多様な働き方が認められる現在、副業を容認する企業も増えて、さまざまな形で副業を始める人が増えました。そこで気になるのが確定申告です。2021年度の確定申告のルールは大きく変わりました。ここでは青色申告を中心に、今年の確定申告の注意点について解説します。
必見!大きく変わった確定申告のルール。みんなが気になる「ネットの副業」と「税金」!
2022年2月10日
手軽になった確定申告
2021年度の確定申告で一番変わったのは、スマホによる確定申告機能が充実したこと。特徴を3つあげてみます。
1.スマホで確定申告できる対象範囲が増えました
2.源泉徴収票の入力が、スマホで撮影するだけで楽に
3.マイナンバーカードを、スマホで読み取って、e-taxが簡単になりました
失業した。転職した。医療費控除や、ふるさと納税の控除を受けたい。災害で被害を受けたなど、「確定申告をしたいけれども、書類を作るのが大変」と思っている方にとっては、確定申告がとても楽になりました。
えっ!副業に税金がかかるの?
コロナ禍で「おうち時間」が増えて、ネットで副業する人が増えました。
ネットオークション・ハンドメイド・Webライター・イラストレーター・ポイ活など、副業の種類は豊富。
スキマ時間で、簡単にお小遣い稼ぎができる。これは楽しい。どんどん稼いじゃえ!
……ちょっと待って。税金、どうしますか?
「えっ!副業で稼いだお金に税金がかかるの?」と思った人もいるかもしれませんが、副業で稼いだお金に必ず税金がかかるとは限りません。
副業で稼いだけれど確定申告が必要なの?
税金は「課税所得」に対してかかります。計算式は
課税所得=収入-収入を得るために必要になった経費
課税所得が20万円以下ならば、サラリーマンは確定申告する必要がありません。
ただし、確定申告するかしないかのボーダーライン、雑所得の20万円は、月額に換算すると16,667円(端数四捨五入)。調子に乗って稼いでいると簡単に超えてしまう金額です。
「今は、なるべく税金を払わないで副業で稼ぎ続けたい。でも、いずれは副業を本業にしたい」とお考えの方には「青色申告」をおすすめします。
節税効果が大きい青色申告…税金が返ってくることも
青色申告は、正しい方法で記帳を行う人が特別な控除を受けられる制度です。
計算式は
課税所得=収入-収入を得るために必要になった経費-青色申告特別控除(10万円または55万円、65万円)
課税所得が減るので税金が安くなります。
青色申告特別控除は、定められた帳簿をつけると10万円。複式簿記の帳簿をつけると55万円。複式簿記の帳簿をつけてe-Taxで確定申告すると65万円の控除となります。
年末調整をした後のサラリーマンが確定申告をすると、源泉徴収されていた所得税が還付されることもあるので、副業による所得の多い人はぜひ、65万円の控除にチャレンジしてください。
青色申告者になるには?
税金が安くなる青色申告制度。青色申告者になるには一定の条件を満たせばそうむずかしいことではありません。まずは
「青色申告承認申請書」と「開業届」を税務署に提出しましょう。
問題なのはタイミングです。
開業日が1月1日から1月15日までの場合は3月15日、開業日が1月16日以降の場合は、開業から2ヵ月以内に届出書を税務署に提出しましょう。
そのタイミングを逃すと、青色申告者になるために、次の確定申告まで1年待たなければいけなくなります。
もし「青色申告承認申請書」と「開業届」を提出しなかった場合は、白色申告で確定申告をすることになります。所得が多いため、控除額が多い方がいいという方には青色申告をおすすめします。
令和4年度に大変化!みんなが気になる「電帳法」って何?
ちょっと注意しておきたいのは、令和4年1月1日からスタートする「改正電子帳簿保存法(電帳法)」。メールで受け取った請求書やダウンロードした領収書などの電子取引データを紙に印刷して保存することが原則禁止になり、帳簿などの電子取引データは、決められた要件を満たす形で保存することが求められます。
「そんな難しいことできない」と不安になったあなた、大丈夫です。青色申告ソフトには「改正電子帳簿保存法」に対応したものがたくさんあります。
初心者も安心!クラウド型青色申告ソフト3選
初心者におすすめの青色申告ソフトは、万が一、パソコンにトラブルが起きてもデータが消失しない「クラウド型」のソフトです。
ここでは、e-Taxに対応した、使いやすいことで定評のあるソフトを3つご紹介しましょう。
1.クラウド会計ソフトfreee 確定申告ソフト
初心者が苦手なデータ取込や、仕訳を自動化して経理業務を効率化。セキュリティーもしっかりしています。
2.やよいの青色申告オンライン
業務に精通したスタッフが在籍するカスタマーセンターが自慢。メール・電話・チャット・画面共有など、さまざまな方法でユーザーをサポートしているので、トラブルがあった時も安心です。
3.マネーフォワード クラウド確定申告
ネットバンク・クレジットカード・電子マネー・ショッピングサイトなど、業務に必要なお金の流れを相互に関連付けることができて、日々の明細データを自動で取得。自分で入力しなくていいのでとても楽です。
AIを活用した自動仕訳機能があったり、スマホでレシートを撮影するだけでデータを入力できたりする便利な機能が満載。サポートが充実しているので、初心者でも安心です。
これからも副業で稼ぎたいなら、ぜひ青色申告を!
青色申告は最大65万円の控除が使えます。せっかくはじめた副業に、税金がたくさんかかるのは嫌ですよね。税務署への届け出や正式な記帳などで、少々手間はかかりますが、どんどん稼いでも税金が安くて済む青色申告をおすすめします。