あなたは、ペイオフのことを知っていますか?
ペイオフをふまえ、もしものときに備えて銀行のお金の一部をほかの銀行へうつしたいと思うとき、どのような振込方法を使えばいいか気になる人もいるでしょう。
振込手数料をあまり払いたくないけれど、安全にうつしたいとも思いますよね。
預金の一部をほかの銀行へうつすときの振込方法と手数料についてご紹介します。
【ペイオフ対策】預金の一部を
ほかの銀行にうつす方法と手数料について
2019年10月6日
ペイオフとは?
預金が守られる仕組みのこと
ざっくりいうと、ペイオフとは、銀行が破綻したときでも、預金保険制度によって私たちの預金が1,000万円とその利息まで守られる仕組みのことです。破綻金融機関(※)に1,000万円を超える預金がある場合、一部払い戻しされないというリスクがあります。
これは普通預金や定期預金についての話であり、決済用預金(決済用普通預金)は全額保護の対象です。だったら決済用預金を使えばいいのではと思うかもしれませんが、決済用預金には利息がつきません。
1,000万円というのは一つの金融機関内での話で、別の金融機関に分ければ、それぞれ1,000万円ずつ保護されます。
※預金保険制度の対象金融機関
口座が複数あるときはどうなる?
さて、同じ金融機関に複数の口座を持っている預金者、あるいは家族が別々に口座を持っているという預金者もいるでしょう。その場合はどうなるのかと気になりますよね。
同じ預金者の持つ口座は合算して計算されます。家族の場合は、それぞれが1,000万円まで保護されますが、名前を家族にしているだけ(名義貸し)と判断される場合は合算されます。
振込の方法別メリットとデメリット
1. 窓口で振込
ペイオフ対策のために、利用している銀行の預金の一部をほかの銀行へうつしたいと思ったとき、どうすればよいでしょうか。
現金で引き出してほかの銀行へ足で運ぶ方法はリスクが高いため、振込でお金をうつすという前提で考えていきましょう。大きな金額であればあるほど、窓口利用ならではの安心を感じたいという人もいます。
メリット
・振込の上限額がない
・高い安心感を得られる
デメリット
・振込手数料が高め(3万円以上の振込額で864円程度)
・本人確認を求められることがある
・平日の限られた時間しか窓口が開いていない
なお、他行宛の振込手数料は、同じ銀行内の支店宛に比べて高いことが一般的です。また、振込金額によっても振込手数料は変わり、3万円未満に比べ3万円以上は高くなります。
2. ATMで振込
窓口に比べて気軽に利用できるATMでの振込ですが、振込額に上限のあることに注意しましょう。銀行によって上限額の初期設定が異なり、50万円だったり500万円未満だったりします。銀行によって制限はありますが、ある程度まで限度額を変更することも可能です。
メリット
・窓口よりも長い時間帯で利用可能
・近隣で済ませられる
・窓口のときよりも振込手数料が安い(3万円以上の振込額で220~550円程度)
デメリット
・振込上限額を気にしなければならない
・パスワード管理をしっかりする必要がある
3. ダイレクトサービスで振込
ダイレクトサービスとは、インターネットを利用して振込などの銀行サービスを利用できる仕組みのことです。口座残高が一定以上、あるいは指定されたクレジットカードを利用する等の条件を満たすと振込手数料が無料になるサービスを提供している銀行もあります。
メリット
・いつでも振込できて手軽
・窓口やATM利用のときのように待たされる(並ぶ)ことがない
・ATM利用のときよりも振込手数料が安い(3万円以上の振込額で220~440円程度)
・決められた条件を満たすと振込手数料なしで振込できる場合がある(回数に制限はあり)
デメリット
・振込上限額を気にしなければならない
・パスワード管理をしっかりする必要がある
また、ネット銀行の利用でも従来の銀行のダイレクトサービスと同様に振込手数料が安いメリットを得られます。給与や年金の受取口座にしておくと他行宛の振込手数料が無料になるなどのサービスを提供しているネット銀行もあります(回数に制限はあり)。
このように、従来の銀行のダイレクトサービスやネット銀行によるインターネットバンキングでは他行宛の振込手数料を無料にできる場合がありますが、銀行によって条件は異なります。銀行選びをするときの比較ポイントの一つとしてチェックしておくとよいでしょう。
事前の対策が効果的
お金をうつすときの他行宛の振込手数料については、上記で紹介したように無料とできるケースもあります。しかし、ある程度の預金額になってきた時点で、ほかの銀行口座にも貯めるような仕組みをつくっておけば振込の手間もお金も省けますよね。
そして、ある程度お金が貯まってきたら一部を投資に回すという考え方も一つです。投資と一口にいっても個人向け国債など低リスクの投資方法もあるため、資産の分散方法について考えるきっかけとしてみてもよいのではないでしょうか。
※今回紹介した振込手数料やサービス内容は例であり金融機関によって異なります。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月6日時点のものです)