ライフプランの中でも「結婚」「出産」は、女性にとって大きなターニングポイントになるイベントです。その時に、今の仕事をどうしたいのか、その後の働き方をどうしたいのか、女性なら誰しも考えたことがあるはずです。ライフプランを思い描く上で、助けになる支援制度はたくさんあります。それらを知って上手に利用することで、あなたらしく幸せな人生を歩めると良いですね。
【結婚後・出産後】
あなたらしい働き方を応援する支援制度について
2020年10月19日
「結婚」「出産」は女性の二大ライフイベント
学校を卒業すると、就職し社会人になります。仕事をする上で、人事異動や転勤などはもちろんありますが、女性が「転職したい」「働き方を変えたい」と思うのは、「結婚」や「出産」が脳裏に浮かんだ時ではないでしょうか。
今すぐに「結婚」「出産」するわけではなくても「もし結婚したら」「もし子どもを産んでママになったら」という状況を思い浮かべて、将来設計をシミュレーションしたことは誰しもあるはずです。
男女雇用機会均等法が施行され約35年が経ち、女性の社会進出は施行直後と比べれば随分進みました。結婚後・出産後も仕事を続ける女性は当たり前になっています。
だからこそ、女性にとっての二大ライフイベントである「結婚」と「出産」の後も、あなたらしい働き方を応援してくれる支援制度を上手に活用して、キャリアを中断させることなく社会に貢献して欲しいと思うのです。
「結婚」を応援する支援制度
結婚新生活支援事業
国と自治体が、新婚夫婦1世帯あたり最大30万円を、結婚に伴う費用(引っ越しや家賃費用など)として応援してくれる制度です。
支給条件は、
・この制度を実施する自治体に住民登録し、同居していること
・世帯所得が340万円未満であること
・夫婦共に婚姻日の年齢が34歳以下であること
内閣府の少子化対策によると、来年度には支給額が最大60万円に、支給条件も世帯所得が480万円未満で年齢が39歳以下に緩和されるとの方針も出ています。
特定優良賃貸住宅制度
「特優賃」と言われており、国と自治体が、ファミリー層向けに家賃の一部を補助してくれる制度です。
最長20年、家賃を補助してもらえるだけでなく、礼金や仲介手数料・更新料もいりません。
世帯年収の入居条件があり、この金額は自治体によって異なるので、現在の居住地、もしくは結婚後に居住しようと考えている自治体のHPなどで確認しましょう。
結婚お祝い金
勤務先の会社が福利厚生の一環として結婚お祝い金を設けている場合や、会社や個人的に加入している健康保険組合、厚生年金基金、共済、生命保険などに、結婚お祝い金がある場合もあります。
各種申請手続きの方法を確認したり、支給期間が「入籍後〇ヵ月以内」と決まっている場合もあるので、早めに申請しましょう。
この他にも、結婚して配偶者になった場合や結婚退職した場合に、年末調整や確定申告で「配偶者控除」の対象となり、今まで納めていた税金が戻って来る場合もあります。
「出産」を応援する支援制度
出産手当金
会社員や公務員本人が、勤務先の健康保険から受け取れるお金です。自営業の方は対象外です。
支給の目安は
・出産日以前42日と出産日後56日の合計98日分の内、産休した日数分
・給料の約3分の2
退職した場合でも、健康保険に1年以上継続して加入していたなどの条件が当てはまれば支給対象になります。
育児休業給付金
1年以上働いていて、育児休業後、復職することが前提の会社員や公務員本人が、雇用保険から受け取れるお金です。自営業の方は対象外です。
支給の目安は、
・子どもが満1歳の前日までに育休した日数分
・180日目までは給料の約67% 181日目からは給料の約50%
ただし、満1歳後も、保育所などの受け入れ先が決まっていないなどの理由がある場合、支給期間の延長が認められる場合もあります。
出産育児一時金
会社員、公務員、自営業に関わらず、健康保険に加入している本人が受け取れるお金です。
支給の目安は
・妊娠4ヵ月以上の出産
・子どもひとりにつき42万円(双子なら84万円)
退職して6ヵ月以内の出産で、健康保険に1年以上継続して加入していれば支給対象になります。
家族出産育児一時金
会社員や公務員の妻が出産した場合に受け取れるお金です。自営業の方は対象外です。
前項の「出産育児一時金」とどちらか一方だけの支給です。
支給額は、子どもひとりにつき42万円(双子なら84万円)です。
出産お祝い金
勤務先の会社が福利厚生の一環として出産お祝い金を設けている場合や、居住地の自治体に出産お祝い金がある場合もあります。
申請手続きの方法を確認して、早めに申請しましょう。
この他にも、妊娠から出産にかかった費用(妊婦定期健診費、入院・分娩費、通院用の電車やバス・タクシー代など)が確定申告で「医療費控除」の対象となり、今まで納めていた税金が戻って来ます。
「知ること」と「利用すること」は違う?
「結婚」や「出産」を応援してくれる制度をお伝えしました。これらは、今すぐに利用したい人だけに必要な情報なのではありません。
「今は結婚したいと思わない」「今は子どもを産みたいと思わない」という人ももちろんいるはずです。
そんな人たちも、この先、世の中の動向や、環境や心境の変化で、思い描くライフプランや働き方が変化する可能性は十分考えられます。あなた自身の事だけでなく、あなたの大切な兄弟姉妹や親友たちが、結婚後・出産後の働き方で悩む事もあるかもしれません。
そんな時のためにも、これらの制度を「知っておくこと」が何より大切なのです。
(※本ページに記載されている情報は2020年10月19日時点のものです)