上の所得のある人の所得税申告などは義務であり、やらないわけにいきません。
しかし、確定申告のための書類を作成していると、1年の振り返りに役立つと感じることがあります。1年の振り返りは年末に済ませておきたいという気持ちもないわけではありませんが、確定申告のための具体的な数字を目にするおかげで新たな発見が生まれるときもあるのです。
例えば1年間の医療費バランスを見て家族の健康管理を見直そうと思えたり、月収の推移を見て働き方のペースを見直したくなったりといった具合。確定申告の手間をなるべく減らせるように工夫しつつ、1年の振り返りのツールとして確定申告を活かすという考え方ですね。
e-Tax方式利用のための条件
マイナンバーカードが不要に
さて、e-Tax方式による確定申告ですが、これまではマイナンバーカードやICカードリーダライタの利用が前提となっていました。
ICカードリーダライタとは、マイナンバーカード情報を読み込む機械のこと。マイナンバーカード情報を読み取る機能を持つNFCスマホで行ってもいいのですが、その場合はe-Tax専用アプリのダウンロードが必要です。また、対応スマホが限られており、例えばiPhoneは対象外となっています(2019年中に対応となる予定)。
出典:国税庁(https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/cat1/cat12/cat121/cid960.html)
しかし、2019年の確定申告ではマイナンバーカードやカードリーダライタがなくてもe-Tax方式を利用できるようになりました。
IDとパスワードの発行は簡単
マイナンバーカードがない人も利用できるようになったe-Taxですが、代わりにIDとパスワードの発行が必要となっています。
IDとパスワードの発行はとても簡単で、本人確認書類を持って税務署へ行くだけです。IDとパスワードを発行するための書類に必要事項を記入し、パスワードを自分で決めます。
筆者の場合は、年が明けてからの1月中旬に税務署へ行ったため、既に混雑が始まって受付に行列ができており、IDとパスワードの発行が終わるまでにおよそ30分かかりました。前年の年末までに済ませておけばもっと早く手続きできたはずですが、年が明けてしまうと税務署が混み始めます。
e-Tax方式のメリット
添付書類提出を省略できる
e-Taxで確定申告をすると好きな時間に提出でき、最も混雑する申告期間に税務署へ足を運ぶ手間も、必要書類を印刷する手間も要りません。ほかの方法での提出に比べて税金還付のタイミングが早くなるといううれしいメリットもあります。
また、源泉徴収票や社会保険料控除の証明書、生命保険料控除の証明書、寄附金控除の証明書などの確定申告書への添付が不要となります。マイナンバーに関する本人確認書類の提示も不要です。
ただし、添付書類の提出が不要となっても自宅での保管は必要です。紛失しないように注意しましょう。
スマホやタブレット端末での確定申告も便利に
2019年1月からの確定申告では、スマホやタブレット端末で申告しやすくなるスマホ専用画面も利用できるようになりました。なお、スマホ専用画面は給与所得者(1カ所からの給与のみ)の医療費控除、寄附金控除による還付申告が対象となっています。
スマホ専用画面では、質問に「はい」や「いいえ」で答え、IDやパスワード、申告に必要な収入や控除額、氏名等を入力します。必要な入力が終わったらe-Tax送信をして完了です。
医療費控除については2017年から領収書が不要となり明細書のみでの還付申告が可能となっています(経過措置として2019年分までは領収書を使用した申告も可能)。スマホ専用画面での申告においても医療費明細書分の金額を入力すればOK。病院や薬局ごとにまとめた金額を入力しましょう。
出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-iryouhikoujo2.htm)
IDとパスワードを使うe-Tax方式は、この先ずっと続く制度というわけではなく暫定的とされています。しかし、マイナンバーカードの普及が拡大するまでは制度が存続するでしょう。便利になった方法を素早く取り入れて確定申告の手間を省き、スマートな確定申告気分を味わってみてはいかがでしょうか。