大好きな旦那さんとの赤ちゃんを妊娠し、出産までお腹でゆっくり育てるマタニティの時間は、女性にとって特別で、とても幸せなものですね。しかし、妊娠出産は必ずしも安心安全とは限りません。切迫流産や早産、妊娠高血圧症など、体のトラブルと隣り合わせ。どんなリスクがあるのか、またその治療にどのくらいの費用がかかるのか、じっくりご説明します。
こんなはずじゃなかった!
妊娠出産におこるトラブルとお金の問題
2018年6月18日
妊娠出産でおこるトラブルとは?
女性なら誰でも1度は考えたことがある妊娠や出産について。夫婦の家族計画通りに妊娠し、特に問題なく出産できる人がいる一方で、自分や赤ちゃんにトラブルが発生し、薬で治療したり、入院したりする方がいるのも事実です。
妊婦さんに発生しやすいトラブルと、その治療方法を見ていきましょう。
妊娠高血圧症候群
まずは、妊娠高血圧症候群についてです。これは、妊娠20週以降産後12週までに高血圧を発症した場合におこる症状です。収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上になった場合、高血圧が発症したといいます。
この病気は、妊婦さん約20人に1人の割合で発生します。お母さんには血圧上昇、けいれん発作、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害などを引き起こすことがあります。
またお腹の赤ちゃんは、発育が悪くなったり、胎盤が子宮の壁からはがれて赤ちゃんに酸素が届かなくなったり、場合によっては赤ちゃんが亡くなってしまうことがあるなど、危険な病気です。安静と入院で治療をします。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常のこと。妊娠の早い時期と妊娠中期(24〜28週)に検査を受けます。
妊婦さんの7〜9%は妊娠糖尿病と診断され、特に肥満や糖尿病の家族歴のある人などは注意が必要です。
妊娠糖尿病と診断された方は、食事療法で血糖値を管理します。それでも症状が改善しない場合は、インスリンの注射を打って血糖値を下げる治療が行われます。
切迫早産
赤ちゃんがまだお腹の中で成熟していないにもかかわらず、出産となってしまいそうな状態を切迫早産といいます。具体的に言うと、子宮収縮が頻繁に起こったり、子宮口が開いてしまったり、破水をしてしまった状態を指します。
切迫早産の治療では、子宮口が開かないようにするために、子宮収縮抑制剤を使用します。程度が軽い場合は自宅安静のみでも大丈夫ですが、症状が進んでしまっている状態では、入院して子宮収縮抑制剤の点滴治療が必要となります。
長期入院するとどのくらいお金がかかる?
先ほど挙げた体のトラブルに対応するため、妊娠期間中に長期で入院が余儀なくされる方もいます。長期入院した場合、どのくらいの費用がかかるのかご紹介します。
例えば、妊娠7ヶ月(妊娠24週)で切迫早産と診断されて、病院に入院し、出産ギリギリの36週まで入院したケースをみていきましょう。
この場合、医療費と食費などで、入院費用は1日1万円ほどがかかります。12週間入院した場合、入院費用は合計で約84万円となります。病院にもよりますが、個室を希望したり、保険が効かない投薬をしたりすると、さらに費用が発生することも。
また、赤ちゃんが小さめに産まれてしまったり、体にトラブルがあって、NICU(新生児特定集中治療室)などに赤ちゃんが長期入院したケースなどにかかるお金も確認しておきましょう。
NICUなどの新生児のための設備が整った病院は、一般的に、大学病院などの大きな病院に限られています。医療費を心配する方も多いと思いますが、未熟児養育医療保険制度が適用されれば、自己負担は大幅に減り、オムツ代などの雑費程度に抑えられます。
ただし、この未熟児養育医療保険制度は、自治体によっては一部自己負担額になったり、利用できる範囲が限られています。万が一、赤ちゃんがNICUでお世話になることがあれば、医療機関に事前に聞いてみるようにしましょう。
利用できる制度とは?
妊娠出産にかかる医療費を少しでも抑えるために、国の制度を活用しましょう。
まずは、高額療養費制度です。これは、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給してもらえる制度です。
申請の仕方はこちらをご覧くださいね。
さらに、税負担を軽くすることができる医療費控除制度も活用しましょう。こちらは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、所得控除を受けることができます。
妊娠出産で医療費が多くかかりそうな場合は、これらの制度をしっかりチェックしておきましょうね。
いかがだったでしょうか。実際に自分が妊娠出産を経験してみないと、どのくらいのお金がかかるのか分からず不安になる方もいると思います。事前にしっかりチェックして、計画的にお金を準備することが大切ですね。心身ともに整えて、安心して出産の日を迎えられるようにしましょう。