知っていればおトクだったり、意外と便利に使える会社の福利厚生制度。
あなたは利用したことありますか?利用するかしないかは、お金の貯まり方にも影響しますから、「知らない」「使わない」なんてもったいないこと! しっかり者の新入社員に聞かれる前に、先輩としていろいろ申込みしちゃいましょう。
新入社員に聞かれる前に、
きちんと知っておきたい
会社の福利厚生制度
2019年3月30日
いまさら聞けない!? 福利厚生制度とは
福利厚生制度とは、会社が従業員とその家族の生活の向上を支援する目的で提供するさまざまな制度のことです。ただ、ひとくちに会社の福利厚生制度といっても、実は大きく2種類に分けることができることができます。
1つは「法定福利」というもので、もう1つは「法定外福利」といわれるものです。
「法定福利」とは
名前から想像できると思いますが、法律で義務づけられている福利厚生制度です。
労働時間数など条件を満たさないパートやアルバイトを除き、会社は従業員を雇い入れる際に「厚生年金保険」「健康保険」「介護保険」などの社会保険に加入させなくてはいけないと法律で決められています。また、これらの保険料は会社が半分払うことになっています。ほかにも労災保険や雇用保険などがあります。これらを法定福利といいます。
「法定外福利」とは
一般的に会社は従業員が働きやすい労働環境を提供することで、労働力の確保・定着、勤労意欲・能率の向上などの効果を期待しています。そこで、法律で義務づけられてはいないものの、会社が任意でさまざまな制度を実施しています。
たとえば、「住宅手当」や「育児支援制度」「社員食堂(昼食費補助)」「宿泊・レジャー施設の割引制度」「リフレッシュ休暇」「社員旅行」等、ほかにもさまざまな制度があります。もちろんすべての会社がすべての制度を実施しているわけではありませんが、最近ではユニークな制度を取り入れているところも多いようです。
従業員の家計にうれしい福利厚生制度
会社独自の法定外福利制度では、リフレッシュや健康維持、生きがいや余暇などに関する制度も多いものの、お金に関する制度も多くあります。知らないともったいないものばかりです。あなたの会社にあるかどうか確認してみましょう。
貯金するならコレ!資産づくりにうれしい制度
従業員が先取り貯金できるよう、会社が給与天引きで資産形成をサポートしてくれる制度がいくつかあります。
会社員の貯金の王道ともいわれる「財形貯蓄制度」は導入している会社も多く、お金を貯めやすい制度です。「お金を毎月確実に貯めたい女子たちへ…。今こそ財形貯蓄を始めよう」の記事も確認してみてくださいね。
財形に比べると実施している会社は少ないようですが、「社内預金制度」を導入している会社もあります。会社が独自に行う預金制度であるため、金利は会社ごとに異なります。ただし、厚生労働省令で定められた下限金利を下回る金利を付与することは法律で認められていません。下限金利は年2回見直しがありますが、現在は0.5%です。つまり、最低でも年率0.5%の利息がつくことになります。2019年3月現在、都市銀行の定期預金金利は0.01%ですから、50倍以上の利息が期待できますね。
最近では「確定拠出年金制度」を実施している会社も多いでしょう。会社が掛金を拠出する「企業型」以外にも、従業員自身が拠出する「個人型(iDeCo)」の掛金を給与天引きしてくれるところもあります。老後のための貯金も早くからするに越したことがありませんから上手く活用したいですね。iDeCoの詳細については「老後のお金を効率的に貯めるなら、iDeCoに挑戦してみよう!」で確認してくださいね。
お金に困ったらまずは会社に相談!お金を借りられる制度
従業員がお金のことでトラブルを抱えることなく安心して働けるように、会社がお金を貸し付ける「従業員貸付制度」を実施している会社があります。一般的には慶事、疾病、介護、災害、教育など用途が決められています。なお、借りられる金額は勤続年数に応じた退職金の範囲内としている場合が多いようです。
メリットは、一般的に金融機関などで借りる場合よりも金利が低いこと。貸付利率は会社によって異なりますが、1%台~6%程度で設定している会社が多いようです。ある都市銀行のカードローンの金利は年13.6% ~年14.6%(10万円以上100万円以下の借入れの場合)(2019年3月現在)ですから会社の貸付制度のおトクさがわかりますね。
お出かけだってお金をかけずに楽しめる !? レジャー系の制度
会社が保養施設を運営しているところも少なからずありますが、多くの場合は従業員が割引価格で利用できるよう、会社が宿泊施設、旅行会社、アミューズメントパークなどと契約をしています。会社によって利用の仕方はさまざまですが、ポータルサイトなどにログインし、従業員自身で申込みができるようにしているところが多いよう。割引価格や割引率は会社によって異なりますが、おトクにおでかけができるでしょう。
メリットいっぱいの福利厚生制度、うまく使えばお金も貯まる
スーパーやレストランでの割引クーポンは使いこなす節約上手な人でも、実は福利厚生制度で大きな節約ができることを知らなかったり、貯金の機会を逃していること自体にも気づいていない人は案外多いようです。
貯金や節約に関する代表的な福利厚生制度を紹介しましたが、ほかにも、家計に優しい制度はたくさんあります。
たとえば生命保険の団体扱いというのがあります。保険料の支払い方を選ぶとき、口座振替扱いにするよりも団体扱いとして給与天引きでの支払い方を選ぶほうが月額保険料は安くなる制度です。これも会社の福利厚生の一環と言えるかもしれません。
これら数々の福利厚生制度で会社が自分のお財布を守ってくれていることがわかれば、仕事のモチベーションも上がるのではないでしょうか。モチベーションが上がればキャリアアップや収入アップにもつながります。
会社の制度をうまく活用しながら、お金との縁を広げていきましょう。