2016年春、マイナス金利の話題がニュースを賑わせましたね。普通預金の利率が下がり、不安になった人もいるかと思いますが、実は住宅ローンを組んでいる人にとっては、マイナス金利はローン借り換えのチャンスだということをご存知でしょうか?住宅ローンの基本をおさらいし、ローンの借り換えについて勉強してみましょう。
タイミングを見極めておトクに!
住宅ローンの借り換え術
2016年6月23日
住宅ローンのおさらい 自分のローンの種類は?
これから家を買おうとしている人や、既に家を購入した人にとって、住宅ローンはとても身近な存在ですが、自分がどのようなローンを組んでいるかきちんと理解しているでしょうか。住宅ローンのさまざまな種類について、この機会に復習してみましょう。 まず住宅ローンは、財形住宅融資や自治体融資などの公的ローンと、銀行やフラット35のような民間ローンに分類することができます。一般的に、公的ローンは、物件や借入限度額などに制限があることが多いですが、金利は比較的安いものが多く用意されています。 一方、民間ローンは、銀行や信用金庫など、各機関が借入条件を定めており、ローンの商品性もさまざま。初めてローンを組む人は、じっくり比較検討する必要がありますね。
固定金利、変動金利のメリット・デメリットって?
さらに住宅ローンは、金利の種類によって、固定金利タイプと変動金利タイプに分けることができます。固定金利タイプは、借入当初に決めた金利がずっと続くもの。長期間にわたるライフプランがたてやすく、借入時の金利が低い場合は、返却期間中ずっと低金利で住宅ローンを利用することができます。 逆に、高金利の時に金利を決めてしまった場合は、将来にわたって高額の返済をしなければならないという特徴があります。一方、変動金利タイプは、市場の金利の変動に伴い、返済途中に、定期的に金利が変動するものです。 原則として半年から1年に1度、適用金利が変わります。借入当初に、将来の返済額が確定せず、ライフプランがたてにくいというデメリットがありますが、市場の金利が下がっている局面では返済額が減少し、逆に市場の金利が上がっている局面では返済額が増えるという特徴があります。
マイナス金利が住宅ローンの借り換えに有利な人とは?
では、マイナス金利よって、住宅ローンの借り換えをした方が良い人とは、どのような人でしょうか。それは、「固定金利タイプで、高金利の時に金利を決めてしまった人」です。現在、マイナス金利政策によって、民間の金融機関の金利や、フラット35の金利が引き下げられています。 ローンを組んだ時に、今よりも高い金利で固定化してしまっている人にとって、このまま高い金利でお金を返済し続けるのは損ですね。自分の住宅ローンのプランを確認して、もっと安い固定金利タイプか、変動金利タイプに切り替えることを検討してみてはいかがでしょうか。
住宅ローンの借り換え時の2つの注意点
ただし、住宅ローンの借り換えにはいくつか注意点があります。まず、ローン借り換えにかかる手数料です。一般的にローンの借り換えには、元の借入金融機関に払う費用、新しい借入金融機関に払う費用、さらに登録免除税や事務手数料、保証料など多くのコストが発生します。 これらを知らずに、住宅ローンを借り換え、慌てて貯金からお金を崩す…なんてことのないようしっかりと費用の確認は行って下さいね。ネット銀行の住宅ローンの場合、この保証料が無料となるプランも用意されているので、これから住宅ローンを組む人は、将来のローン借り換えの可能性を考え、事前に確認しておくようにしましょう。 また、例えば、三井住友銀行のホームページには、住宅ローンの借り換え時に必要なコストを確認できる「お借り換え試算シミュレーション」というページが用意されています。借り換えを検討する時に、利用してみてはいかがでしょうか。
2つめの注意点は、ローン借り換えのタイミングです。新しく住宅ローンを組む場合は、金融機関等で審査を受ける必要があります。審査期間は最低2週間から、長い場合は1ヶ月以上かかることも。ローンの借り換えに迷い、かつ審査が長引いた場合、マイナス金利のメリットを受けられる期間が少なくなってしまいますね。 ローンの借り換えを考えている人は、とりあえずコストや今後の返済額を試算するために、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談するなど、行動を早め早めに起こしていくようにしましょう。 「家」は、人生において最も大きなお買い物。上手にお金をやりくりし、その分のお金を貯金など自分の人生にプラスのお金にするためにも、随時ローンの借り換えを検討することはとても大切です。経済ニュースにもしっかりアンテナを張って、無理なく住宅ローンを返済していきましょうね。