2014年から始まったNISA(少額投資非課税制度)が今年の12月に5年間の非課税期間が満了を迎えます。慌ただしい12月、ギリギリになって慌てないように今から考えておきたいですね。
そこで初めて行うロールオーバーの手続きやポイントをお伝えします。
NISA口座、初めてのロールオーバー
手続きはどうしたらいい?
2018年10月8日
NISA制度、簡単におさらい
投資をしている人にとって、すっかりおなじみになったNISA(少額投資非課税制度)。
改めて、簡単におさらいをしていきましょう。
税金がかからない
通常、株や投資信託の売買で得た利益や配当金、分配金に対して20.315%の税金がかかります。でも同じ投資をするのなら、少しでもおトクに運用がしたいですよね。
NISA(少額投資非課税制度)は、株や投資信託で得た利益が非課税になる制度です。
2014年から始まった制度で、今のところ2023年まで利用することができます。
1年間に120万円まで非課税枠を利用して商品を購入することができ、毎年新たに120万円の非課税枠が利用できます。この非課税で運用できる期間は5年間です。
ロールオーバーって?
先ほどもお伝えしたように2014年1月から始まったNISA口座ですが、2014年にNISA口座で買付けされた商品の非課税期間である5年が、2018年12月に満了となります。
非課税期間満了後はどうなるの?
2014年からNISA口座を利用していて、5年間の非課税期間を満了した後の資産は、2種類の取り扱い方法から選ぶことができます。
まず1つ目は翌年の非課税枠を利用して非課税期間を延長することができます。この非課税期間を延長することをロールオーバーと言います。ロールオーバーをするためには、NISA口座を開設している金融機関で、期限までに手続きをする必要があります。
そして2つ目は特定口座や一般口座などの課税口座へ移管することができます。この場合は特に手続きをする必要がなく、非課税期間が終了したら自動的に特定口座に移管されます。特定口座を持っていない人は一般口座に移管されます。
移管後は売却益や配当金、分配金は課税されます。また、証券会社によってNISA口座での株式売買手数料が無料などのサービスがあった場合は、移管後は通常の手数料が必要になります。
また、ロールオーバーをしない場合は、課税口座に移管した場合の価格を購入した時の価格とみなします。ですから、NISA口座で買い付けた時より価格が下がっている状態で課税口座に移管し、売却時の価格が移管した時の価格より上がっていた場合、たとえNISA口座で買い付けた価格より下がったままの状態でも、課税されることを知っておいてくださいね。
非課税期間を延長するには?
来年以降も非課税枠が利用できるのなら、より長い間おトクに運用したいですね。 来年以降も引き続きNISA口座を利用する場合は手続きが必要です。
2014年から利用しているNISA口座は10月以降に各金融機関から手続きの詳細が送られてくると思います。利用している金融機関のHPなどで確認しておきましょう。
ロールオーバー、気を付けること
ロールオーバーの手続きをするにあたり、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
120万円超えている場合は?
先ほど、NISA口座では120万円まで非課税枠を利用して商品を購入できるとお伝えしました。もし、5年前にNISA口座を利用して100万円の商品を購入し現在の時価が130万円になっている場合はどうなるのでしょうか?
実は全額ロールオーバーすることができます。 その代わり、ロールオーバーをした後はNISA買付枠を全て使用済みとなるため、2019年にNISA口座を利用して新たに商品を購入することはできません。
ちなみに、NISA口座を利用して50万円の商品を購入し、現在時価が60万円になっている場合は、2019年のNISA口座では差額の60万円分の利用が可能です。
他社でNISA口座を利用している場合は?
2014年にNISA口座を利用して商品を購入し、資産を保有したまま現在は別の金融機関でNISA口座を変更して商品を購入している人もいるでしょう。ロールオーバーをするためには、翌年のNISA口座が開設されている必要があります。別の金融機関で取引をしている場合はロールオーバーをしようとする金融機関で取引ができるよう、金融機関を変更する手続きをしておく必要があります。
つみたてNISAを利用している場合は?
2014年にNISA口座を利用して商品を購入し、資産を保有したまま現在はつみたてNISA口座を新しく開設している場合は、つみたてNISA口座にはロールオーバーをすることができません。
ロールオーバーを利用するためには2019年のNISA口座の区分を一般NISAになるようにする手続きが必要です。
ロールオーバーをするかしないかは、皆さんそれぞれの資産が、利益が出ているか損失が出ているかによっても考え方が違ってきます。
ロールオーバーをしようと思っていたのに時間がなくて課税口座に移ってしまうことがないよう、今からゆっくり考えてみてくださいね。