フリーランスや副業など、個人で仕事をするとなると経費について悩む人は多いのではないでしょうか。税金を減らすためにも、仕事に必要なものを買う時はできるだ け経費計上したいところですが、どこまでが経費で落とせるのか境目がよくわかりませんよね。そこで今回は、経費で落とせるものと落とせないものの違いを、初心者向けに紹介します。
個人事業主は要チェック!
経費で落とせるものと落ちないものの違い
2018年5月19日
そもそも経費とは?
自営業者もサラリーマンも、仕事をしている人なら「経費で落とす」という言葉を聞いたことがありますよね。経費とは、事業を行う上で必要になる費用のことを指します。つまり、人を雇うための費用・文房具代・車代などは、仕事に関係するものなら全て必要経費として認められるのです。
ただし、経費として処理するには領収書が必要になります。中には領収書無しで通るケースもありますが、基本的には「支出を証明するための証拠」として、提出しなければなりません。
経費で落とせるものと落とせないものの違い
経費の意味がわかったら、次は「経費で落とせる領収書」と「経費で落とせない領収書」の違いについて見ていきましょう。どのような内容であれば、必要経費として認められるのでしょうか?
経費で落とすためのルール
全ての物が、経費として計上できるワケではありません。経費で落とせるのは「仕事に関係があるものだけ」と決まっています。
例えば、取引先と打ち合わせをするために出張した場合、その時の交通費は仕事に必要なものだと考えられますよね?つまり、経費に計上して問題ありません。具体的には、電車代・飛行機代・タクシー代・宿泊代などを「旅費交通費」として経費に計上することができるのです。
落とせないものの特徴
逆に、仕事に関係ないものは経費として認められません。日常生活で使う物や友人とのカフェ代などは、仕事に関係ありませんよね?そのため、経費として計上することはできないのです。個人事業主の中には「税金を減らすために、仕事だけでなく私用で使ったものも全て経費にしたい」という人がいますが、これはルール違反になります。
もし、経費で落とせるかどうか迷ったときは「この費用は仕事に関係があるのかな?」という視点で考えてみてください。税務署から支出の理由について質問された時に、自信を持って「仕事で〇〇をするために必要でした」と言えるのなら、それは経費として計上できる可能性が高いです。
また、費用の目的が説明しにくい場合は、領収書と一緒にメモを用意しておくと便利です。税務署から質問されたときに、用途を説明しやすくなるでしょう。
どこまでが必要経費なのか?
「仕事に必要な出費であれば、経費に積んでも良い」というルールは、比較的わかりやすいかと思います。問題は、どこまでが必要経費になるのかという点でしょう。
誰が見ても仕事に関係がある物ならともかく、中には曖昧な項目もありますよね?とりわけ、仕事とプライベートの両方で使う物や、一見すると仕事に必要だとわからないものなどは判断に困るかと思います。このような場合は、「必要経費になるもの」と「ならないもの」の境目がわからず、結局のところ費用として計上しないまま・・・という人も多いのではないでしょうか?
そこで、この章では個人事業主(フリーランス)がよく使う勘定科目について、代表的なものをまとめました。業種にもよりますが、下記のようなものなら経費にしても問題ないでしょう。
【フリーランスがよく使う勘定科目】
・消耗品費(封筒・名刺・コピー機やパソコン関係の消耗品)
・事務用品費(筆記用具など)
・旅費交通費(公共の交通機関やタクシー代・宿泊代)
・通信費(インターネットや携帯電話にかかる費用。サーバーやドメイン代も含みます)
・減価償却費(自動車やパソコンなどの償却費)
・広告宣伝費(新聞・チラシ広告)
・接待交際費(取引先と食事代・お歳暮・お中元など)
・諸会費(同業者団体の会費)
・支払手数料(振込手数料)
・支払保険料(保険料全般)
・家賃(事務所の家賃や駐車場料金)
・雑費(その他の細かな経費)
個人なら○○も経費で落とせます
サラリーマンであれば、雑誌や書籍を買ったところで、経費として認められるケースは少ないでしょう。
しかし、フリーランスの場合は別です。仕事に必要だと証明できれば、雑誌代や取材費などの費用として計上することができるのです。意外と知らない人が多いのですが、図書研究費・取材費・外注費などの勘定科目があるので、記帳する時はそちらに入れれば大丈夫ですよ。
目立つ勘定科目には要注意
仕事に関係する費用なら、証拠さえあれば大抵の支出は費用計上することができます。取引先との打ち合わせはもちろんのこと、仕事仲間との情報交換として食事をした費用なども経費にできるので、個人で仕事をしている人は、できるだけ経費を多くした方がお得でしょう。
ただし、「仕事に必要だから」という理由で、むやみやたらにお金を使うのはオススメしません。というのも、特定の勘定科目の金額が多いと、税務署に疑われる原因になりかねないのです。税務署の担当者が帳簿を確認した時に、極端に多い勘定科目があると「なぜ、こんなに費用がかかるのかな?」と疑問を持つ可能性があります。実際には問題のない費用だったとしても、疑われると説明の手間がかかりますし面倒ですよね?
何でも必要経費として処理するのではなく、あくまで常識の範囲内で処理した方が安全でしょう。日ごろから粗の少ない整頓された記帳業務を行っていれば、無用な疑いも避けられます。
経費で落とせるものと落とせないものの違いは曖昧で、中には判断に迷う領収書もあるでしょう。そんな時は「仕事に必要だと説明できるもの」のみを計上した方が安全です。また、あらゆるものを経費で落とすのではなく、常識の範囲内で、バランスよく勘定科目に振り分けましょう。