さまざまなモノが値上がりし、節約に努めている人は多いはず。でも、このインフレ状態が今後も続くとすれば、細かな節約だけでなく、家計管理の仕方をガラリと見直しすることが望まれます。自分に合った見直し方法でインフレに負けない家計を築いていきましょう。
インフレ時代の家計の見直し
いますぐできる対策4選
2022年12月1日
一時しのぎの節約よりも家計の見直しが大切
この記事を読んでくださっている人のなかには「貯め上手さんはみんなやってる家計のやりくり黄金比率とは?」の記事で紹介しているように、家計の費目ごとに予算を決めて支出管理をされている人も多いと思います。食料品や日用品、光熱費の高騰が続くなか、できるだけ安い食材を買ったり、おやつを買うのを減らしたり、電気をこまめに消したりなどと、予算内に収まるようにさまざまな工夫や節約をされているのではないでしょうか。
総務省が発表した2022年9月分の消費者物価指数は、1年前の同月(2021年9月)と比べて総合的に3%の上昇ですが、費目別では食料品が4.2%、家具および家事用品は6.6%、光熱・水道費が14.9%となっており、おそらく多くの人が知恵と工夫で日々の買い物や暮らしのなかで節約を実行しているでしょう。
ただ、消費者物価指数(総合)を見ると、前月(2022年8月)と比べて0.4%、前月(2022年8月)もその前月(2022年7月)に比べて0.4%、その前月も0.5%……というように毎月のように上昇しています。この先どうなるのかはわかりませんが、このインフレ状況が継続するなら節約だけでは間に合わず、貯蓄に回すべき分を支出に充てることになってしまう、あるいはすでに貯金ができなくなっているという人もいるかもしれません。
しかし、インフレだから各費目の予算を守れないという事態は避けなければなりません。そこで、家計全体の見直しをしてみましょう。
家計見直し前のチェックポイント
家計全体の見直しをする前に、心がけておくポイントを確認しておきましょう。
支出は可処分所得の7~8割以内に抑える
昨今のように、食料品やエネルギー代など、特定の費目の上昇に応じてその時々で家計の見直しをすることは大切ですが、家計支出全体の割合はできるだけ変えずに維持しましょう。冒頭で紹介した記事でも述べていますが、最低でも家計の2割は資産形成に回しましょう。これまで3割は貯蓄していたという人は、これからもその割合を維持できるように努めましょう。
最低でも生活費の6ヵ月分以上の貯蓄を確保しておく
支出が増えて貯金ができなくなったから投資でお金を増やそうと考える人もいるかもしれません。インフレ時にはお金の価値が目減りしますから、筆者自身も将来の資産形成に向けた投資をおすすめすることはよくあります。でも、だからといって投資はあくまで余裕資金で行うという基本ルールを忘れてはいけません。コロナ禍で多くの人が感じたように、私たちの暮らしはいつ・どんな形で変わるかわかりません。もしも収入が途絶えてしまったら、という事態に備えて最低でも生活費の6ヵ月分の貯蓄は緊急予備費として確保しておきましょう。6ヵ月~1年分あると理想的です。
家計の見直しに向けていますぐできること4選
ここからは、家計見直しのために今すぐできることを4つ紹介します。
家計簿をつける
家計簿をつけることで自分が何に・いくらお金を使ったのかを確認できます。そのため、使途不明金を無くしたり、自分の消費行動を把握したりすることができます。
インフレ時には、自分の消費行動を把握することが役立ちます。たとえば、お米やパスタ、お茶など、物品ごとに1ヵ月、半年など一定期間に必要な消費量を把握しやすくなるため、セール時にまとめて必要な分を買うことができたり、逆にセール価格に踊らされたりすることがなくなります。また、家計簿を継続してると物品ごとの相場をつかめるようになりますから、いま買うことが賢明かどうか考えることもできるでしょう。
スマホ料金を見直す
家計の削減を目指すには、固定費から削減していくのが有効です。その取っかかりとしてスマホ料金の削減にトライしてみましょう。
スマホ料金を削減するためには、現在の契約に有料オプションがあれば解約する、契約プランを見直しデータ通信料を減らすなどがありますが、スマホ契約の乗り換えもおすすめです。
政府の働きかけによって、SIMロック解除やMNP(番号持ち運び制度)にかかる手数料の無料化(ウェブ申込みの場合)、違約金の撤廃などが実施されています。キャリア各社が提供しているサブブランド(オンライン専用の割安プラン)や格安スマホへの乗り換えがしやすくなっていますよ。
窓・ドアの断熱をする
光熱費の上昇かつ秋冬の訪れという状況で、家計を圧迫しそうな暖房費への対策が望まれます。窓やドアの断熱をしてみましょう。
断熱対策のひとつとして、高断熱窓・ドアを設置する方法があります。窓やドアを替えるとなると初期費用がかかりますが、自治体によっては補助金を支給してくれるところもあります。自分の自治体が実施しているかどうか、条件とともに確認してみましょう。高断熱窓・高断熱ドアへの改修となると、住宅(戸建・マンションなど)の所有者だけだと考えがちですが、東京都のように賃貸住宅居住者(※)に対しても補助するところもあります。
(※)高断熱窓・高断熱ドアへの改修について家主の許可を得ていることが条件です。
自治体補助がない、条件が合わない、補助を受けても費用が出せないという人は、ホームセンターなどで売られている断熱シートを貼るのも有効です。ほかにも、エアコンを使用している人は、羽を下向きにしてみましょう。熱は上へ上がりやすいため、下向きにすることでエアコンの設定温度を上げずにすみます。
教育費、習い事の見直し
習い事や塾に通っている子どもがいる人は、親子共に本当に希望している習い事(塾)かどうか見直してみましょう。みんなが行っているからなどという理由で無理して通っているものがあれば、思い切って止めてしまうことも大切です。
わかっていたけど、「やってなかったこと」を実行しよう
上で紹介したもののなかには、この「貯金美人になれるお金の習慣」コラムのなかですでに紹介しているものもあります。コラムを読んでくださっている人のなかには、頭ではわかっているけど実行していない、という人もいるかもしれませんね。急速にインフレが進んでいる今だからこそ、「わかっている」を「実際にやる」に変えましょう。
(※本ページに記載されている情報は2022年11月5日時点のものです)