いよいよ2020年4月から、私立高校の無償化が始まります。そもそも【無償化】ってどういうこと?公立高校と私立高校では無償化制度に違いがあるの?誰もが【無償化】の対象になるの?など、まだまだ知らないことがたくさんです。子どもさん本人やご家族の将来のために、今知っておきたい【高校無償化】の最新情報を分かりやすくお伝えします。
【高校無償化】のこと分かりやすく教えて!
今知っておきたい、将来の大切な話
2020年1月19日
【高校無償化】とは?
【高校無償化】とは、高校などに通う3年間の授業料の負担がゼロになることを指します。
正式には「高等学校等就学支援金制度」と言う文部科学省の制度で、高校などに通う授業料を国が支援することで、各家庭の教育にかかる経済的な負担を減らし、教育の機会均等を目的として作られた制度です。
この制度は2010年に始まりました。2010年当時の支援制度の内容は、所得制限は関係なく、公立高校などの授業料の負担はゼロ、私立高校などの授業料の負担はゼロではないものの、就学支援金を支給することで負担を減らす内容でした。
その後、2014年になり所得制限が加わりました。また、私立高校に通う子どもがいる世帯収入の低い家庭には支給額が加算され、現在に至っています。
【2020年1月現在の制度内容】
年収が約910万円未満の世帯が対象。(それ以上の年収がある世帯は対象外)
支給額は
公立高校
全日制 月額 9,900円
定時制 月額 2,700円
通信制 月額 520円
私立高校
一律 月額 9,900円
この支給額では、公立高校の授業料は、支給額とほぼ同額なので、各家庭が負担する必要はなく【無償化】というわけです。
しかし、私立高校の授業料は、支給額以上の場合がほとんどです。支給額との差額は、各家庭が負担することになります。そのため、私立高校に通う子どもがいる世帯収入の低い家庭は支給額が加算されています。
加算される支給額は
年収250万円未満世帯には 年額 29万7,000円
年収250~350万円世帯には 年額 23万7,600円
年収350~590万円世帯には 年額 17万8,200円
この他にも、公立高校・私立高校共に、世帯収入の低い家庭には、授業料だけではなく、教科書代や学用品代、通学用品代、教科外活動費、PTA会費、修学旅行費用などを援助する制度もあります。
これらの制度は、都道府県によって違いますので、自分が住んでいる自治体のHP等で確認するか、直接電話や窓口で問い合わせることをおススメします。
2020年4月からどうなる?
公立高校などに通う場合は、これまで通りで変更点はありません。
年収が約910万円未満の世帯が対象で、
全日制 月額 9,900円
定時制 月額 2,700円
通信制 月額 520円 です。
私立高校はどうなる?
私立高校などに通う場合の支給額はアップします。私立高校の平均授業料を考え合わせた上での水準に引き上げられるのです。今までは、私立高校の授業料と支給額には差額が生じており、その差額分は各家庭で負担していました。2020年4月からは、その差額がなくなるため私立高校でも【無償化】が実現するわけです。
年収の上限額はどうなる?
しかし、この支給額がアップする条件として、年収の上限額があります。私立高校などに通う子どもがいる世帯全てが支給額アップの対象になるわけではありません。
年収約910万円以上は、
今まで通り 対象外 支給額 0円
年収約590万円以上~約910万円未満は、
今まで通り 支給額 月額9,900円 です。
年収約590万円未満の場合、
平均授業料の水準まで支給額がアップします。ここが【無償化】になる対象者です。
年収の判定基準が、今までは地方税の「所得割額」でしたが、2020年4月からは「課税所得」に変更します。
この制度変更は、2020年4月に入学する高校生だけでなく、在校生も対象です。手続きに関することは、学校から案内があるので、その案内に従って期限内に手続きしましょう。
この他にも、都道府県独自の授業料支援を行っている場合もあります。自分が住んでいる都道府県のHP等で確認するか、直接電話や窓口で問い合わせることをおススメします。
【高校無償化】将来のために今やっておきたいこと
公立高校だけでなく、私立高校でも【高校無償化】が広がっています。この制度を活用し、将来のために今やっておくべきことをまとめてみました。
親の立場
元々、世帯年収が約590万円以上の家庭は今まで通りで変更ありませんが、世帯年収が約590万円未満の家庭では、子どもが公立・私立どちらの高校に通っても、授業料の負担がなくなります。
高校の教育費のために貯金していた場合、そのお金を使わずに済みそうです。この貯金を他の目的に使うのではなく、その先の子どもの教育費(例えば、高校在学中の塾代や大学進学費用など)のためにストックしておきましょう。
子ども本人の立場
今までは「我が家はお金に余裕がないから、公立高校に行ってね」と言われた経験がある人もいるでしょう。これからは、お金に余裕がなくても、公立・私立の教育費の差はほぼ無くなります。
「公立だから行く」「私立には行けない」で進路選択するのではなく、子ども本人が行きたい高校、学びたい高校を選びましょう。
自分はどんな事が好きか、得意な分野は何か、将来どんな事をしたいかなどを考え、お金の心配をすることなく、自分に合った高校を選んで、有意義な高校生活を送りましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年1月19日時点のものです)