キャッシュレス時代到来と言われるほど、クレジットカードに電子マネー、スマホ決済等々、現金を持ち歩かなくても困らない世の中になりつつあります。とはいえ、日本はまだまだ現金派が多い印象です。そこで、それぞれのメリット、デメリットを上げて、比較してみようと思います。果たしてどちらにお金が貯まるのか‥‥。
あなたは現金派?
キャッシュレス派?
お金が貯まるのはどっち?
2018年9月12日
現金のメリット、デメリット
世の中、キャッシュレス化してきたとはいえ、日本ではまだまだ現金での買い物が根強いと言えます。そこで現金決済のメリット、デメリットをまとめてみました。
現金のメリット
・流動性が高い
どこでも使えるという意味では、現金に勝るものはありません。
日本では、都市部や大型店舗、大手チェーン店ではキャッシュレス化していますが、地方の個人商店などでは、現金しか使えないという場合がほとんどです。
・信用度が高い
日本ではいまだに、現金が用意できることで交渉が有利になるケースが多くあります。これは現金の信用度が高いことにあります。それは現金の信用度が低いためにキャッシュレス化が進んでいる中国と逆の現象と言えます。
現金のデメリット
・管理が手間になる
現金による支出は記録が残らないため、レシートや領収書をその都度アナログ的に管理しないと把握できません。
・キャッシュバックがない
どんなに現金で支払ってもそれ以上の価値はつきません。一方でクレジットカードは使えば使うほどポイントによるキャッシュバックがあります。
・リスクが高い
現金は実物を持ち歩くため、盗難や紛失のリスクがあります。また、支払いの記録がレシートや領収書など物理的なものしかないため、それをなくした場合、証明することができません。
キャッシュレスのメリット、デメリット
次にキャッシュレスのメリット、デメリットをまとめてみました。
キャッシュレスのメリット
・決済が簡単である
一瞬で支払いが完了し、細かいおつりが発生しないので、財布に小銭を入れて持ち歩く必要がありません。
・データで管理できる
クレジットカード決済や電子マネー、スマホ決済などはデータでやり取りしているため、すべての履歴が残ります。家計簿アプリなどに登録をすれば、一元管理することも可能です。
・ポイントが貯まる
クレジットカード決済では、ポイント還元というシステムがあります。これにより、使えば使うほどポイントが貯まっていくので、生活費の支出をクレジットカード払いにまとめてしまえば、年間で数千円から数万円のポイントがつくでしょう。
・いざという時の保証になる
キャッシュレスでの決済は記録が残ります。そのため、身に覚えのない支払い記録があった場合に、カード会社や決済サービス会社が保証をしてくれます。
また、紛失や盗難の際にも、すぐにカード会社などに連絡をすれば、使用停止の処置をしてくれるので安心です。
キャッシュレスのデメリット
・利用できないところがある
日本ではまだまだキャッシュレス化が浸透していないので、現金以外使えないところがたくさんあります。地方では大型店以外は現金を持ち歩かないと買い物ができないところがほとんどです。
・いくら使ったかの実感がない
現金派の人がキャッシュレスに抵抗がある理由として、いくら使ったかの実感があまりないため、使い過ぎてしまうという心配があるように思います。また、ネットショッピングなどで簡単に決済できてしまうという点でも、購入のハードルを下げ、使い過ぎにつながる懸念があります。
「現金派VSキャッシュレス派」貯蓄額比較
実際に、現金派とキャッシュレス派ではどちらがお金を貯められるのか、以下の調査結果から見てみましょう。
JCBが行った「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」の中で、キャッシュレス派と現金派の1年間で増やせた貯蓄額の比較をしています。
その結果、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は 87.6 万円で、現金派の平均貯蓄増加額(32.5 万円)の 2.7 倍となりました。
出典:JCB、「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」
2016年と2018年を比較してみると、現金派は3万円減っているのに対し、キャッシュレス派は40.6万円も増えています。
キャッシュレス派はどんな人?
現金派の人とキャッシュレス派の人の属性の違いを見てみましょう。
同調査で「最近、自分はキャッシュレス化している」と答えた人(同意した人)の割合を男女別、年代別で比較しています。
出典:JCB、「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」
この結果で見えてくるのは、男女とも20代では現金派が多く、年齢が上がって収入が増えるに従ってキャッシュレス派が多くなっているようです。
収入が多い人は金額が大きい買い物をする機会も多く、その際、現金を持ち歩くことは現実的ではないので、必然的にキャッシュレスになっていきます。
また、「お金の管理は得意かどうか」を現金派とキャッシュレス派で聞いています。
出典:JCB、「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」
キャッシュレス派の方が得意と答えた割合が多いことからも、元々、貯蓄に対する意欲が高い人がキャッシュレスに移行しているように思えます。
これらの結果からわかるのは、お金に余裕のある人、お金の管理が得意な人ほどキャッシュレス派になる傾向があるので、厳密にキャッシュレス派の方が現金派よりもお金が貯まるとは言えないということです。
しかし、お金を貯めている人にキャッシュレス派が多いという事実は、お金に関するリテラシーの高さと無縁ではないように思います。
日本の現金信仰
一方で、日本では“現金信仰”が根強く、経済産業省がまとめた「各国のキャッシュレス決済比率の状況」によると、韓国89.1%、中国60%、アメリカ45%なのに対し、日本はわずか18.4%となっています。
出典:キャッシュレス・ビジョン 平成30年4月 経済産業省
便利さや安全性を求めて、キャッシュレス化を推進したい人たちにとっては、日本の現状は大きな壁となっていると言えるでしょう。
今の状況下ではすべてキャッシュレスは不可能であり、ケースバイケースで、現金とキャッシュレス決済を使い分ける状況はまだしばらく続くと思われます。
しかし、これから先、世界的に見ても、確実にキャッシュレス化は進んでいくでしょう。現金やキャッシュレスの両方使えるところで現金を使うメリットはなくなるかもしれません。
いかがでしたか?
現金とキャッシュレスのメリット・デメリットを比較してみましたが、総合的に見てキャッシュレスのメリットの方が勝るような気がします。それは時代とともに加速していくはずです。キャッシュレスの便利さを知ってしまうとなかなか現金決済には戻れないものです。