買い物のときにパッと商品を見て、税込価格なのか税抜価格なのかを見間違えたことはありませんか。
見間違いに気がつくと、やっぱり高い、意外と安いなどと思うものですよね。
たかが消費税されど消費税で、消費税分の金額は日常の買い物に影響を及ぼします。
消費税の10%引き上げがいつなのか、軽減税率で8%のままとなる品目にはどんなものがあるのかなど、気になる消費税引き上げの概要についてご紹介します。
いつから消費税が10%になる?
軽減税率で8%のままとなる品目とは
2018年9月18日
2019年10月から変わる消費税率
財布が寂しいときであればあるほど、買い物をするときの消費税分が気になるものです。消費税は1989年に導入され、当初は3%、その後5%、8%と上がってきました。そして、2019年10月1日には10%に引き上げられます。
増税は一般消費者にとってつらいものです。家計に響き、やりくりが大変になりますよね。しかし、国の財政が厳しいと増税の必要性が議論されるようになります。急速な高齢化の影響による社会保障費負担で、日本の財政は厳しい状況が続いています。
所得税や法人税は現役世代にかたよった税負担となりますが、消費税には全世代で負担するという特徴があります。消費税(付加価値税)を導入している世界の国や地域は100以上存在し、イギリスやフランスの税率は20%、ノルウェーやスウェーデンは25%です。
出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6303.htm、https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page13.htm)
軽減税率の対象品目とは
軽減税率って何のこと?
全世代で税負担を分け合う消費税ですが、収入の低い人のほうが収入の高い人に比べて負担が大きくなってしまう逆進性という問題を抱えています。収入に対して生きていくために必要な消費支出の割合が高いという意味での負担の大きさです。
そのため、収入の低い人に配慮した軽減税率制度が導入されることになりました。標準税率が10%であるのに対し、軽減税率の対象に定められた品目には8%が適用されます。
【軽減税率の対象品目】
(1)飲食料品(酒税法で定められた酒類、外食は除く)
(2)定期購読契約の新聞(週2回以上発行のものに限る)
下記の飲食料品は軽減税率の対象となりません。
・ビール
・ワイン
・ケータリングや出張料理(ただし有料老人ホームなどで提供される飲食料品は対象)
提供スタイルにより税率が変わる
飲食物販売のスタイルはさまざまであり、軽減税率の対象かそうでないか紛らわしいケースもあります。例をご紹介しましょう。
・テイクアウトのお弁当など:テーブルや椅子が提供されるわけではないため対象
・おもちゃ付きなど食べ物以外のものと一体になった商品:1万円以下の品で食品部分が全体の2/3以上を占めていれば対象
・そばの出前やピザの宅配など:対象
・テーブルや椅子が提供されていない屋台:対象
・テーブルや椅子が提供されている屋台:対象外
出典:財務省(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/keigen_00.pdf)
消費税アップの影響はどのくらい?
年単位で数万円の負担増に
消費税が8%から10%に上がったときの家計への負担の影響はどのくらいでしょうか。10万円の消費であれば差となる2%は2,000円、20万円の消費であれば4,000円です。具体的な消費支出額による例で試算します。
単身世帯の2017年、年齢階級別家計支出による35歳未満及び35~59歳それぞれの消費支出額と内訳は下記のとおり。
【項目:35歳未満:35~59歳】
消費支出額:155,808円:192,311円
食料:39,510円:45,883円
住居:29,811円:25,347円
光熱・水道:6,959円:11,191円
家具・家事用品:3,339円:3,845円
被服及び履物:7,712円:6,975円
保健医療:3,627円:7,046円
交通・通信:22,848円:25,156円
教育:0円:25円
教養娯楽:17,155円:21,089円
その他:24,847円:45,753円
出典:総務省家計調査報告(家計収支編)(2017年)(http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy03.pdf)
上記から消費税がかかる金額の例を算出するために、住居費、軽減税率が適用される食料の80%、保険適用で非課税となる医療費分を引いてみると下記の金額となります。
【35歳未満:35~59歳】
90,762円:123,211円
上記金額において消費税8%が10%に上がったと仮定し差額を算出すると下記となります。
【35歳未満:35~59歳】
1,681円:2,282円
上記金額を年単位で計算すると、35歳未満の世帯で20,172円、35歳~59歳の世帯で27,384円の負担増です。
消費支出額や外食が多めの人のケース
一般的に収入の多い人ほど消費支出額もアップするため、収入の多い人であればあるほど消費税分の支出が多くなります。また、外食が多い人も軽減税率の恩恵を受けられる分が少なくなり消費税分の支出が多くなります。
そこで、先ほどご紹介したモデルケースよりも外食が多く、消費支出も多い人の場合について試算してみましょう。消費税のかかる金額として10万円が上乗せ(食料のうち外食が増える分+消費支出が多い分)された場合、消費税増税で増える1カ月あたりの追加負担は2,000円、年間で24,000円です。
先に算出した額に24,000円を追加すると、35歳未満の世帯の例をベースにした場合の負担増が44,172円、35歳~59歳の世帯の例をベースにした場合の負担増は51,384円となります。暮らし方により消費税増税の影響が変わってくる様子を実感できる数字ではないでしょうか。
増税による家計への影響は人それぞれです。消費税増税時の家計収支悪化を防ぐために、1カ月あたり数千円の節約策を検討しておくとよいでしょう。国の財政状況の厳しさは今後も続きます。消費税のさらなる引き上げの議論もされているため、消費支出の見直しをして増税のつらさに耐えられる家計を目指していきたいですね。