女性だけでなく男性も利用できる育休。
育児・介護休業法の改正で、2022年からさらに取得しやすくなりそうです。
育休を取得すると社会保険料も免除になることをご存じでしょうか。
男性の育休取得についてわかりやすくざっくりとご紹介します。
【男性のための育休ガイド】
男性も育児休業給付金がもらえて社会保険料免除も!
2022年1月20日
育休はどんな制度?
取得期間が女性と異なる
女性には、産休と育休があります。男性は、育休を取得できます。制度の内容が細かくわかりづらい面もあるため、男性の育休のポイントを簡単にざっくりとご紹介していきます。
・育休を取得できる期間が女性と異なる
(男性の場合、原則は出産当日から子どもの1歳誕生日前日までの最長1年間)
・保育園に入園できないなどの理由がある場合に2歳まで延長できる
基本的には、男性も女性も育休を取得できる期間は1年間です。しかし、配偶者の健康上の問題や子どもの保育園の待機などの理由があると、期間を延長できます。また、後に詳しく紹介しますが、共働き夫婦がパパ・ママ育休プラスという制度を利用すれば、1歳2ヵ月まで延長できます。
男性は2回に分けて取得できる
男性の育休のポイントを、続けて見ていきましょう。
・男性の場合のみ、子どもの出生後、8週間以内に取得し、かつ終えれば2回目も取得できる(女性は2022年1月時点で1回のみ)
・配偶者が専業主婦でも取得可能
・配偶者が育休中でも(同時に)取得できる
子どもが生まれてから8週間以内に取得し、育休期間を終えると、男性の場合は2回目の育休を分割取得できます。パパ休暇という制度です。
なお、詳しい説明は後にしますが、2022年10月からは出生時育児休業(産後パパ育休)も始まります。もともと出産当日から男性も育休を取得できますが、通常の育休とは別枠で、配偶者の産後まもなくの大変な時期に育休を取りやすくなる改正です。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000838696.pdf)
パパ・ママ育休プラスって何?
男性の育休は、配偶者が専業主婦でも取得できます。また、配偶者も仕事をしている共働き夫婦の場合には、パパ・ママ育休プラスも利用できます。パパ・ママ育休プラスの主なポイントは下記のとおり。
・パパとママ両方が育休を取得すると使える制度
・育休期間が1歳から1歳2ヵ月まで延長される
・パパとママの育休期間はそれぞれ1年間
・育休取得の開始日が子どもの誕生日前の場合に使える
・育休開始日が遅いほうの配偶者が使える
育児休業給付金はどうなる?
最大で給与の67%
育休中は、会社から給与をもらえなくても要件を満たしていれば雇用保険から育児休業給付金をもらえます。非課税の給付金です。育児休業給付金は最大で給与の67%。67%の期間は半年で、半年間を過ぎると50%になります。パパもママもそれぞれ半年間は67%給付される仕組みです。
さらに、育休中は、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)も免除になります。これにより手取りが増え、育休中の収入ダウンを大分おさえられます。育児休業給付金が給与の67%のとき、手取りで考えるとおよそ8割となります。
年金額は下がらない
なお、社会保険料免除ということは、納付しなくてもしたものとされるということであり、将来の年金額が下がるわけではありません。安心しましょう。
現行の制度では、社会保険料免除の条件が月末時点での育休取得とされているため、月途中の取得の場合に社会保険料を免除してもらえない問題がありました。しかし、2022年からの育児休業法改正で改善される見込みです。
2022年4月からどうなる?
育休が取りやすいように改正される
2022年4月から育休制度が変わります。育休をより取得しやすくするための改正です。主なポイントは下記のとおり。
・育休の申し出期間が1ヵ月前から2週間前までと柔軟になる
・常時雇用労働者1,000人超の事業主が育休取得状況公表を義務づけられる
・2回分割取得をしやすくなる
・育休を取得しやすい雇用環境整備が事業主に義務づけられる
・有期雇用労働者の育休取得要件が緩和される
2022年10月からの改正で男性は最大4回までの分割取得が可能に
2022年10月からさらに育休制度が変わります。1歳未満の子について、(特別な理由などなくても)原則2回まで育休取得できるようになります。また、保育園に入れないなどの理由がある場合は、3回目以降も育休取得できます。
さらに産後パパ育休(出生時育児休業)が始まり、子の出生後8週間以内(女性の通常の産休期間)であれば、4週間まで取得できます(2回までの分割も可能※)。このときの給付金の割合も67%です。
※分割取得する場合は原則、初回の申し出のときにまとめて申し出る必要がある、通常の育休ではまとめて申し出る必要がないため扱いが異なる点に注意
通常の育休と産後パパ育休を合わせると、男性は4回の分割でも取得できることになります。
男性が2回育休を取れるパパ休暇制度は、2022年10月の改正によりなくなります(改正で分割取得できるようになるため)。
男性の育休取得の割合は、女性に比べるとまだまだ低いものの、増加の傾向にはあります。政府は、令和7年に男性の取得率が30%以上となることを目指しています(令和2年時点の取得率は13%)。家族の幸せな時間のために、夫婦で楽しく話し合いながら育休の取得プランを立ててみてはいかがでしょうか。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)
※本ページに記載されている情報は2021年12月21日時点のものです