1月7日は七草がゆの日と呼ばれ、昔から七草がゆを食べる風習があります。七草がゆを食べる理由は、お正月で食べるおせち料理やおもちなどで疲れた胃を休める意味があります。そのほかにも春の七草は「邪気を払う」と言われており、無病息災を祈って昔から食べられていました。この七草あなたは全部知っていますか?
ぜんぶわかる?
七草がゆに使われる春の七草♪
2019年1月3日
七草がゆの由来
1月7日の朝に春の七草を使っておかゆを食べることは有名ですよね。お正月で食べた祝い膳や祝い酒で疲れた胃を休めるためとも言われています。
平安時代頃にはすでにあった
七草がゆの歴史は古く、平安時代にはすでに存在しており宮中行事として行われていたようです。そのほかにも諸説あり、鎌倉時代から江戸時代にかけて成立した御伽草子にも登場しています。
その説話とは、ある親孝行の若者が年老いた両親を若返らせたいために、山で21日間の苦行を行っていました。そこに帝釈天という天井の神様があらわれ、願いを聞き入れるかわりに1月6日までに7種の草を集め、決まった時刻に柳で作った器で7種の草を玉椿の枝でたたき、煮て食べることを約束させます。
1月1日に帝釈天と約束をし、そこから6日で草を集めることに成功した若者は、夜通し草をたたき、翌日の朝7種の草を鍋で煮る約束を守ります。その後両親に食べさせ、見事若返りに成功したというお話です。
人日(じんじつ)の節句という諸説も
五節句という季節の節目の日があり、その内の1月7日を人日といいます。この日に殺生などはせず、人を大切にする日という意味があります。
お隣の中国では唐の時代には、人日の節句に7種類の野菜を入れた汁物で、無病息災を祈る習慣がありました。その影響もあり日本でも7種類の若菜を入れた七草がゆが定着したといわれています。
七草の種類と意味
春の七草は「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の7種類の若菜を使うことが一般的です。しかし、特に寒い地域では栄養補給も目的とし、七草にこだわらず根菜類を使用する地域もあるようです。また白がゆだけでなく鰹だしや、醤油で味付けをする地域もあるようです。
せり(芹)
鉄分を多く含むせりは、血を作る効果が期待されます。また競り勝つという意味もあります。
なずな(薺)
なずなには解熱作用や利尿作用があります。なでて汚れを取り除く意味があります。
ごぎょう(御形)
ごぎょうには咳を鎮め、去痰作用があるとされてます。別名をハハコグサと呼び、仏のからだをあらわします。
はこべら(繁縷)
ビタミンやミネラルが豊富で古くから薬草として用いられました。はこべらは茎に葉がたくさんつくため繁栄をあらわします。
ほとけのざ(仏の座)
ほとけのざには解熱や解毒作用、整腸作用があります。地面に広がって生えている葉が仏の安座に見えたことからの呼び名です。
すずな(菘)
かぶのことをすずなといいいます。利尿作用や便秘解消が期待できます。神を呼ぶための鈴という意味があります。
すずしろ(清白)
すずしろは大根のことです。食欲増進や利尿作用、便秘解消が期待できます。けがれない清白の意味があります。
七草は春夏秋冬ある
七草といえば1月7日の春の七草が有名ですが、実は四季を通じて七草があります!調べてみると、季節によっては七草が2種類ある時期もありました。
夏の七草2種類
葦(よし)、藺(い)、沢鷹(おもだか)、未草(ひつじぐさ)、蓮(はちす)、河骨(こうほね)、鷺草(さぎそう)が夏の七草です。水辺や湿地に生える植物が多く、涼をあらわす植物です。こちらの七草は歓修寺経雄(がしゅうじつねお)という明治時代の貴族が詠んだ和歌より定着しました。
夏の七草にはもう1つあり、それは藜(あかざ)、猪子鎚(いのこづち)、莧(ひゆ)、滑莧(すべりひゆ)、白詰草(しろつめくさ)、姫女菀(ひめじょおん)、露草(つゆくさ)です。
こちらの七草は第二次世界大戦中に、日本学術振興会学術部の野生植物活用研究小委員会が選定したものだそうです。選定したのは1945年の6月、終戦の2ヶ月前です。そのため夏の七草は、焼け跡にも生える力があるほど生命力の強い食べられる植物ばかりです。
秋の七草
秋の七草は、萩(はぎ) 、薄(すすき)、桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)、葛(くず)、藤袴(ふじばかま)、女郎花(おみなえし)です。
山上憶良(やまのうえのおくら)という、奈良時代初期の歌人が詠んだ歌から秋の七草として定着したそうです。秋の七草は野山の植物が多くあります。
冬の七草2種類
かぼちゃ(なんきん)、れんこん、人参(にんじん)、銀杏(ぎんなん)、金柑(きんかん)、寒天(かんてん)、うどん(うんどん)が冬の七草です。
植物ではなく海藻から作る寒天や、野菜やうどんまで幅広いものが冬の七草とされています。これは文字に「ん」が2つつき、運が倍になる意味があるためだといわれています。
もう1つ冬の七草はあり、それは葱、白菜、大根、春菊、ほうれん草、キャベツ、小松菜です。どれも冬の定番野菜ですよね。このように冬の七草は、身体を温める目的で食べたい食材を冬の七草と定義づけているようです。
春の七草を中心に夏、秋、冬それぞれの七草エピソードはいかがでしたでしょうか。お子様のいるご家庭ではぜひ食育の一環として伝えたい日本の文化ですね。