交際費や消耗品費などを経費として処理するためには、領収書が必要になりますよね。特に個人事業主(フリーランス)の場合、記帳業務といえば領収書の管理がメインになるでしょう。しかし、時には領収書が貰えないケースや、レシートしか無いというケースもあります。このような場合、どのように処理すればいいのでしょうか?今回は、領収書の扱い方と領収書が無い時の対処法について、初心者向けに説明していきます。
フリーランスは知らなきゃ損!
領収書がない時に経費で処理する方法
2018年6月3日
そもそも領収書は必要?
領収書の役割とは?
仕事に必要なものには、経費として処理することができます。例えば、仕事用のノートや、打ち合わせ時の喫茶代などは仕事に関係する出費ですよね?そのため、経費として認められるのです。
ただし、経費として処理する場合は、基本的に領収書が必要になります。というのも、経費で落とすには「何を、どのような理由で、いくら払って購入したのか」を証明しなければならないためです。そのための証拠として使えるのが、領収書ですね。
領収書が無いとどうなる?
とはいえ、絶対に領収書が必要ということではありません。あくまで「基本的に」領収書があった方が良いというだけの話で、無くても処理する方法はあります。たまに「領収書がない物は一切経費で落とせない」という人がいますが、これは間違いです。税務署の担当者も、そこまで厳しいことは言わないでしょう。
領収書がない時の対処法
それでは基本がわかったところで、次は領収書がない時の対処法について見ていきましょう。レシートを紛失した時やもらえない時は、どのように処理すればいいのでしょうか?
基本は伝票処理
領収書がない時は、伝票処理をするのが一般的です。伝票処理というのは、「いつ・どこで・何を何のために・いくらで買ったのか」という出金伝票を切っておくことですね。領収書が貰えない、または無くしたという時は、諦めずに出金伝票を切っておきましょう。
【出金伝票に記載する内容】
・支払日
・支払った相手(購入先)
・金額
・出金理由(お金の使い道)
出金伝票を切るときは、上記の4点を記載して保管しておきましょう。伝票処理の経験がないと難しく感じるかもしれませんが、要は「税務署にチェックされても問題のない内容」が書かれていれば大丈夫です。
出金伝票を持っていない人は、100円ショップなどに行けば専用のものが販売されているので、そちらで購入してくださいね。
こんな時に使えます
次のようなケースだと、中には領収書が貰えないこともあります。忘れないうちに伝票処理をしておきましょう。
・冠婚葬祭関係(お香典やご祝儀)
・仕事関係のセミナーや同業者団体会議の参加費
・バス・タクシーなどの交通費
・喫茶店などで打ち合わせをして、代金を割り勘した場合
・有料アプリケーションのダウンロード代金
・レシートが貰えないお店(駅の売店など)で商品を購入した場合
特に、冠婚葬祭時のお香典・ご祝儀や交通費などは、領収書無しのケースがほとんどでしょう。これらに関しては、基本的に伝票処理をします。
また、交通費に関しては毎日出品伝票を切るのではなく、月単位でまとめて処理している会社もあります。
伝票と一緒に保存するもの
出金伝票を保存するときは、できれば伝票だけでなく、他に証拠になるものを用意しておくと安全です。例えば、仕事関係のセミナーに参加した場合は、チケットを。お葬式の香典であれば、案内状なども一緒に保存しておきましょう。
レシートは代わりになる?
レシートでも認められる?
では、領収書でなくレシートを提出した場合も、経費として認められるのでしょうか?200円程度の消耗品などであれば、いちいち手書きの領収書を書くのが面倒に感じますよね。そのため、領収書でなくレシートを使いたいという人も多いでしょう。
結論からいえば、レシートでも証拠になります。実際に確定申告をした人はご存知かと思いますが、レシートのみを提出したとしても、ちゃんと経費として認められるのです。
あえてレシートのデメリットをあげるとすれば、「品名が細かく記載されているので、内容をごまかせない」という点や、「印刷面がこすれて字が消える可能性がある」ということくらいでしょう。つまり、レシートでも十分証拠として機能するのです。前者については、ホワイトな経理をしている人であれば全く問題ありませんね。
ただし〇〇の時は注意!
ただし、数十万~数百万円するような高額商品の場合は、レシートよりも領収書の方が望ましいでしょう。というのも、レシートには「宛名」が無いので、誰が払ったのか証明することができないのです。確実にあなたが払ったという証拠が記載されていないので、税務署から疑われる可能性も高くなります。その点、領収書は宛名が記載されているので、安心できますね。
高額商品をたくさん買って、それらをレシートのみで経費として処理する・・・となると、少々厳しいでしょう。安全に処理するなら、高額商品についてはレシートでなく領収書をもらうことをオススメします。
領収書を紛失した、もしくは領収書が貰えなかったという時は、出金伝票を切りましょう。また、その際には招待状やチケットなど、証拠になるものを一緒に保管しておくと安全です。ただし、伝票処理はあくまで「領収書がない時の例外処理」なので、基本的にはお店の人に領収書を書いてもらってくださいね。