子供の教育資金の準備として、毎月コツコツ貯蓄を頑張っている人も多いのではないでしょうか。もし、特例を利用して祖父母がサポートしてくれるのであれば、ありがたく受けたいですね。
でも、イザ利用しようと思った時に条件が変更していて利用できなかったらショックです。
2019年4月からの贈与の特例の変更点についてお伝えします。
延長が決定!
贈与の特例2019年4月からの変更点は?
2019年2月3日
※1月13日公開の記事2019年お金の制度はこう変わるは、2018年12月8日に執筆したため、内容が一部古い情報となっています。
税制改正大綱とは
皆さんは「税制改正大綱(ぜいせいかいせいたいこう)」と言う言葉を聞いたことはありますか?
税制改正大綱とは、翌年度以降の増税や減税など税制改革の内容を細かく定めた物で毎年12月半ばに発表されています。そしてその大綱をもとにした税制改正法案を国会に提出し、翌年の1月に国会で審議して可決されます。
税制が改正されると、私達の日常生活にも影響が出るので、今年の年末は税制改正大綱が発表される時に注目してみてくださいね。
そして今年の平成31年度税制改正大綱は、昨年の12月21日に閣議決定されました。
今回の税制改正大綱で見直された税制改正の中で、本来であれば、2019年3月末で終了する予定だった2つの贈与の特例が見直されました。
私達の生活に大きく影響する改正ですので、改めてどのような特例なのか、どのように見直されたのかをお伝えしていきます。
教育資金一括贈与非課税措置の延長・見直し
子供が生まれたら必ず必要になる教育費。少しでも早いうちからコツコツ準備していきたいですね。でも、いつから私学に行くのか、大学は理系に行くのかなどによって大きく変わるのが教育費です。万が一足りない時に、祖父母から援助してもらえると助かりますね。
教育資金一括贈与非課税措置とは
通常、1年間に110万円を超えた贈与を受けると贈与税がかかります。ただし、祖父母が孫の教育資金をその都度支払う場合、年間110万円を超えても贈与税はかかりません。
でも、将来の教育資金をまとめて贈与を受けたい場合がありますね。その時には、1,500万円まで非課税となる「教育資金一括贈与非課税措置」を併用することができます。
改正されたところは?
平成31年度税制改正では、本来2019年3月末で終了予定だったこの制度を、2021年3月末まで延長されると共に、下記のように見直される予定です。
1.信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、適用を受けることができなくなります。これは、2019年4月1日以後から適用されます。
2.教育資金の範囲が、23歳以上の場合学校等に関連する費用を除くと教育訓練給付金の支給対象となる支払いに限定されます。これは2019年7月1日以後から適用されます。
3.今までは、期間終了までの間に贈与者が死亡しても、管理残額は相続税の課税対象にはなりませんでしたが、死亡前3年以内に信託された部分のうち、死亡日の管理残額に対応する部分について相続財産に含まれることになります。
ただし、受贈者が23歳未満の場合、学校等に在学している場合、教育訓練給付金対象の教育訓練を受講している場合は含まれません。
これは、2019年4月1日以後の贈与者の相続から適用されます。
4.今までは、受贈者が30歳に達した日に契約が終了しました。これからは、30歳の時点で学校等に在学している場合や教育訓練給付金対象の教育訓練を受講している場合は契約が終了せず、 1年を通して、学校に在学している期間や教育訓練を受講している期間がない年の12月31日または40歳に達する日の、どちらか早い日に契約が終了します。
これは、2019年7月1日以後に適用されます。
結婚・子育て資金一括贈与非課税措置の延長・見直し
毎月給料から積み立てをしていても、結婚や出産、子育てには多額の出費が伴います。お金が原因でなかなか結婚や出産ができないと悲しいですね。そんな時に頼りになるのが親や祖父母からの援助です。
結婚・子育て資金一括贈与非課税措置とは
20歳以上50歳未満の人が、父母や祖父母から結婚や子育て資金として援助を受けた場合、1,000万円までは非課税となる制度です。
結婚式の費用や住居の費用、妊娠・出産費用、子育て資金としては、子供の医療費や幼稚園・保育園の費用が適用となります。
ただし、結婚に際して支払うお金は300万円までです。
改正されたところは?
平成31年度税制改正では、同じく本来2019年3月末で終了予定だったこの制度を、2021年3月末まで延長されます。
ただし、信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用を受けることができなくなります。
これは、2019年4月1日から適用されます。
本来なら、2019年3月31日で終了予定だったこれらの制度が、2年間延長になったことは利用を検討している人にとってはありがたいですね。ただし、制度の見直しによって利用できなくなる人がいるのも事実です。適用外になる、という人で利用を考えている人は、急いで手続きを行ってくださいね。