子供は遊びなどに夢中になっていると、物を壊したりするなどトラブルを起こすことがあります。こうしたトラブルに備えられるのが、個人賠償責任保険です。トラブルによっては、謝って済むものもあります。しかし、中には高額な損害賠償責任を負う事態に発展することがあり、子育て家庭を中心として加入者が増加傾向です。今回は、子供のトラブルに備えられる個人賠償責任保険について解説します。
子供のトラブルに備えられる!
個人賠償責任保険とは
2020年4月2日
個人賠償責任保険とは
日常生活を送っている中で、他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりすると法律上、損害賠償責任を負います。子供は遊びに夢中になると周囲に目が向かず、意図せずに人や物に損害を与えてしまうことが少なくありません。
子供が損害を与え損害賠償が発生した場合、なんの備えもないと高額な賠償金を家族が負担する事態になります。個人賠償責任保険は、そのような事態になった場合の賠償金や弁護士費用などを補償してもらえる保険です。そのため、子供が起こすトラブルに備えられる保険として注目されています。
保険料はお手頃価格
個人賠償責任保険は、子供が起こすさまざまなトラブルを幅広く補償してくれるにもかかわらず、月額は100円~500円とお手頃な価格です。保険料が高くないから補償額も低いと思われがちですが、補償額は大きいものだと1億円を超えます。
1人の加入でみんなを補償できる
個人賠償責任保険は、一人ひとりがそれぞれ加入しなくても、家族のうち誰か1人でも加入していれば、家族全員が補償対象です。そのため、一番上の子供が個人賠償責任保険に加入していれば、他の子供が事故やトラブルを起こしても補償してもらえます。
加入を検討する前に確認したいこと
個人賠償責任保険の加入を考える場合、現在加入している自動車保険や火災保険などの証券を確認してみましょう。契約内容に個人賠償責任保険が含まれている場合もあり、その場合は新たに個人賠償責任保険に加入しても、補償額は合算されません。重複加算をしないように、契約している保険では加入していないことを確かめてから、加入を検討しましょう。
個人賠償責任保険の対象と対象外のケース
具体的にどのようなケースで対象となるのでしょうか。
対象のケース
・自転車通学を行っている子供が、不注意により事故を起こした
・キャッチボールをしていたら、他人の家の窓ガラスを割ってしまった
・買い物中に、お店の商品を落とすなどして壊してしまった
上記のように、個人賠償責任保険は他人の身体や物に損害を与え、賠償責任を負った場合に適用され、怪我をさせた場合の治療費や壊したものの修理費などが補償されます。個人賠償責任保険では、不意で起きる事故やトラブル、子供同士のケンカや興味本位で物品を壊してしまった場合なども補償されます。
個人賠償責任保険が適用されるケースで問題となりやすいのは、自転車に乗っている子供が歩行者とぶつかってしまうケースです。子供が自転車に乗っていて、歩行者に怪我を負わせた事故で、その親が9,000万円を超える損害賠償責任を負った事例も存在します。高額な損害賠償責任を負うリスクがあるため、そうしたリスクに備えるために加入される方が増えています。
対象外のケース
さまざまなトラブルに対応できる個人賠償責任保険でも、以下のようなケースでは補償対象外となるため注意が必要です。
・故意に起こした事故
・友達から借りた物を壊した
・同居している親族に対する損害賠償(例:同居している祖父母などにぶつかり、ケガや骨折させてしまった場合など)
・海外で起こった事故
・大規模な災害による損害
上記のようなケースに関しては、対応できないことを覚えておきましょう。
利用方法
ここでは、個人賠償責任保険の利用方法について解説します。
保険会社に連絡
子供が事故やトラブルを起こしたら、保険会社の事故受付センターへ連絡します。その際、保険契約があるかどうか確認されるので、保険加入者の名前、保険の証券番号などは応えられるようにしておきましょう。
また、保険契約の確認が終わると、以下のことを伝える必要があります。
・事故やトラブルの状況
・当事者の名前と連絡先
・相手方の名前、住所、連絡先
・ケガ・破損物の状況
・病院の状況や破損物の修理先
こうして事故やトラブルについての連絡が終わった後は、正式な担当者からの連絡を待つことになります。
事故やトラブルの状況を伝える
保険会社の事故担当者は、保険が使用できるか判断するために事故やトラブルの状況を事細かに聞くのが普通です。そのため、聞かれたことに関しては詳細に返答しましょう。保険が使える場合には、保険会社から指定された保険金請求に必要な書類を準備します。保険が使えるとわかった場合や保険会社へ交渉を任せる場合、その旨を相手側へ伝えましょう。
示談代行サービスがない場合
個人賠償責任保険で示談代行サービスがない場合は、被害者との定期的な連絡や必要書類の準備を自分で行うだけでなく、示談交渉も自分で行う必要があります。この場合、保険会社は契約者に対して被害者への連絡や書類取り付けのアドバイスを行い、書類を受領した後の賠償額の提示、保険金の支払いなどを行います。
示談代行サービスがなければ、保険会社は相手方と交渉ができないため、交渉を自分で行わなくてはいけません。交渉は必ずしも順調に行くとは限らないため、個人賠償責任保険に加入するのであれば、示談代行サービスのある保険を選ぶことをオススメします。
子供が起こす事故やトラブルに、幅広く対応できる個人賠償責任を加入して、もしもの時のリスクに備えましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年4月2日時点のものです)