30代は、結婚や出産、マイホーム購入などライフスタイルが大きく変わる時期でもあります。今は仕事が楽しくてそんな予定がない……という人も、いざその時になって貯金ができていなかったら困ります。世の中の30代がいくら貯金をしているのかも気になるところでしょう。今回は、30代の平均貯蓄額を参考に、上手なお金の貯め方をお伝えします。
30代の平均貯金額は?
これからいくら貯めたらいい?
2022年1月31日
30代、みんなどれくらい貯金している?
お金のことは、なかなか人に聞きにくいもの。そこで気になるのが「他の人はどれくらい貯金しているのかな?」ということでしょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査〔単身世帯調査〕(令和2年)」によると、30代の金融資産保有額の平均値は327万円、中央値は70万円となっています。
この結果を見てどう思いましたか?
「平均値」と「中央値」の金額が大きく違っているのに気付いたことでしょう。
「平均値」と「中央値」違いは?
「平均値」は、全ての貯蓄額を合計して人数で割ったものをいいます。もし、一部に多額の貯蓄をしている人がいた場合、大きい金額に影響される傾向があり、人によってはかけ離れた数字になることがあります。
一方「中央値」は、データを小さい方から順番に並べた時に真ん中にくる値のことをいいます。どちらかというと、平均値より現実的な数字になるといわれています。
それを踏まえて先ほどの貯蓄額を見ると中央値は70万円でした。
ただし、このような統計データでは、アンケートに答えた人数やその人のおかれた状況によって、数字が大きく変わることがあります。
これらの数字に一喜一憂するのではなく、自分の貯金の目的を明確にし、そのためにはいくら貯金をしていけばいいのか計画を立てることが大切です。
これからのライフイベントの予算は?
一般的に30代になると、さまざまなライフイベントが予想されます。
今はバリバリ仕事をしていて結婚する予定がない、という人もいるでしょう。でも、この先もし結婚することになった場合、結婚費用や出産費用など大きな支出を伴うことがあります。
それぞれのライフイベントにはいくらお金がかかるのかをみておきましょう。
結婚費用
株式会社リクルートパートナーズ公表「ゼクシィ 結婚トレンド調査2021」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は292万3,000円で、昨年の調査から70万円減少となりました。これは新型コロナウイルス感染症の影響により、「招待・参加人数を縮小して実施した」と回答した割合が7割以上にのぼることが原因だと思われます。
一方、結婚におけるご祝儀総額の平均は176万8,000円となっているので、新郎新婦で負担しないといけない金額は約115万です。それを折半すると57万5,000円ということになりますね。
親に援助を受けられたり勤務先からお祝金がもらえたりする場合もありますが、ある程度は自分で準備しておくと安心でしょう。
出産費用
公益社団法人国民健康保険中央会発表「出産費用 平成28年度」によると、正常分娩の平均的な出産費用は約50万円です。
原則として健康保険から42万円の出産一時金を受給できますが、出産前にベビー用品を揃えるなど、まとまったお金が必要になることが予想されます。
教育資金
子どもが生まれると、必ず必要になるのが教育資金です。
教育資金は公立か私立か、理系か文系か、自宅通学かひとり暮らしかなどによって大きく違ってきます。幼稚園から大学まで全て公立の場合でも約1,000万円必要になります(出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」、文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」より筆者計算)。
子どもが生まれたら少しでも早く、コツコツ準備をしていくことが大切です。
住宅資金
30代になると、結婚する・しないに関わらず、このまま賃貸で暮らすのか、マイホームを購入するのかを考えることもあるでしょう。
マイホームを購入する場合、「家賃分を住宅ローンに充当できる」と考えるかもしれませんが、頭金として物件価格の10%と、諸費用として物件価格の5%~10%は準備しておきましょう。
お金は目的別に貯める
効率よくお金を貯めるには、それぞれのライフイベントに向けて目的別に貯金をしていくことが大切です。
まずは、自分のライフプランを考えていきましょう。
例えば、
・5年以内に結婚予定。
・子どもは30代のうちに2人産みたい。
・子どもが小学生になる頃にはマイホームが欲しい。
など、今正確にわからなくてもかまいません。
そして、それぞれの目的別に貯蓄をしていきます。
「いつ」「何に」「いくら」のお金がかかるのかを明確にすることで、
「5年後に必要な結婚資金は、銀行の積立定期で準備していこう」
「子どもの教育資金はつみたてNISAでコツコツ貯めていこう」
「マイホーム資金は勤務先の財形住宅貯蓄で準備していこう」
など、目的に合った貯蓄をすることができるようになります。
平均貯蓄額はあくまでも参考程度として捉え、自分のライフプランに合った貯蓄をしていってくださいね。
※本ページに記載されている情報は2021年12月15日時点のものです。