「不動産投資をやってみたいけど、とてもそんなお金はないし‥」と思ってる人は必見です。今はREITという便利な商品があるのです。正確には“不動産投資信託”となりますが、実物不動産投資のように、購入した不動産の売買益や家賃収入が利益となり、それを投資家に分配します。10万円程度から購入できる上に、維持や管理などの手間がありません。不動産投資は怖いけど、興味があるという人はまずはREITで始めてみるといいかもしれません。
10万円で不動産投資ができる?
REIT(リート)について知っておこう!
2018年4月4日
不動産投資信託(REIT)とは?
REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略で、アメリカで始まりました。日本の場合はJapanのJを付けて「J-REIT」と呼ばれています。投資家から集めた資金で不動産に投資し、その賃料収入や売買益などを投資家に分配する投資信託です。
実物不動産に投資するとなると、少なくても1000万円以上はかかりますが、J-REITなら10万円くらいから買うことができます。
J-REITの仕組み
J-REITは不動産投資法人という会社のような組織を持ち、そこで株式にあたる「投資証券」を発行し、投資家がそれを購入することで資金を集めます。そしてその資金で不動産に投資し、賃料収入や物件の売買で得た収益を投資家に分配します。
また、金融機関から融資を受けたり、社債にあたる「投資法人債」を発行して、資金調達をすることもあります。
市場で取引ができる
J-REITはファンドの仲間ですが、株や債券とは違い、不動産という性格上、流動性は低くなります。そのため、証券取引所に上場することで流動性を確保しています。
取引の方法などは上場株式と同様で、株価にあたるのが投資証券の価格となり、投資家の需要と供給によって決まります。
分配金は多め?
株式会社の配当金にあたるものが、J-REITの分配金です。年に2回分配金を受け取れるものが主流です。
株式会社であれば、会社の利益に対して法人税がかかり、残りを原資として、配当金が支払われますが、J-REITの場合は、利益の90%超を配当すると法人税が実質的に免除されるため、利益の大部分を分配金として投資家に支払っています。そのため、一般的に利回りがよいとされています。
REITってどうやって選ぶの?買うの?
REITがどのようなものかがわかったら、次に、どのREITを購入するのかを決めなくてはなりません。
単純に分配金の利回りだけを見て買う方法もありますが、株の銘柄を選ぶように、投資対象不動産の種類などを見て買うと、より不動産投資としての実感が得られるでしょう。
REITの種類
まずは二つに大きく分けられます。
単一用途特化型リートと複数用途型リートです。
*単一用途特化型リート
・オフィスビル特化型
・住居特化型
・商業施設特化型
・物流施設特化型
・ホテル特化型
*複数用途型リート
・複合型リート(2つの用途の不動産に投資)
・総合型リート(3つの用途、または用途を限定しない)
たとえば、商業施設特化型なら、イオンリート投資法人、ホテル特化型であれば、星野リゾート・リート投資法人、総合型リート(オフィス+商業施設+住居)であれば、森ヒルズリート投資法人などがあります。
“あこがれの不動産に投資している”というだけでも気分がいいものです。
数値にも注目!
利回り以外の数値で特に参考にしてほしいものに、NAV(Net Asset Value)があります。
これは、株式で言う「株価純資産倍率(PBR)」のような値です。NAV倍率は、REITの市場価格が一口あたりの純資産額の何倍かを表したもので、1が適正価格となり、1より大きければ割高、1より小さければ割安となります。各投資法人のHPで確認できます。
REITの買い方
買い方は株式を買う方法と同じです。證券会社に口座を開設して売買します。指値注文や成行注文ができたりと売買ルールもほぼ同じです。
株式と違う点は売買単位です。株式は銘柄ごとに売買単位が違いますが、REITの売買単位はすべて一口となっているため、わかりやすいのが特徴です。
REITの注意点とは
ここまで見てきて、REITで投資をしてみたい!と思っても、いくつかの注意点も頭に入れておいてほしいと思います。
元本保証はありません
すべての投資がそうですが、REITも元本割れを起こすリスクがあります。不動産評価額の変動や、証券取引所に上場しているため、株式と同様に市場リスクにさらされます。
過去の分配金水準の保証はありません
不動産市況の悪化や解約などにより、賃料収入が下落すれば、分配金に影響を及ぼします。直近の分配金利回りが良かったというだけで購入しても、銘柄によっては変動が大きい場合などがあり、必ずしも安定的に分配金が支払われるわけではありません。
不動産特有のリスクがあります
実物の不動産が投資対象となっているため、自然災害や事故などによって、滅失したり、毀損した場合など、REITの価格に影響を及ぼします。
上場廃止のリスクがあります
不動産投資法人は会社と同様に倒産するリスクがあります。その場合、上場廃止となり、売買ができなくなります。さらに、投資金額の全部又は一部について回収できない可能性があります。
投資に絶対はありません。REITもひとつの金融商品であることを頭に入れて、不動産投資の第一歩として、あるいは分配金利回りの高さを期待してREITを買ってみるのもいいかもしれませんね。