犬が飼いたい! 猫と暮らしたい!
ペットを飼うことは我々に癒しを与えてくれます。しかし、一方でお金がかかることも忘れてはいけません。最近では“ペット保険”というものが登場していますが、保険料がかかるので、いずれにしても支出していることに変わりはありません。ペットを飼う前に、ペット関連費がどの程度なのか知っておくことはとても大事です。愛情と責任をもってペットを飼えば、心豊かに暮らせるでしょう。
“かわいい”だけでは済みません
ペットに関連するお金の話
2018年6月21日
全国の犬猫飼育数は?
一般社団法人 ペットフード協会の2017年の調査によると、全国の犬猫の飼育数は1,844万6千頭となっており、犬が892万頭、猫が952万6千頭で、今回の調査で始めて猫の飼育数が犬を上回りました。
ここ5年の傾向としては犬の飼育数は減少傾向にあり、猫の飼育数は横ばいとなっています。
犬と猫、どちらがお金はかかる?
アニコム損害保険株式会社が行った、ペットにかかる年間支出調査(2017年)によると、犬にかかる費用は年間44万円、猫は20万円となっています。
ペット保険の契約者に対して行ったアンケートなので、かかった費用が高めになる傾向があるかもしれませんが、猫は犬の半分くらいの費用で済んでいます。
こうしたことが、犬の飼育数が減少傾向にあることの理由の一つかもしれません。
次に具体的に何にどれくらいかかっているのかを見てみましょう。
これだけある“ペット関連の支出”
犬の場合
*初期費用 (3~4万円)
犬を迎えるために必要なアイテムの購入費
*食費(小型犬で3,000~5,000円/月、大型犬で5,000~9,000円/月)
*雑費(1,000円~5,000円/月)
トイレシーツや消臭剤など
*ワクチン・健康診断などの予防費(年3万円前後)
*トリミング代などのケア代(5,000円~10,000円以上/回)
*ペットホテル代(3,000円~7,000円/日)
*電気代(2,000円~15,000円/月)
*ペット保険代(1,000円~10,000円以上/月)
猫の場合
*初期費用(1.5万~4万円)
猫を迎えるために必要なアイテムの購入費
*食費(2,000〜5,000円/月)
*雑費(1,000円~3,000円/月)
トイレ砂や消臭剤など
*ワクチン・健康診断などの予防費(年3万円前後)
*ペットホテル代(3,000円~5,000円/日)
*電気代(2,000円~15,000円/月)
*ペット保険代(1,000円~10,000円以上/月)
※アイペット損害保険株式会社の調査およびアニコム損害保険株式会社の調査結果を元に大まかな数字を出しています。
月の平均費用は?
アイペット損害保険株式会社が行ったアンケート調査によると、ペットにかかる月額の平均費用は、犬が9,751円 猫は6,354円となっています。(中央値は犬7,000円、猫5,000円)
犬の方がトリミングに行く費用や、大型犬にかかる費用などにより、猫よりも高くなるようです。
これらは毎月コンスタントにかかっている費用であり、突発的なことがない場合の支出です。
では、何か突発的なことが起こった場合の費用はどのくらいかかるのでしょうか?
ペットが病気やケガをしたら?
同保険会社のアンケートによると、想定以上にかかった費用の第一位は、「病気やケガの治療費」で全体の4割を占めています。
ペットの場合、健康保険はありませんから、病気やケガをして動物病院にかかった場合の費用は実費となり、膨大な額になる場合もあります。
ペットの年間診療費
*犬の年間診療費(平均額)
超小型犬 67,369円
小型犬 82,682円
中型~大型犬 98,735円
*猫の年間診療費(平均額)
50,405円
※アニコム家庭どうぶつ白書より
これらは軽いけがや病気を含めての平均値であり、たとえば犬が骨折した場合には、20~30万円程かかるとも言われています。
こうした突発的な大きな出費に備えるには、ペット保険が有効です。
ペット保険について
今でこそ当たり前になりつつあるペット保険ですが、日本での歴史は浅く、1995年にはじめて登場しました。スウェーデンやイギリスなどの動物先進国に比べて、遅い始まりもあって、現在のペット保険加入率は8%となっています。
しかし、年々順調に伸びていることから、ペットに関する情報量に加え、責任といった意識の高まりもあるように思います。
保険料は月1,000円前後で加入できるものから、10,000円といった高額なものまであり、今後はさらに多様化、複雑化してくると思います。いくらの保険に入るかは、そのペットの種類や年齢によりますが、一度多額の診療代を取られる経験をすると加入を考えたくなるようです。
ペットを飼うと出る幸せホルモン
ペットを飼うとこれだけの出費があることがお分かりいただけたかと思いますが、それでも、ペットを飼いたいという気持ちに変化がないのであれば、それは“ペットを飼う資格がある人”と言えます。
ペットを飼うと幸せホルモンが分泌されると言われています。これは幸せを感じる時に分泌されるオキシトシンやセロトニンというホルモンが関係しています。
麻布大学獣医学部の研究では、飼い主と犬が目線をあわせると双方で、オキシトシンの濃度が上昇することがわかっています。
※Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bondsより
つまり、愛情の表現である目と目を合わせることで、犬も人間も幸せを感じるということです。
また、猫についても同様に、一緒に生活をすることでセロトニンやオキシトシンが増えることがわかっています。
愛情と責任をもってペットと暮らせば、“幸せになれる”なんて素敵なことですね。