共働き夫婦では、世帯収入のわりに貯金ができないという情報をマネー関連サイトの記事や口コミ広場で見聞きしている人もいるでしょう。たしかに夫婦それぞれに収入があれば、別々の財布でなんとなく管理しても日々の家計は回っていくことが多いもの。でも、教育費ほか、諸々の貯蓄をするためには家計管理をきちんとしたいものです。今回は、教育費、家計管理、老後資金……子育て家庭が抱えるお金の不安をこの一冊でまるっと解決!投資のヒントも満載、実用エッセイ漫画「マンガで読む子育てのお金まるっとBOOK」から抜粋してマンガとともにお伝えします。
【FP伝授】共働き夫婦のお財布のホンネ事情
うまくいく家計のやりくり
2019年9月21日
共働き夫婦の家計管理は3パターン
家庭によって家計管理の方法はいろいろありますが、基本としては3つのパターンがあります。
お財布(家計口座)が1つ
夫婦ともにそれぞれの収入をすべて1つの財布(家計口座)にまとめる方法です。食費に住居費、光熱費、etc……生活にかかるすべての費用を1つにまとめた家計口座から支出していくようにします。もちろん、家庭の貯蓄もそこから振り分けていきます。
この方法では、何にどれだけ支出しているかが夫婦の間でオープンになり、また貯蓄もいくら貯まっているのか見えやすいのが特徴です。お互いにお金に関する隠し事がなく、教育資金や家族旅行など家庭の目的に向かって意識も1つにまとまりやすく、お金が貯まりやすくなるメリットがあります。
一方で、夫婦で共有する家計口座とはいえ、現実的には口座名義は夫婦のどちらか一方の名前になります。そのため名義人になっていないほうは、使いづらいというデメリットもあります。
お財布(家計口座)が2つ
夫の収入は夫の財布、妻の収入は妻の財布というようにそれぞれ別々に所有しますが、生活費の使い道ごとにどちらが何を負担するか分担を決める方法です。
たとえば、夫は住居費、教育費、自分のおこづかい……などと決め、妻は食費、光熱費、自分のおこづかい……というように決めていきます。どちらがどれだけ負担するかという分担に関するルールはありませんが、夫婦間で話し合って決めていくと良いでしょう。
負担ルールを決めた後は、相手の担当分は相手に支払いを任せてしまうことで、自分は自分の負担分の管理に集中すれば良くなります。これは管理が楽になるメリットとも言えますが、夫婦の話し合いの状況によってはお互いの収入を知らないというケースも少なくありません。
それぞれに自分のおこづかいを自分の財布から出すことになるため、自由が効きやすく、ついつい使いすぎる可能性もあり、家族のための貯蓄をしづらい傾向もあります。貯蓄の現状をわかりづらいのはデメリットになってしまいます。
また、負担を決めた後に二人目出産するなど、家族の状況の変化があると分担割合がフェアでなくなってしまう可能性もあります。多くの場合は女性の収入がダウンするケースになるので女性への負荷が重くなる可能性もあります。
お財布(家計口座)が3つ
上記2つの折衷型で、夫婦の共有財布(家計口座)を作り、そこにお互い自分の収入から一部を入れていく方法です。住居費や光熱費、食費などの家族の支出、教育費や家族旅行などの家族の貯蓄は共有財布から、自分のおこづかいは自分の財布から支出していきます。
こうすることでお互いの収入はわかりやすくなり、また毎月の貯蓄額も見えやすくなるメリットがあります。
夫婦の決めごとをつくる
どのパターンでも大切なのは、夫婦の決めごとを作っておくことです。
たとえば、おこづかいの範囲があります。自分の洋服はおこづかいで買うのか、家計の被服費として支出するのか。また時々食べたくなるケーキなどのスイーツは、家計から食費の一部として出すのか、自分のおこづかいか……というようなことがあります。どこからどこまでが家計で、どこからがおこづかいなのか、一般的なルールはありませんから、夫婦のルールとして決めておきましょう。一般的なルールはないけど、お互いに負担に関するルールを決めておくのは結婚するときの結婚式の費用分担に似ているかもしれませんね。
なお、税金の支払いや車検費用など、毎月発生する支出ではなく、年に1~2回程度の特別支出についてもリストアップして負担ルールを決めておきましょう。どんな支出があるかリストアップし、どちらが負担するか1年分程度を書き記しておくことで、支払期日が近づいても慌てることがなくなるでしょう。
夫婦の貯蓄額の確認方法
先に見た家計管理の1のパターンでなければ、夫婦とはいえどお互いの貯金がいくらあるのか聞きにくいものです。しかし家族のための貯金を増やしていくためには、相手がどれだけ貯金しているのか知っておくことも大切です。
そこでおすすめなのが夫婦の資産簿をつくる方法です。たとえば年に1回紙に自分の貯蓄額を書いて相手に渡し、相手にも相手の貯蓄額を書いてもらいます。そうして家族の貯金がいくらあるのか確認することができます。
その時には、前年の金額と比べ、「純資産」がどれだけ増えているのか、年に1回確認する習慣をつけましょう。資産は現金や預貯金だけでなく、株や投資信託などの有価証券、保険、自動車、マイホームなども含まれます。これらを今、現金化したら大体いくらになるのかを出します。そこから住宅ローンなどのマイナス資産(借入金)を差し引いたものが純資産です。毎月の家計が黒字でも、ローンが大きく純資産は赤字という家計もあります。こういう視点を持ったうえで夫婦のお財布事情を確認することが大切です。
のり子先生の決めセリフ
「目先の家計管理ではなく、全体を捉えた家計管理が何より大事」
今回のお話は、「マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK」でより詳しく説明しています。ぜひ、お読みくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年9月21日時点のものです)