2019年10月の消費税増税にともない、家を買うときに給付してもらえる「すまい給付金」が拡充されることになりました。
すまい給付金は家を買うすべての人が対象となっているわけではなく、対象となる所得層が決まっており所得によって給付額も変わります。
どのくらいの所得の人がすまい給付金の対象となっているのか、いくらもらえるのかといった気になる問題についてわかりやすくご紹介します。
消費税10%への増税にともなう
「すまい給付金の拡充」!いくらもらえる?
2019年5月3日
すまい給付金とは?
一定の所得層への住宅取得支援策の一つ
私たちが物を買うとき、ふだんは当たり前のように消費税を払っていますよね。しかし、消費税増税のタイミングには妙に消費税が気になり、消費税増税後に物を買うと損をするような気になってしまいます。
特に高い買い物、例えば家を買うときには、そのような思いが強くなるものです。そのため、消費者のそのような気分を和らげるために、消費税増税のときに国はいろんな施策を行います。
2019年10月1日からの10%への引き上げに対しても住宅取得支援策が複数用意されているのですが、そのうちの一つが「すまい給付金」の拡充です。「消費税増税後に家を買ってもメリットを得られるようにしますよ」ということ。
すまい給付金と住宅ローン減税
住宅取得の支援策には住宅ローン減税もありますが、住宅ローン減税の仕組みを考えると、なぜ「すまい給付金」が創設されたのかを理解できます。
簡単にいうと、住宅ローン減税とは住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除されるという制度です。所得税から控除されるということは、収入の低い人は所得税が少ないので、収入の高い人に比べて控除金額が少なくなる可能性があるということ。
そこで、一定の所得の人に対し「すまい給付金」という形で給付金が出るようになりました。住宅ローン減税と併用して支援を受けられます。また、「すまい給付金」は、住宅ローンを利用しない人でも一定の条件に当てはまれば給付してもらえる制度となっています。
誰がもらえる?いくらもらえる?
対象となる所得階層が拡充される
お金をもらえる制度である「すまい給付金」に対しては、「私はもらえるの?」が一番気になるところですよね。2019年10月の消費税増税に合わせ、対象となる所得階層が拡充されることになりました。
・収入がおよそ775万円以下の人が対象(家族構成により変わり、左記目安は専業主婦と中学生以下の子ども2人の場合)
・住宅ローン償還期間が5年以上(親族などからの借り入れは住宅ローンとみなされない)
・住宅ローンを利用しない場合は年齢50歳以上に限る
対象となる家についても、床面積が50㎡以上であることや第三者機関の検査を受けていることなどの条件があります。
恒久的な制度ではない
「すまい給付金」は消費税増税のインパクトを和らげるための支援策であり、恒久的な制度ではありません。具体的にいうと2014年4月から2021年12月までの制度であり、2014年4月は消費税が8%に引き上げられたタイミングでした。
「すまい給付金」を給付してもらうためには、2021年12月までに対象の家に入居完了していないといけません。また、すまい給付金を受け取れるのは1人につき1回限りです。家を買い替えたなどの場合でも2回受け取ることはできません。
最大で50万円もらえる
気になるすまい給付金の金額ですが、都道府県税の所得割額によって決まる仕組みとなっています。所得割額は、個人住民税の課税証明書(あるいは非課税証明書)で確認できます。
消費税10%引き上げ後のすまい給付金の金額は下記のとおり。専業主婦と中学生以下の子ども2人がいる家庭で住宅ローンを利用しているというモデルケースでの収入目安です。なお、神奈川県の場合は県民税率が他都道府県と異なるため(0.025%付加される)、下記の所得割額の数字よりも400円~1,000円程度上の金額となります。
【収入目安:都道府県民税所得割額:すまい給付金基礎額】
・450万円以下:7.6万円以下:50万円
・450万円超525万円以下:7.6万円超9.79万円以下:40万円
・525万円超600万円以下:9.79万円超11.9万円以下:30万円
・600万円超675万円以下:11.9万円超14.06万円以下:20万円
・675万円超775万円以下:14.06万円超17.26万円以下:10万円
出典:国土交通省(http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/kyufu.html)
所得割額とは住民税額を決めるときに計算される税額で、所得から各種控除分を引いてから計算されています。控除の種類には基礎控除、扶養控除、社会保険料、生命保険料などがあります。家族構成によって扶養控除額が変わり、生命保険料なども人によって異なるため、それぞれのケースで収入目安が変わるのです。
どうやってもらえばいい?
すまい給付金の申請は、家の持ち主が行います。夫婦で共有名義としている場合は、それぞれで申請して、それぞれがもらうことができます。この場合の給付額は家の持分割合に応じて決められます。
取得した家に入居した後に給付申請書と添付書類で申請しますが、夫婦が同じ家の分で申請するときは重複する確認書類を一部省略できます。すまい給付金申請窓口へ持参する方法のほか、すまい給付金事務局への郵送でも大丈夫(※)です。住宅事業者や家族が手続きを代行することもできます。ただし、代行で手続きを行う場合は代行者の名前や押印なども必要です。
※代理受領する場合は郵送での申請不可
【郵送の場合の申請先】
〒115-8691
赤羽郵便局 私書箱38号 すまい給付金申請係
すまい給付金は、家の購入の負担感を減らしてくれるありがたい制度ですね。自分がいくらもらえるかどうか気になるときは、国土交通省のHPで簡単にシミュレーションできます。合わせて住宅ローン控除についてもシミュレーションできるため、参考のためにぜひ利用してみてくださいね。