コロナ禍で、収入が減ったという方もいるでしょう。中には税金の支払いもしんどいという方がいらっしゃるかもしれません。しかし、税金を未納のままにしておくと大変なことになります。税金の納付について気を付けてほしいこと、知っておいてほしいことをお伝えします。
税金を払わないとどうなるの
その対処法
2020年7月31日
税金を払わないとどうなるのか
給与所得者の場合は所得税、住民税が給与から天引きされてしまいますが、個人事業主の場合は自分で支払い手続きをしないといけませんし、住宅を持っていたら固定資産税、自動車を持っていたら自動車税などがそれぞれかかってきます。
こういった税金を支払わなかった場合、以下のような手続きが行われます。
督促状
期限までに税金を払わなかった場合、まず支払期限から20日以内に督促状が送られてきます。この時期までに支払いを済ませることができれば特に問題はありません。
催告書
さらに2度目の督促状が送られますが、これも無視していると、今度は催告書が送られます。これには発生している延滞金額や、税金が支払われなかった場合、財産の差し押さえがある旨などが書かれています。未納によって延滞税が発生し、財産調査が始まっていることが分かります。
差し押さえ予告通知書
催告書も何度か送られてきますが、それも無視した場合は差し押さえ予告通知書が送られてきます。これは、いついつまでに支払いが確認されない場合は差し押さえを実行しますという通知です。
差し押さえ
通知書も無視した場合、給与や銀行口座の差し押さえ、あるいは自宅、自動車、その他贅沢品などが差し押さえられます。差し押さえたものは現金化され滞納した税金に充当されるため、戻ってくることはありません。さらに、差し押さえに抵抗するような行為があった場合には、刑法が適用されます。
払えない場合、どうしたらいいのか
ただし、払えなかったからといって、必ず上述のような流れになるわけではありません。税金を支払わなければいけないのに、何もしなかった場合、このような流れになるということです。
災害や病気などによって支払いが難しくなった場合は事情を汲んでもらえますし、場合によっては減額や免除をしてもらえます。
大事なことは、きちんと相談することです。
どうしても支払いが苦しい場合には以下のような方法があります。国税か地方税か、また管轄する行政窓口によって対応が異なる場合がありますので、必ず問い合わせ、相談をしてみましょう。
納期限の延長
災害などが発生した場合、支払期限が延長されることがあります。支払期限までに納税すればよいので、この間の延滞税は発生しません。延期される期限は行政やその時の事情によって異なります。
支払い猶予
財産が災害や盗難に遭ったり、本人や家族が病気になった場合、事業に大きな損失があったり廃業した場合、おおむね1年間支払いが猶予されることがあります。猶予される金額が100万円を超えるような場合には、担保を求められることがあります。
支払いの減免
災害により被害を受けた場合、失業した場合など、支払額が減額あるいは免除されることがあります。減免割合は所得金額や預貯金、家族構成などによって全額免除、5割減額などと決められています。
分割納付
いっぺんに支払うのが難しい場合、分割して支払うことが認められる場合があります。ただし、これは内容によります。通常は支払い猶予が優先され、それでも支払いが困難な場合に相談に応じてもらえることがあります。
他に猶予できるものを探す
災害などの場合には、国民年金の保険料も減額や免除になることがあります。少しでも支払いを少なくすることで税金の支払いに対応できるかもしれません。
なお、参考までに申し上げておくと、新型コロナウイルスの影響によって納税が困難な方については、1年間の納税猶予措置が取られており、この間は延滞税もなく、担保もいりません。
対象となる方は、事業などの収入が前年同期より概ね20%以上減少していて、一度に納税を行うことが困難な方。対象となる国税は、所得税、法人税、消費税など、ほぼすべての税目です。
申請期限は令和2年6月30日または納税期限いずれか遅い日となっています。
「納税期限が過ぎている」「申請期間が終わってしまった」という場合でもそのままにせず、税務署や行政機関に一度相談してみてください。きちんと支払う意思を見せれば様々な措置を取ってもらえます。
また、納税に必要なお金を作るために財産を処分しなければいけない場合があるかもしれません。その場合には、一人で考え込んだり、早まったりせずに、きちんと専門家に相談して、適切な対応の仕方を教えてもらってからにしましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年7月14日時点のものです)